菊池道人note支店・支店de視点(平成最後の特別寄稿)

間もなく平成という時代も終わろうとしている。どのような時代であったかと振り返ってみるが、正直なところ、印象が薄い。
 スポーツにしても、母校関連は別格として、全国区的な話題では昭和時代のプロ野球に於ける長嶋選手引退試合や王選手のホームラン世界新記録を凌駕するような印象の出来事は思い浮かばない。
 NHK大河ドラマも心に残る作品は昭和時代に放映されたものの方が圧倒的に多い。
「天地人」だけは今は亡き原作者とご縁があったということで特別な感慨があるが、ここ数年は全く大河ドラマを見ていない。
 歌も今にしてみれば名曲であったと思うものが昭和時代に多い。
 政界に関しては、「安倍」川餅よりも「三角大福」の方が良かったかな、と今更のように思う。
 別に昭和という時代を礼賛する気はないし、特定の時代をユートピア扱いするような見方には違和感すら覚えるが、平成時代には心惹かれるものが少なかった、というのが正直なところだ。
 そういえば、平成の初期の頃にトレンディドラマが人気を博していた。当時は夜の仕事をしていたこともあってリアルタイムで見たことは無いが、録画しようという気も起らなかった。
「マツケンサンバ」「マルマルモリモリ」「じぇじぇじぇ」「倍返し」どれも遠くから聞こえるざわめきのようでしかなかった。「今でしょう?」予備校の先生が言ってたのか:。
「チコちゃんに叱られる」はあ?あの私、何か叱られるようなことしたのでしょうか?

世間での話題にはしらけたまま一つの時代を終えようとしているが、自身はどうであったのか。
 デビュー作「早稲田野球部初代主将」を上梓したのは、昭和末期、折しも、昭和天皇のご病状が心配されている頃であった。それ以外は二作目の「虹のスラッガー・河合君次伝」から「畠山重忠」まで、これまでの自著は平成時代に上梓したものばかりである。
 つまりは、昭和は受信者、平成は発信者として生きていた。

 日本の文化史になぞらえるならば、私自身にとっての昭和は、漢字、仏教、儒学などが大陸から伝来した飛鳥・奈良時代、鉄砲やキリスト教に代表される西洋文明に初めて接した戦国時代末期、文明開化の掛け声のもと、むさぼるように欧米文化を摂取した明治時代のようなものかもしれない。
 それに比べて、平成は仮名文字が発明された平安時代や後に外国から高く評価される浮世絵などを産んだ江戸時代というところであろうか。
 
さて、令和時代はどうするか

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