不確かな時代の確かな笑い
おそらく今までの人生で一度だけ、朝、大爆笑しながら目覚めたことがある。
もう何年も前のこと。普段は夢を見るといっても、覚えているのはほとんどが怖い夢だから、目が覚めた後も口角に笑いの余韻が残ったままの圧倒的な幸福感で目覚める朝はとても新鮮なものだった。
その心地よさをいつまでも反芻していたくて、しばらく布団から出られなかったのをよく覚えている。
ただ、目覚めきっていない頭でもひとつ気になることがあった。
夢の中ではあんなに笑っていたけれど、何がそんなに面白かったんだろうか