原画市について

こんにちは。
つくし代表のイチモトです。

いつも皆さま、ご出展ご来場ありがとうございます。
今回は、"原画市"について綴っておきたいと思い、書きます。




原画市の始まり

今年2月に、名古屋にある吹上ホール(第1ファッション展示場)で、"土筆座"というつくしとしては活動15年の集大成的な、対面販売アートイベントを開催しました。アートファンの皆さまから第2回開催は?という声が多くあり先日急遽発表したのですが、"土筆座"は2025年に開催する予定で現在動いています。※2年に1度の絵描き大祭りにする予定

来年2024年2月は、"土筆座"と同会場で、"原画市"という対面販売ホールイベントの開催が決定し、現在出展作家さん募集中です。

原画メインの大規模な対面販売ホールイベントは他になく、類を見ない企画でしたので、Xで事前アンケートを取り、出展に興味がある作家さんが予定ブース数の3倍はありましたので大丈夫そうだ!ということで、開催することを決めました。

概要や内容は、"土筆座"の経験を踏まえつつ、少し迷う部分はまたアンケートを取り、煮詰めることができました。
前回"土筆座"は初のホールイベントで、いつものギャラリーでの展覧会やショップでの委託販売と勝手が違い、準備や計画が簡単ではなかったですが、"土筆座"がなければ"原画市"はできなかったので、アートイベンターとしては成長している!ということにさせてください。

そんな下地があって、"原画市"が開催決定。デザフェスさんクリマさんコミティアさんに敬意を持って、"土筆座"に続いてホールアートイベントの可能性を見出しています。それが今後の日本のアートシーンに必要だと信じて、です。

もちろん、作家の皆さんやアートファンの皆さんが全然求めていないことをするつもりはない、と言いますか、求めていることをしないとこんな大掛かりな企画は取り組めないので、その見極めをした上で"原画市"開催に舵を切っております。

前置きが長くなりましたが、ここからはなぜ"原画"なのかを書きます。




原画市を開催する発端①|デジタル作家の増加


※ここから、"原画"の魅力について書きますが、デジタル作品も大好きですので、ご理解よろしくお願いします

昨今のアート/イラストシーンでは、圧倒的にデジタル作品(作家)が増えています。理由は皆さんもお分かりと思いますが、

・タブレットやソフトの普及
・SNSとの相性や利便性
・グッズ制作が容易いサービスの増加

などが理由として明確だと思います。

分岐点としては、スマホの誕生だと思います。上記3つはスマホがなければ流行らなかったですし、生活の軸がスマホ主体になっている時点で、デジタルなエンタメに偏らずにはいられないですね。

そんなデジタルの不可逆な波は感じていましたが、つくしのアートイベントでは原画の出展(作家さん)は途絶えることはなく、アートファンの方のお迎え(ご購入)も多くありましたので、さほど気に留めずにいました。
が、コロナ禍になりぐっとデジタル作家さんが増えた実感がありました。あの状況だと自然なことですね。

と、同時に絵やイラストを描きたい!という若い方がデジタル寄りになったという事実もあったようでして…

先日、母校の名古屋デザイナー学院に行き、現役の先生と校内を回りながらお話を聞ける機会がありました。そこで昨今の学生さんのアナログ/デジタル制作の比率を聞いたのですが、7割8割の学生さんはデジタル志向で、アナログな学科やコースも僕が居たときよりも減っていました。※他の学校も同様とのこと

当時は、アート・イラスト・絵本・デザインみたいなラインナップの学科やコースだったのですが、今は、漫画・アニメ・ゲーム・デザイン・イラストみたいなかんじでした。廊下にある水場で筆の絵の具を溶く学生さんの様子はなく、今では特に使われない水場に少しノスタルジックな気分になってしまいました。

ただ、昔は良かった!なんて言うつもりはなく、
なるほど、デジタル志向で入学しデジタルを学んだ卒業生が多く社会に出ていれば、アナログ作家は必然的に減るよなと思いました。その需要に合わせてデジタルな機器やサービスも増えるし、アートイベントも形作られますので、必然的にデジタル作品を多く見かけるようになりますね。




原画市を開催する発端②|AIイラストの発展


皆さんも実感されていることと思いますが、近年AIイラストの進化や勢いが増しています。
様々な問題や事件的なことが所々で起こっていますが、そこに関してはここでは特に掘り下げませんがただ言えることは、作家さんの作品や努力が踏みにじられることは許し難いです。

一方、今後AIイラストの勢いは止まらないよね…と感じています。正直、一個人/一アートチームがコントロールできない大きな世界的な事象です。その上で、僕ができることを考えまして、

AIイラストに抗うのではなく、守るべきことを守れる文化を作ろう!と思いました。※攻撃ではなく防御
つくし的には2つの答えが出たのですが、1つはデジタル作品を守るWEBサイトで、これについてはまたサービスの構想とともにまたnoteを書きます。
そして、もう1つが"原画市"です。




原画市は、原画文化の金字塔


AIイラストに対しての絵描きのシンプルな最適解は、"原画を描く"だと思っています。また、AIやデジタルが進歩すればするほど、より原始的なことが重宝され、揺るがないシーンになると感じています。

一方、毎年デジタル志向の絵描きが学校から多く輩出されていますが、個人的には、今増えているデジタル作家さんも、アナログ原画という選択肢(飛び道具)は必要になってくるとは思いますので、結果的に"原画市"はすべての絵描きにとっての、"アナログ原画"という手法の集大成になると思います。

AIイラストの抗えない勢いに、その真逆で純粋な"アナログ原画"という文化で絵描きへのリスペクトや作品を守り、
増えるデジタル作品の流れの中、"アナログ原画"という手法が廃れないように文化を守り続ける、
なにか"原画"を目印にした、大人数が関わる大規模なお祭りが必要だと思いました。

それが"原画市"!
で、
"原画文化"の金字塔を目指すべく、第1回を名古屋で開催します。




原画市を開催する発端③


実にシンプルな気持ちとしましては、"原画"作品が好きだからやりたいです。笑
もちろんここまで綴った、今後の日本のアートシーンにとって重要なイベントになるという考えや大志を抱き、来年2月まで企画運営に励む所存です。

そんな所存です!

皆さん!よろしければ、応援・協力よろしくお願いいたします。


つくし代表/市本

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