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廿日市FC スペイン遠征報告会を終えて

 昨日(18年4月21日)、NPO廿日市スポーツクラブのスペイン遠征報告会に参加してきました。

 廿日市FCの新U-15が18年3月27日〜4月3日の日程でスペイン遠征に行き、バレンシア州アリカンテ県トレビエハで開催された「トレビエハ・インターナショナルカップ」という大会に参加しました。

 (株)エイチ・アイ・エス主催で実施された廿日市FCとしては初のスペイン遠征ですが、弊社(株式会社アレナトーレ)では大会参加に向けたコーディネイトなどを行い、その関わりの中で私も帯同する機会を頂戴しました。

 説明会で私が担当したのは上記の3パート。今回は「海外遠征の必要性」についての話になります。

 海外遠征の必要性について、上記のような項目を設定して、具体例を用いて持論を展開させてもらいました。

 例えば、今の子ども(選手)たちは中学生にもなればみな一人一人スマホ持ちが当たり前。海外遠征でも宿泊するホテルのWIFIに難なく繋いで、ピコピコとゲームやLINEをしています。

 余談ですが、廿日市FCの指導スタッフは選手に良質な睡眠を確保させるべく(ブルーライト対策)、夜は選手から携帯を預かり、使っていい時間と使えない時間のメリハリを作っていました。

 話を戻します。

 選手は自身のスマホを使って調べればサグラダ・ファミリアの情報、写真や動画に簡単にアクセスできる時代です。サッカー遠征でスペインに来たとはいえ、サグラダ・ファミリアを「知らない」選手はいなかったはずです。

 渋滞によってバルセロナ到着が予定よりも大幅に遅たことで、外から見るだけとなったサグラダ・ファミリアでした。しかし、地下鉄の駅から上がった瞬間にそびえ立つ世界遺産を体感した瞬間の彼らの興奮した様子、その後もハイテンションではしゃぐ姿を眺めていると、情報化社会だからこそ「そこに行くことの意味」「経験(体験)」の価値がより高まるのではないか、という思いを強く持ちました。

 サッカーの視聴という点で見ても、これだけ安価に、簡単に国内外のプロサッカーが視聴できる環境があるにもかかわらず、逆にハイライト、ダイジェストで「見た気」、「知ったつもり」になっている人が実は増えているような気がします。

 続いて、「世界の育成・サッカーの躾の重要性」についてのパートを説明しました。

 世界のサッカーがより戦術的になり、選手には日々高度な情報処理能力が求められるようになっています。そのため、私は報告会において「引き出しがまだない選手の自主性や発想を待っていても出てこない。きちんとサッカーを理解している指導者がサッカーの原理原則、本質を教え、ピッチ内外できちんと躾けることが必要」と主張しました。

 最後は「私から見た廿日市FC」というパートで率直な意見と今回の遠征における成果を出しました。

 例えば、今回のスペイン遠征での食事は全てホテルで3食ビュッフェでした。特に大会のホテルは参加8チームほどが宿泊している状況で、主催者側が上手く時間割を組んでいたとはいえ食事会場は基本混乱、混雑していました。

 そうした中、ホテルからは何となく個々の従業員が「出来れば食事が終わればお皿、残飯の片付けをお願いします」と小声で言う程度で、大会主催者側としての徹底はなされていませんでした。

 そうした中、廿日市FCは日本では当たり前のことですが「自分がお皿に取ったものは全て食べる」、「食べたお皿、コップをきちんと片付ける」を徹底し、当たり前のことを徹底してやりきったことで最終日にホテルから表彰されました。これは素晴らしい成果だと私は思います。

 一方、同じホテルに宿泊していたラ・リーガ2部の同世代チームは大会で準優勝したようですが、毎食後下の写真のような有様でした。片付けが義務ではないとはいえ、プロクラブのカンテラ(アカデミー)の選手がこれだけ汚く食べ散らかす、食べ残すようではこのチーム(クラブ)から一流のプロ選手が育成されるとは考えにくいでしょう。

 このように、少なくとも今回遠征に帯同した廿日市FCの指導者3名はとてもサッカー理解度が高く、とても教育、躾けに厳しい大人でした。

 遠征中、参加した選手16名全員と一人30分前後の個人面談をしながら、徹底的にピッチ内外での選手の甘えや課題を指摘し、一方で成長の芽がわずかでも出た時には見逃すことなく褒めていました。

 報告会では私から「海外遠征の必要性」を説明させて頂きましたが、実際に帯同してわかったことはこういう結論です。

価値観、文化、言語と全てが異なる海外に、優れた指導者かつ教育できる大人の引率で行くことができれば、必ず選手はサッカー面で鍛えられ、生活面で躾けられる。

 9日間、廿日市FCのスペイン遠征に帯同させてもらうことで改めて選手育成にかかわることの責任と重み、それから指導者の重要性を確認することができました。

 一方で外部の人間であるにもかかわらず、オープンな姿勢で私を受け入れ、時に私から選手への指導、厳しい指摘を入れることも許容してくれた指導スタッフの皆様(もちろん選手たち)には心から感謝したいと思います。

 だからこそ、同クラブ初のスペイン遠征を「NPO廿日市FCの育成事業における重要な取り組みの一つ」にすべく、継続性を持って年々海外遠征の質を上げることが私、弊社に求められていることだと理解しています。

 ご参加頂いた皆様、廿日市FC関係者の皆様、ありがとうございました。



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