BAR シェリル47〜黄昏〜
それからひと月後、トキコさんは引っ越して行った。
ヒカリの贈った掛時計は紫に小花を散らした綺麗な風呂敷…旅行先でマスターが贈った物らしい…に包まれて「これはわたしが運ぶのよ。」と見送る人達に言いながら。
その夜〜
「たくちゃん寂しくなったね。」ヒカリがそう言うと「やぁね、今生の別れでもなし会おうと思えば会える距離だからね。」グラスを磨きながらそう答えると「そういうとこ、やっぱり男性よね。わたしはTIMEを知らないのだけどマスターってどんな男性だったの?」「そうねぇ…。短気