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5億年前の「じぶん」と出逢う旅①月経と土とわたし

こんにちは。明日美です。

人生は本当に摩訶不思議。最近そんなことをよく想うのです。
歳を追うごとに、自分だけがわかる自分の人生の繋がりを実感することがたくさんある。

昨年末、ある本に出逢った。それが『大地の五億年~せめぎあう土と生き物たち~』という本。その出逢いも不思議なもので、この本に出逢うまでの流れも一緒に書いておきたいと思うので、よろしければお付き合いください。

突然だけれど、私は生物学的には「女」の身体で生きている。
これがこの本に出逢う出発点だった。

参照:Amazon



「女」の身体で生きるということは、ある一定の年齢に至るまでは、定期的に月のものがやってくる。月経だ。
昨秋頃から、顕著に「月経」前に、感情が大暴れをするようになった。まるで、自分の中で嵐が吹き荒び、私個人の意思を超え、情緒不安定の域すらも軽々と超えて、見事に何かが崩壊した。さすがに少し命と身の危険を感じた。けれど、月経が来てしまえば、あっという間に嵐の存在なんてなかったかのように凪いでいく。夫が大変だったことは言うまでもない。

現代医学の用語でいうところの「PMS(月経前症候群)」。調べるとホルモンバランスの関係で「セロトニン」が減る時期に、感情が不安定になりやすいということだった。
それで「セロトニン」ってなんぞ?となり、調べていくうちに、こんな記述に遭遇した。

ヒトの脳には、セロトニン分泌神経細胞は 10 万個程度-これは中枢神経系に ある神経細胞総数の約 100 万分の1程度-存在している。これに対して、標的 神経細胞のセロトニン受容体は多様で、これまで 14 種類が哺乳類の脳で発見さ れている。これらセロトニン受容体は、真核単細胞生物である酵母にもある‘Gタンパク質結合受容体’という大きなグループの一員で、約5億年前に脳が初 めて出現するよりずっと以前に、すでに生物界に存在していたのである。

京都大学全学共通講義 平成21年度前期
科目名:自然の不思議を探る:文系・生命科学系向け 現代物理学
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2009/04/2007_shizennohushigiwosaguru_9.pdf

私は驚いた。
「え?私の身体って、5億年も前からある仕組みも使われているの?」

私が影響されているものって、なんなんだろう・・・それって、どうにかできるものなんだろうか?そんなことが頭に浮かんだ。

さらに抜粋させてもらうと、

霊長類の研究から、セロトニン量の多いサルは落ち着いており社会的地位が 高いが、危険や好機には敏感でないことが明らかになった。逆に、セロトニン 量の少ないサルでは、動機付け刺激がより強くなり、周囲にある危険や好機に より敏感になることで、グループ全体の生存率を高めている。これは、進化的 に意味をもってきたように思われる。

京都大学全学共通講義 平成21年度前期
科目名:自然の不思議を探る:文系・生命科学系向け 現代物理学
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2009/04/2007_shizennohushigiwosaguru_9.pdf

PMSだなんだと騒いでいた私は「セロトニン」が減るということをネガティブなことだと単純に捉えていた。けれど、この記述を読む限りセロトニンの増減は、決してどちらかが悪い状態というわけではないということがわかる。
推測してみると、セロトニンの量が減る時期は、受精卵が着床する可能性のある時期である。それは、新たな命を宿す可能性を内包しているということ。私たちは本能的に、命を守る母体として、外的な脅威や刺激に神経を張り巡らせる必要があったのではないか。そんなことが想像できる。

そして、そんなたくさんの母体に守られて、紡がれ、産まれてきた命の繋がりの一つが自分なのである。なんだかこれは大きな思い違いをしていたのではないか。

実は、今回の衝撃と同じような感覚を、数年前にも一度体験した。
生理用ナプキンを、タオルナプキンに変えた時にも近い経験をしていた。タオルナプキン中心(時と場合で市販のナプキンも使用する)となって、もう5,6年になる。

市販の生理用ナプキンと、タオルナプキンの一番大きな違いは、自らの手で経血を洗い流す作業というものが発生するということである。
ようやくそんな作業にも慣れてきた時のことだった。

鉄分の含まれた血の匂い、その時の体調によって変わる薫りがあることもなんとなく感じ始めていた頃。漂白する前にタオルを軽く洗っていた時だった。ふとこの経血に含まれるものが、体内でお布団の役割をして、私たちを育み身ごもり続けてきてくれたのだということが、腑に落ちたのだった。
そんなお布団が使われない時に、新たなお布団を作る前に、排出する。それが月経。
私は子どもを産んでいない。そんな私に、今に続くたくさんの「母」という存在を感じさせてくれた宝物のような体験だった。

月経というもの。それに関わる変化。たしかに毎月やってくる変化の波は大変だ。現実的にも、精神的にも。
でも、その中にある大切な何かを見落としてしまうと、いとも簡単に、「悪」のような存在にしてしまうのだなと、改めて自分の短慮を猛省する。

今回の「セロトニン」のこともそうだった。身体の中に含まれている機構が様々な形で生命を繋いできた。
私は知らずに、それらを否定してきたのだ。セロトニンが減ることが怖くて、情緒不安定であることを一方的に「いけない」こととして、扱ってきた。
けれど、自分自身が否定的に観ていた事象を、もっと平らかに観てみると、他の側面が見えてくる。そうなると、とても楽になる。私は自然に抗っていただけだった。私の情緒崩壊をきたしたPMSとも、もうちょっと違う付き合い方、考え方、向き合い方があるんじゃないかなと思った。

そんな色んな体験が符合して、何かが音を立てて変わろうとしているような気がした。
自分の身体の中に、5億年の「時」が刻み込まれているという衝撃。

なんだかすごいな。。。私何にも知らないだけなんだな。。。

そんなことをぼんやり思いながら、寝る前に歯を磨いていた時のこと。ふと疑問が湧きあがる。

「5億年前の地球ってどんなんだったんだろう」

自然に湧いた疑問の威力は凄まじく、次の日から、時間があれば5億年前のことについて調べ始めたのは言わずもがな。
そんな中、これまでの自分の人生と5億年前がしっかり繋がっていたことがわかる衝撃の真実がやってきて、私は、自分の人生の不思議さにただただ衝撃を受けることになる。

そう、それが、『大地の五億年』という本に繋がっていくのです。


次に続きます。
今日も素敵な一日を🌈🌈

明日美

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