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7浪して音大に入り職業作曲家として生活している日々。(第4楽章)

聴音で何が困ったかというと一人で練習する術がなかったという事です。一般的なやり方は先生に弾いてもらいそれを書き取るというものです。これが家ではできないという。中には両親がピアノの先生だったりして弾いてもらう事ができるのですが、そもそもそんな環境だったら高3から音楽を習うという事にもなってなさそうな気もしますね。

こういうソルフェージュの根本となるような能力はそう簡単に身につかないんです。レッスンで毎週ちょこっと聴音の練習をする日々ではダメだったんです。逆に小さい頃から身についてる人はいとも簡単に音を拾う事ができるんですよね。この差は歴然としている。そこまでできなくてもいいがせめて試験問題はできないとどうにもならない。

そんなわけで始めたのがバッハのコラールを録音してそれを聞いて書き留めるという練習法です。前回写真掲載したのはバッハのコラールという曲集の一部なのですがそれを弾いて「カセットテープ」に録音していきました。この頃はコラール程度はそこそこ弾けるようになっていたので録音もなんとかなったわけです。ニッチな分野なのでこれといった教材もなかった(ような気がした)のです。あっても結局答えを覚えちゃいますよね?何度も使う事ができないんですよね。常に新しい曲を聞いて書き取る訓練が必用なんですよね。結局小さい頃、とは言わなくとも長年の積み重ねで得られる技術なんです。中には雨音が音程に聞こえてしまうなんて輩もいるようですがそこまで取れると悲しいような気もしますが・・・・私にはわからない感覚です。

和声、聴音、初見視奏は結局のところ表裏一体の関係で繋がっています。聴音で取れる程度の楽譜はサッと弾けて然るべきでそれを聞き分ける能力も持って然るべき。弾けるという事は和声も理解してるという事になります。これは次に来る和音、臨時記号の意味が和声を勉強すると予測できるからです。そしてこれらを歌えるようになると完璧です。これも結局耳で聞けてるという事の現れなんですよね。

作曲家に限らず演奏家、声楽科はこの程度の基礎能力があるのがほとんどだと思います。そこから各自の専門分野で能力を磨くわけですね。

さて、このようにして一人で「カセットテープ」を使いながら聴音を克服していくのでありました。まだまだ困難は続きます。「歌」ですね。これは歌の技術よりも先生がイヤミで怒りを抑えながらのレッスンの日々でした。結局これは自分でも練習できると思い作曲の先生に言って早々半年で辞める事にしました。そうして自分でやった方が結果的にうまくなりました。あくまでも試験対策用なので歌唱力アップではなく音程をしっかり取れるような歌い方です。長々とイヤミに付き合う必用は全くないんです。さっさと見切りを付けて

本当によかった!


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