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Twin Peaks ツインピークス ICHIGO映画GO

ツインピークス
熱狂的なファンがいるデビッドリンチ
その秘密は「謎」と「示唆」
明快な答えなどはどこにも存在しない映画
私もオンタイムで観て三回目

シーズン1〜2で木星と土星の合に現れる赤いカーテンの部屋
ここは待合室

木星は神や幸運、土星は悪魔や試練。
ツインピークスという名のとおり善と悪、神と魔、そして人間界。

どちらにも行ける待合室

善とつながれる人間
元々のクーパー、ゴードン、少佐、丸太おばさん、後の警察官アンディ

悪と繋がっている人間
ボブという悪魔を宿しているリーランド(ローラパーマー父)
Badクーパー、ウィンダム・アール(クーパーの元相棒)

ただの人間
その他大勢の住人達。
笑っちゃうのが皆不倫をしまくっていたり、ただのヤリチンヤリマンだったりする
バイクのジェームズに至っては、ターミネーターのアーノルドシュワルツネッガーばりの硬派か?と思ったら、誰とでもヤル軟派ヤリチン。
挙げ句の果てに、甲高い女性声で歌って個人的には、相当に気持ち悪い。

ただの人間の中で唯一まともなのが、
一見、危なそうなオードリー。

全体を見ると、善と悪の高次元ぽい話が、
人間達のそれぞれの茶番劇、その多くは不倫と悪事で構成されているのが
斬新すぎる。

物語は最初
1:ローラパーマーの殺人犯が誰であるか?
という犯人探し部分からどんどん加わっていく

2:それを操るボブに象徴される、善と悪、赤い部屋の秘密探し

3:時空を超えた、ローラパーマーの救出

4:え!過去現在未来

5:え!現実と夢も

6:え!パラレルワールドも!
広がりすぎて凄すぎる永遠に続く謎。
リンチが復帰し全てを監修した、最終のシーズン3は特に密度が高く
凄いエンディングと伏線で何度も観てしまう。

クーパーについて
カイル・マクラクランが演じるのは細かく分けると7つ
なかなか演じ分けがすごい。

1:Goodクーパー
FBIで超出来る、全てテキパキ!コーヒーとチェリーパイ大好物。
やっぱり、このクーパーがいいなぁ♪
当時、チェリーパイをアメリカンダイナーに食べに行ったなぁ。

2:Badクーパー
超出来る、全てテキパキ、結構ワイルドも似合う。

3:副産物のダギー
デブで借金だらけ、命を狙われ、事故の影響で時々意識混濁になる、
娼婦を買うダメダメ人間だが、妻と子はしっかりしている。
ビー玉くらいの金の玉になってしまう。

4:ダギーと呼ばれる意識が戻る前のGoodクーパー
幸運や良きものが見えて、喋ることもままならないが、みんなに好かれている
コーヒーとチェリーパイ大好物

5:意識が戻ったGoodクーパー
FBIで超出来る、全てテキパキ。コーヒーとチェリーパイ大好物!

6:3の小さな金の玉にGoodクーパーの髪の毛を足してできた新ダギー
3の家族のもとに帰っていく。
この表情が付属品から出来た何か足りない感じが出ていて良い。

7:たぶんGoodクーパーの記憶を持ったリチャード
最終回でハイウェイ430を越え別人になった。
コーヒーもチェリーパイも、なんだかそれほど好きではなさそう。

7役の演じ分けを観ても、その設定を見ても、天才ですね。


ダイアンについて

ローラ・ダーンが演じるダイアンは3つ

1:白髪のダイアン
Badクーパーにレイプされたダイアン、後に赤い部屋で消えてしまう。

2:赤髪のダイアン
おそらく元々のダイアン

3:リンダ
クーパーとハイウェイ430を超えた世界で、
車に乗っているダイアンが観ているシーンでもう一人のダイアン。
ローラパーマーがキャリー・ペイジとして生きている世界のダイアン
=リンダ
次の世界のティーザー。

凄いですね。

ストーリーは
最終的に430号線を超えたクーパーは、最終回でハイウェイ430を越え
別人リチャードになったと思う。

別人クーパーは、
別人として生きるローラ・パーマー=キャリー・ペイジを
ローラが住んでいた家に連れていく。

しかしそれは、別人アリス・トレモンドの家。

アリスは、シャルフォント夫人から購入した家だと答える。
シャルフォント夫人は、前作や映画でも登場していた、
何か時空を超えた謎の存在。

「今は何年だ?」と聞くGoodクーパーの記憶を持つリチャード。
ここでローラの姿をしたキャリーペイジは、答えられない。
この、なんでもない質問に「答えられない」という間が、怖くて、凄い。

家の中から「ローラ」と、呼び声がして、キャリーペイジは叫び声を上げ

なんだか、また揺り戻しが来そうなエンディング。

ちなみに、この最後に出てくる家は、ずっと映画のロケで使われてきた家だが、
なんと、最終回は、実際にその家の住人が登場しているとのこと。
映画と現実をクロスさせつつ、
更に前作で出てきたミセス・シャルフォントの名を出し、
更に何か起こるエンディングで、永遠に終わらない。ほんとに凄い。

オードリーについて

オードリーは、シーズン2、銀行での爆発で、集中治療室に入ったままだと思う。
なので、シーズン3のオードリーのシーンだけは、
閉塞感がある異空間で彼女の夢。

「ここから出たい!」「自分では無い感覚!」と言い続けていた。
そして、目が醒める。

そこはたぶん、集中治療室。


リチャードについて

集中治療室に入っていたオードリーを、Badクーパーがレイプして生まれた子供。集中治療室で昏睡状態なのに、子供が産めるのか?私にはわかりませんが。。。

ダイアンも、クーパーがBadクーパーとして戻ってきた時に、
レイプされたと言う証言をしていたので、
自分を慕うオードリーもレイプしたのでしょう。

430号を抜けたクーパー=リチャードが、Badクーパーの息子リチャードと同じ名前というのが気になります。

私が好きなキャラ

オードリー
唯一まともな存在ですね、可愛いし色っぽい。

ブリックス少佐
なんか好きです。こういう実直剛健かつ知的な人。
宇宙で生きている存在になってますね。2001年宇宙の旅か。

丸太おばさん
ブリックス少佐と警察のホークが理解している
予言者でしたね。

ネイディーン
性格から何から凄い設定です。
記憶を失い、超力持ちになり、おばさんなのに高校生に戻り、マイクと付き合い
チアリーダーになっちゃうんですから!

ホーン兄弟
この狂った兄弟、大好きです!
ディナー中に弟がフランスから戻り、チーズバケットを
二人で恍惚と頬張るシーン、狂ってますね。
兄弟愛がすごい。

ミッチャム兄弟と3ブロンド
ギャングですが、純粋で義理堅く優しさも持つGoodクーパー曰く
「金の価値の心を持つ兄弟」
とっても好きです。

ダギーと一緒に、保険会社ラッキー7に入ってくる、このシーン大好き。

もちろん、巨人や赤い服の小人も、登場人物のキャラの濃さが、
日本では考えられない凄さです。

ほんとに凄い映画です。
時には、ひたすら雲の中!ひたすら原爆の爆発シーン!どうなってるんだ!

この、ぶっ飛んだドラマを流せたアメリカ市場って凄い。
最後の密度の濃いリミテッドの凄さも恐れ入ります。

映画って、ほんと、いいね👍

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