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~第196回~「蘇民祭と蘇民将来」

2月18日、岩手県奥州市の黒石寺で行われる蘇民祭が惜しまれながら1000年以上の歴史に幕を閉じた…という報道がありました。
岩手県内では、旧正月に裸の若者が「蘇民将来」と書かれた護符を奪い合うという蘇民祭が伝わっており、「岩手の蘇民祭」として国の選択無形民俗文化財になっております。

この蘇民祭、武蔵一宮氷川神社の主祭神・スサノオノミコトの神話に由来する行事です。

『古代、北の海に住んでいた武塔の神が、南海の神の娘に求婚をするために出かけ、途中で日が暮れてしまいました。
そこで、その地で暮らす将来という二人の兄弟に「泊めてほしい」とお願いをしたところ、豊かな弟・巨旦将来は宿を貸さず、一方、貧しい兄・蘇民将来は宿を貸し、粟柄で席を作り、粟飯などの御馳走でもてなしました。
何年か過ぎ、武塔の神は八人の子供を連れて再訪され、蘇民に「昔の親切に応えたい。お前の子供や家族は?」とお尋ねになりました。
蘇民が「私には娘と妻がおります」と答えると、「では茅の輪を作って腰の上に着けなさい」とおっしゃいました。
蘇民は言われた通り、茅の輪を作って腰に着けさせました。
そしてその夜、蘇民の家族以外のものは悉く死んでしまったのです。
その後、武塔の神は「私はスサノオノミコトである。後の世に疫病があった時には、蘇民将来の子孫だと云い、茅の輪を腰に着けた者だけは疫病から逃げることができよう」とおっしゃいました。』

この神話をもとに行われる行事のひとつが「岩手の蘇民祭」です。
また、腰につけていた茅の輪が全国各地の「茅の輪くぐり」神事となっていきました。
今回、黒石寺は来年以降の中止の理由について、「現在祭りの中心を担ってくださっている皆様の高齢化と、今後の担い手不足により、祭りを維持していくことが困難な状況となったため」と語っておられます。
これは黒石寺に限らず多くの地域が抱えている問題でもあります。

自分が生きて暮らす地域のためにできることは何か。
地域のためにできることを、ひとり一人が考えていきたいですね。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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