見出し画像

子供の頃

フォローさせていただいてる方々の本の話を読んで、子供の頃を思い出しました。
初めて読んだのはアンデルセンの『みにくいアヒルの子』の絵本でした。
字もおそらく読めなかった年齢で挿し絵を見ながらあれこれとお話を勝手に作っていたと母から聞きました。もちろん自分の記憶の中にも白鳥の羽根に落書きしたなとおぼろげながら覚えています。

その頃から空想好きな子供で、自分は魔法が使えると信じこんでいて幼稚園に行く朝、いつものように「行こー」と友達が誘いにきました。たまたま母が寝坊したので準備は自分でしなくてはなりません。
さぁ魔法使いの出番です。
パジャマのまま一心不乱に呪文を唱えてエイッと手刀斬りの様に腕をまっすぐ降ろすとあっという間に
着替えてる…訳もなく。何度やってもダメでした。

そのうちバタバタと母が起きてパジャマのまま半泣きになっている私を叱りながら友達に先に行ってと声を掛けるのを聞きながら、魔法は使えないんだと現実を知ったのでした。
小学5年の誕生日のプレゼントは『ハリスおばさんパリに行く』でした。イギリスの家政婦のおばさんがお掃除に行った先のディオールのドレスに心奪われお金を貯めてフランスに行くお話でした、初めて見るショーの写真、おばさんが買った『誘惑』と名付けられたドレスに船旅、買ったドレスを飾って眺めるおばさんそして貸したドレスに焦げを作られた時の落胆ぶりに心温まるエンディング…見たこともないキラキラした世界にワクワクしながら読んだけどなぜこの本を両親は選んだのだろう、それこそおばさんのようにオートクチュールだのは無縁の世界というのに。ひとつ思ったのは表紙の絵が私を赤ちゃんの頃から共働きの両親に代わって育ててくれた近所のおばあちゃんに似ていたこと。今さら理由を聞いても覚えてないだろうから、ばあちゃんに似てたからだろうと思う事にしよう。

それでもやはり魔法の世界は未だ憧れで『ナルニア国物語』は子供にかこつけて買って自分が一番夢中になって読んでいました。

書店に行って何を探すわけもなくふらふら歩くと『これ読んで』と本の方から声が掛かります。
そんな時は迷わず買って読むと大抵アタリでやっぱり魔法使えるのかなと思ってしまうのでした。

画像は、母の日に安売りしていたミニ胡蝶蘭。
綺麗に咲いてねと蕾に話しかけています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?