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連載 イチロー部屋のイッピン72. “最後の4割打者”のサインボール

テッドウィリアムズのサインボール

このボールに、毎試合「イチローが4割バッターになりますように!」と祈っていたことが蘇る。

 1941年のテッド・ウィリアムス(4割6厘)以来“4割バッター”は誰もいない。今世紀に入って最も近づいたのは2004年のイチロー。705打数262安打で打率は3割7分2厘だった。

テッド ウィリアムズ

4割を達成するには多くのヒット打つことだが、もう一つ四球を選び打数を減らことが重要だ。ウィリアムズは、147個の四球を選び456打数185安打で4割を達成している。
が、イチローは、たった47個しか選んでいない。706打数が大リーグ年間記録なので、イチローが打率よりも安打数にこだわるバッターだったことが分かる。

テッド ウィリアムズとイチロー

 イチローは4月に26本、6月に29本しかヒットを打っていない。5月からの打率3割9分2厘。そして5月、7月、8月には50本以上のヒットを打ち、残り60試合は驚異の4割2分1厘だった。4月と6月であと20本のヒットを打ったとしたら‥‥‥。

 ウィリアムズは2001年に「今後4割を打てるのは?」との問いに、「イチローだけ」と答えたという。翌年83歳で帰らぬ人となった。

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