国道210号は福岡県内では福岡市、北九州市に次ぐ人口を擁する久留米市と大分県大分市を結び、沿線には火山活動によってもたらされた雄大な自然が広がっています。
福岡県の区間では久留米市を起点に、九州最大の一級河川である筑後川に沿って東進していきます。田園風景がメインですが、久留米市田主丸町には自動車や化粧品の工場も立地しており、筑後地方の産業を支えています。また、うきは市の吉井地区は江戸時代の宿場町で、現在も商家が数多く残され、往時を偲ばせます。

大分県に入ると日田天領水で知られた日田市に着きます。サッポロビールの工場もあり、水が豊かな街であることが窺えます。漫画『進撃の巨人』の作者である諫山創先生の出身地であり、市内の大山ダムは進撃の日田スポットとして聖地とされ多くの人が訪れています。北部九州のローカルチェーンである焼きそばの想夫恋もこの街で生まれました。
日田市をさらに東に進むと玖珠町に至り、その中心市街地である豊後森は鉄道でも要衝でした。機関車のターミナルとして使われていた旧豊後森機関車庫は、かなり劣化が進んでいるものの公園として整備され、気軽に立ち寄ることができます。

また、おんせん県大分を象徴する由布市には湯布院をはじめとした温泉街が点在します。海外からの観光客も多く、湯布院やくじゅう連山では外国語もよく耳にします。福岡市中心部から特急やバスでアクセスしやすいのも、多くの人を惹きつける理由かもしれません。

観光スポットが多く魅力の詰まった当路線ですが、福岡県南部から東九州最大の都市である大分市を結ぶ重要な役割を担っています。並走する筑後川の水量の多さに悩まされがちな地域でもありますが、大自然は訪れた人を癒してくれるのではないでしょうか。

写真:国道210号(大分県由布市湯布院町)

本稿は株式会社一五不動産情報サービスが運営する、開発が相次ぐ賃貸物流施設に関する情報を集約したウェブサイト「一五蔵」のメールマガジンで投稿されたコラムです。
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