菊池道人note支店・自著紹介4

<<斎藤一>>

得意の突き技で池田屋事件、天満屋事件などで活躍、明治維新後も生き残った新撰組屈指の剣客の数奇な運命を綴る。

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<今にして思えば>

維新後も生き残ったこの主人公の後半生については不明なことが多い。その分、作者の創作も織り込むことが出来た。その中で、主人公は当時の教育現場を目撃している。

戊辰戦争の波濤が押し寄せようとしている会津の地。武家の子供たちは、「什」と呼ばれるグループでの反省会を開いていた。

「弱い者はいじめてはなりませぬ」「卑怯なことはなりませぬ」そして「ならぬことはなりませぬ」

現代にも通用する、いや、現代だからこそ伝えていかなければならない言葉を幼い子供たちに言い聞かせ、しかも、それに背くような言動がなかったか反省しているのである。いじめはいつの時代も「ならぬことはならぬ」ことなのである。

その後、警視庁の奉職することになった主人公は、明治十四年の政変で下野した大隈重信が東京は早稲田の地に学校を開くと、数年前の西郷隆盛の反乱が今度は帝都にて起こることを警戒し、開校式に部下を偽学生として潜り込ませた。しかし、その報告は予想とは異なっていた。学校創設者たる大隈は式典には姿を見せず、腹心でもある小野梓教授は大隈率いる改進党への学生の勧誘は一切行わず、「真正の学理を究めて後に所属する政党を決めるべきである」ことを述べたという。この精神は「学の独立」としてこの学校が後に早稲田大学と成ってからも、校歌にも織り込まれている。ただ、残念ながら、現在では、いかなる政治勢力からも学問を独立させるという理念を語り継ぐ強い姿勢は大学からは感じられない。筆者もこの大学の片隅に四年間身を置くも決して出来の良い学生ではなかったが、時代は変わっても変えてはならない理念があるということは申し述べておきいた。

幼少期は情操教育、青年期は己の立ち位置の確かめ方、それを軸にして学び育つべきと思う。

その他の著書はhttp://www5e.biglobe.ne.jp/~manabi/books.htm

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