アカソ繊維について
イントロダクション
アカソという植物をご存知でしょうか。
シソのような葉っぱで、茎が赤い雑草。山林の道路脇に見かけるものなのですが、見覚えないですか?
実はこの茎の皮を干すと、茶色の繊維が採れるのです。かなり丈夫で、下記のようにバッグの模様として編み込みに使います。もちろん紐にして、すべてアカソでバッグを編むこともできます(私はやらないけど)。
私は作品のワンポイントに使っているのですが、このアカソ。
廃林道沿いなど、あまり人の手が入らない、草刈りされないような林道にめちゃくちゃ繁茂しています。
湯西川温泉でも手軽に採れる植物なので、鹿の食害で失われつつある「岩芝」の代わりに使いたい!と試しに採ってみたのですが、これが結構大変で…
まさに「体力が許す限り採る!」が鉄則の、利用もちょっと大変なそんな繊維なのです。でも、皮むきはちょっと楽しいので、ぜひ体験してもらいたいなぁなんて思っていたり・・
とりあえず、詳しい話は下記から…
(ちなみに私もまったく知らず、去年三島町で教えてもらって、採ってみたログです)
アカソとは(生物学的知見)
たぶん、さっぱりよくわからないと思います。特に後半…
実際採ってみると、なんとなく、”似ているけれど、違うような・・・???”な植物にいっぱい出会います。
湯西川では、アオソ?ともいうそうですが、それがコアカソなのかヤブマオなのか、はたまたこれが本当のアカソなのか・・・
よくわかりませんw
このあたりは、私もざっくりなので、皮が剥けなかったらぽぃ!してます。ざっくりでいいんよ。だって量稼がないと、量にならないんだもの。。。
採り方(私のやり方なので間違いはあるよ)
採れる時期は、一番大きく伸びて、花芽が大きくならない時期。(花が咲く前までだそう)
私は6月中旬頃から、時間をみつけて、せっせと採ります。
7月中旬までは大丈夫そうですが、私は初旬までには終わらせます。
鎌でザクザクっと刈り取ったら、葉っぱをひらすら取って、茎だけにして束ねます。最終的に使えるのは、全体の1~2%ほどなのです。体力の限界まで、とりあえず確保します。これ、地味に大変。
場所を軒先に移動…
ゆっくり座って、ひたすら剥く。
写真奥側にある茶色と薄茶色の繊維は、干したアカソ繊維です。
左側は、水を少し打って→軽く揉んでを数回繰り返したもの。
右側の薄い茶色は、そのまま乾燥させたものです。
剥いた皮は絡まないようにまとめ、干します。
太陽光浴びさせて大丈夫です。ガンガン浴びさせましょう☀
乾燥すると半分ぐらいになります。
揉むと絡んでしまう可能性が高いので、「水を打って⇒乾燥させる」を繰り返すと、焦げ茶色に変わっていくそうです。たぶん、タンニンがいっぱい含まれているので、太陽光の兼ね合いで黒くなるのだと思う。やってみて。
利用方法
アカソで紐縒りはちょっと難しいのですが、できなくもない感じ。
あ、利用する前に、ちょっとだけ霧吹きで水をうすらかけて、ちょっとだけ柔らかくしておくと、使い勝手が良いです。
全部水につけると、柔らかすぎて扱いにくいです。あと地味に伸縮性があるので、編みこみの際、締まりやすい。
私はバッグの模様として編み込むことしかやらないのですが、ネット民の中には、細く縒って、小さいスマホケースを作っていた方がいましたね…
私はそこまで長く紐を縒りたくないのでやりませんが、細かい作業がお好きな方はぜひ。
麻の代わりとして、昔は幕府に献上した???
なんて話が、お隣の三依地区で教えてもらいました。
三依地区は今では栃木県日光市の仲間入りですが、昔は会津幕府の管轄。
文化もちょっと、会津に近いんです。イジッコも残ってますし。。。
(今は那須塩原よりな感じですけどね・・・)
ちなみに縄文時代は、どの地域でも利用されていたそうです。
すごいな アカソ。
お手軽に採れる植物繊維の一つとして
岩芝が採れなくなっている今。
手軽に採れて使える繊維は、とてもありがたいです。
福島県三島町でも、経糸は岩芝(ヒロロ)にするものの、編み込みはすべてアカソという作品もいっぱいあります。
茶色なので可愛いんですよね~普段使いにも良さそうですし。
個人的に、「草採りから全部やってみたい!」という奇特な方が現れたら、アカソを勧めようと思っています。
湯西川温泉まで梅雨時期に来てくれて、一緒にアカソ採って、バッグまで編んでくれる方。
随時募集しております。DMください。
- ichico -
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