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連載 イチロー部屋のイッピン74. 日本人初のメジャーリーガーのサインボール

 野茂英雄投手よりも30年も早い1964年に村上雅則投手が、日本人初のメジャーリーガーとしてマウンドに立ったことをご存じでしょうか。

「Fast Japanese MLB Player SF Giants Marshi Murakami #10 Sep.1.1964 」


 日本人初の野手としてメジャー・デビューしたイチローのサインボールに、本人から直に書いていただいた。

 南海ホークス2年目の村上雅則は、野球留学生としてサンフランシスコ・ジャイアンツ傘下の1Aフレズノに派遣される。マイナーリーグでクローザーとして活躍し優勝に貢献する。と、8月31日に突然メジャー昇格を告げられ「何も分からないまま」に一人でニューヨークに向かったという。  

 翌日の9月1日メッツ戦9回表に、日本人として初めてメジャーのマウンドに立った。二つの三振を奪って0点に抑えている。9月29日ヒューストン・コルト45's戦に9回同点で登板11回まで無失点に抑え、チームがサヨナラ勝ち日本人初の勝利投手となった。

村上雅則氏のルーキーカード

この年9試合15イニング投げて1勝1セーブ、15奪三振で防御率1・80だった。しかし、この頃は東京オリンピック開催準備の真っ只中だったため日本マスコミの扱いは小さかったという。

 メジャーリーグの日本人初ヒットも、1965年6月29日に村上雅則が打っている。それも“The Left Arm of God”と呼ばれたドジャースの伝説サンディ・コーファックス投手からだった。

サンフランシスコ・ジャイアンツ球場モニュメント(2002年撮影)

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