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「1ミリの後悔もない、はずがない」

前回の読書感想文(?)は窪美澄さんだったので、余韻でまた同じような毛色の小説について。

一木けいさんの著書は初めて読みましたが、最後の1ページで、これまで読んできた話がザーーっと走馬灯のように(!?)押し寄せて、急に号泣しまして、そのまま今の時点で出ている単行本2冊とも、ポチってしまいました。

主人公が、ずるいところの無い、とても強い女の子で、憧れました。家庭環境(主に経済状況)に振り回されながら生きていて、でもそれを恥じたりすることなく、淡々と人生を歩んでいたのがとても印象的。最初の章(文学賞をとったお話)は主人公目線、そのあとの章は周りの人の目線で進んでいきます。まっすぐさを妬む人もいれば、純粋に憧れて近くに寄ってくる人もいる。妬んでいた人は、まっすぐなその子を直視することをこわがっていたのかもしれません。

私は、とにかくその主人公に、どうかしあわせになってほしい、どうかどうか…と願いながら読んでいましたが、本人は「私はしあわせじゃない、大変な人生だ」と思ってはいなかったかもしれません。たぶん、きっと、絶対に。

他人への壁がちょっとぶ厚くて、芯が強くて、でも根はとってもやさしい主人公。近くにいたら私はどう接していたかな。

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