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「コミュニケーション能力がない」について考える

「コミュニケーション能力がない」という人の中には、「上手にしゃべれない」ことに課題意識を持っている人もいます。でも急にめちゃくちゃ上手に喋れるようになっただけで「あの子はコミュニケーションが上手!」とはならない気がします。

コミュニケーションは相手がいないと成立しないもの。自分の頭の中にあること、感情や思いを、そのまま発散するのではなく(もちろん時に発散も大切ですが)、「自分の中にあることが、どうしたら相手に伝わるか?」と考えながら、言葉にする力、しようとする力(=言語化する力)が、コミュニケーションを取るうえでとても大切だと思います。

言語化する力は、相手が分かるように伝えようとする力。言語化する力を身に着けるためには、自分の言葉を発する前に「相手がどう受け取るか?」をちょっと想像してみる。足りなそうだなと思ったらちょっと補足する。自分が思っているより少し丁寧に伝えようとするだけで、けっこう変わる気がします。

先週の今村先生の講座「人間関係に振り回されない」@風笑堂でも、「コミュニケーションが上手な人は、『上手に喋れたかな』ではなく、『相手に伝わったかな』と考える」とおっしゃっていて、とても納得しました。講座では、質問と傾聴、相手の話を引き出し、話しやすい雰囲気を作るトレーニングの時間もありました。普段自分が相手に伝わるコミュニケーションをできているかどうかはわからないけど、意識すると結構考えてしまって難しかったです。先生が言った「言葉で相手を幸せにする」という視点は心に留めておきたい言葉です。

某結婚情報誌のデスク業務やアシスタントをしていた頃、「誰が見ても分かる制作マニュアルを作る」「校閲さんに紙の上で指示を伝える」「不在のディレクターとメモで情報のやり取りをする」など、「これでちゃんと相手に伝わるか?」を考える場面は日常的にあったように思います。そしてこれはけっこういいトレーニングになっていたのかもしれません。

今は、自分の言葉が簡単に全世界に届くようになりました。ちょっとした言葉、気持ち、一方的に発しているようでも、必ず見ている人、相手がいる。投稿する間に「この言葉を受け取る人がいる」ということをちょっと想像できたら、優しい世界に近づきそうな気がします。

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