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ドラマ「東京タラレバ娘」でのアラサー非モテ問題

東村アキコさんのマンガ「東京タラレバ娘」は僕のフェイバリットの1つだ。それがテレビ化されるというので見てみた。大ヒット作品なので、多くの人がその内容を知っていて、今更、その大ざっぱなストーリー、内容の話をしてもネタばれにはならないことだろう。

このドラマの主演の3人の女の子は、吉高由里子、榮倉奈々、大島優子だ。原作では主人公のなかの主人公とも言えるのが放送作家の鎌田凛子で、これを演じるのが吉高。この女の子の高校からの友達でネイリストなのが榮倉奈々演じる山川香、そして、大島が演じるのは居酒屋の娘である鳥居小雪、彼女たち3人はなにかあると集合し、小雪の店で恋愛話をするのだ。

彼女たちの年齢層は30才、いわゆるアラサーになる。もっともホットな年齢になるのかも知れない。20代前半、いろいろな男達から誘われた彼女たちは気がつけば恋愛から遠ざかっており、急にあせりだすというわけだ。

これは面白くならないわけがない。

しかし、よくあることではあるが、このドラマのキャスティングに関しては、ネット上ではさまざまな論議を呼んでいるようだ。

主人公の凛子に関して、これ(吉高)ほどいい女ではないのではないか?これだけの美貌でモテないとはリアリズムがないなどだ。たしかに原作ではあまりいい女には描かれていないのも事実。

僕がきになったのは、この凛子さんが昔口説かれた男(プロデューサー)が、凛子さんにフレンドリーなボキャブラリで話しかけていること。原作ではこれが敬語なのだ。

敬語で話をすることによって、彼と凛子さんの距離の表現が変わってしまう。原作で表現されている抑揚がドラマではより平坦になってしまっているのではないだろうか?まあ、テレビドラマとしてはそのほうがいいのかも知れない。

また、Keyとの関わりの部分でも、原作ほどの表現がないと思ったが、これもやはりテレビドラマとしてはこのほうがスムーズでいいのかも知れない。ああ、あまりにも見やすく、視聴者が考えることなしに楽しめるようになっている。

しかも、主人公の女の子たちは、非モテのはずなのに、あまりに美しい。

まったくのエンターテイメントになってしまい、東村アキコさんの原作との距離は大きくなった。東村アキコさんは本当に凄い作家だと、あらためて感じさせられる。

そして、このドラマのコアの話題であるアラサー問題はごく表層的なものでもなさそうだ。

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