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400万円ICU奨学生の国際基督教大学合格体験記#2

英語リスニング、何から始めたら?


オンレクでICUの過去問の1年度分を解いてみて、最大の課題は英語だと言うことが分かりました。特に英語リスニングはすぐに勉強を始めないといけないと感じました。


書店にいってリスニングの教材を探してみたのですが、どうもICUの英語リスニングのレベルや傾向にぴったり合うものはありませんでした。


一番問題として近いと思ったのは、オンレクでも補助教材とされている『完全攻略! TOEFL ITP(R) テスト リスニング』(アルク)という本です。


この本がICUリスニングには一番よく似ています。なぜならICUの先生が問題を作っているからです(笑)。この本の特徴は小分けの問題というよりは試験全体の通しの練習がたくさんできる事です。


ちなみにTOEFLというのは英語圏に留学する学生が受ける試験で一番有名なものです。ITPというのは紙ベースの特殊な試験ですが、これがICUのリスニングに似ています!


おなじようなTOEFL ITP本としては『TOEFL ITP TESTリスニング完全攻略』(語研)もおすすめです。先ほどの本と題名がそっくりですね(笑)こちらは細かな問題がたくさんあるというイメージの参考書です。ちょっとずつ練習したい時にはいいかも。


英語リスニングは一見すると一般的な対策でもいいような気がしますが、実際にやってみるとICUの問題と同じ形式の参考書を探し出すのには苦労しました。センター対策の参考書は全然内容が違うので途中でやめました(笑)。


結論としては最初からオンレクでICUの英語リスニングの過去問をたくさん解いていくのが正解だと思いました。オンレクは解説にいろいろなICUや海外大学に関するコラムや、受験テクニックのようなものがあちこちに書かれていて、それを読むだけでも面白かったです。


英語リーディング、制限時間内に読み終えるには!?


リスニングをはじめの1ヶ月ほど集中的にやって、徐々にコツをつかんできたので、次に課題であった英語の速読対策に取りかかりました。


ICUのリーディングは60分の制限時間で、長文読解3題、空所補充1題が出題されます。


長文読解1題は17分で合計51分、穴埋め9分 くらいが60分で解く目安になります。読解を1題17分をターゲットとして、初めのうちは20分以内で解くことをまずは目標にしました。過去問を解く内にほんのすこしずつですが速読力がついてきて、最終的には17分以内に読めるようになりました。自分なりに体得(?)した速読のコツはいかのようなものです。


・前半はゆっくり読み、後半を素早く読む


17分という時間制限を意識すると、英文の冒頭を速く読もうとしていたのですが、冒頭部分はむしろゆっくり読まないと最後まで何の英文だったか分からない(笑)という事になってしまます。速く読もうとすると遅くなるパターンですね。なので、最初の2パラグラフは特にゆっくりよんで、英文の方向性をしっかり把握してから、後半に向けて徐々にスピードを上げて読むようにしました。


・設問はパラグラフごとに解く。なるべく設問を先に読む!


私の場合は、英文を読む場合は先に本文をじっくり読んでから設問に答える、というスタイルで元々やっていたのですが、このスタイルではどうしても制限時間内に読み終わることができませんでした。スピードアップのためには、設問を先に読んだ方が良いです。ICUのリーディングでは基本的にパラグラフの順番通りにリーディングの設問が出されます。よって設問を先に読んだ方がむしろ「質問の箇所に気をつけて読もう!」という目的意識ができるので、慣れてくるとその方がリーディングがはかどるように感じました。


そしてそのようなトレーニングをしていくうちに、なるべく設問で問われている箇所に注力して読む勘のようなものが徐々にできててきました。趣味で英文を読んでいるのではなく、入試の得点のために英文を読んでいるので、ここは割り切って、考えた方がよいでしょう。


また、基本的には1パラグラフ1問のパターンが多いです。よって、パラグラフの冒頭の内容が問われている場合、そのパラグラフの後続の箇所は思い切ってスピードアップして読んだ方がよいと考えるようになりました。以前だったら丁寧に全部読んでいたのですが、過去問を数をこなす内に、拾い読みをしても大体の意味は分かるようになった気がします(笑)。


更に、パラグラフによってはその内容が設問で全く問われないパターンもあります。その場合その箇所を丁寧に読むのは時間がもったいないです。そのような意味でも先に問題を読んでどこが問われるかの勘を鍛えた方がよいです。リーディングは1題8問なので、問7で最後のパラグラフの内容を問う問題をみたら、途中の設問に含まれない可能性がある、などという勘が働くようになります! 

語彙力や多読などを通して英文を理解する力を付けながら、設問を答える順番や問われる箇所だけをしっかり読むという経験を通して、段々と17分以内、場合によっては15分以内で解けるようになりました!英語リーディングを時間内に解く自信がついたのは大きかったです。



人文・社会科学の勉強法について


はじめから比較的得意だと確認できた科目で、しかも総合教養と共通した要素があるので、その点も意識して学習しました。最終的にはこの科目がよくできたことと、この科目を通じて総合教養にも使える知識を手に入れられた事が合格につながったと考えています。


勉強法ですが、他の科目と同様に過去問の演習を中心にやりました。その際、登場した用語などをごく簡単に欄外に書くようにして、後から復習しやすいようにしました。


出題された本文の要約も過去10年分ほど作りました。要約作りは読解力を上げる上でとても効果的なので、人文・社会科学の成績が伸び悩んでいる方にはおすすめです。


人文・社会科学の知識問題についてですが、過去問を研究した結果、政治経済や世界史、日本史からたまに出ているという感じなのですが、実際にはどのような問題が出るかは運次第です。なので、私はあえて知識を暗記するような勉強はしませんでした。世界史だけは元からやっていたので無駄にならないよう、用語集などは復習していました。人文・社会科学で必要なのは知識というよりは論文の背景知識を理解しているかという教養の部分なので、こればかりはやはり過去問などを通して大学の入門レベルの論文を読みこなすことで得られるものだと思います。知識問題に限ったことではありませんが、ICUのように教養と問うタイプの試験では、特定の問題が分からないからといってすぐにその周辺の知識を各論として丸暗記しようとするよりは、大きな歴史の流れや学問の概要や論点など、概論の部分をいかに押さえるかがコツです。この感覚は実際にICUの問題を解いてみると身につくと思います。

人文・社会科学の特徴として、基本的には長い1つの資料に連続した40問の問いという超大問のシステムです。解きやすい年度と難しい年度とのギャップが激しいです(笑)。大問が3つあって、3つの資料があれば均質になると思うのですが、大問が1つだけに、その年度に出題される1つの論文によって、その年度の得点が大きく左右されます。


得点と中央値補正について



ICUでは中央値補正で得点が出されているので、単純に何割とれたらOKという話ではなくて、他の受験生がどれくらい得点しているかが重要です。たまに社会科学系の論文では理路整然としていて、論文の構造もしっかりしていて、グラフなども豊富にやって読みやすい!という年度もあるのですが、そのような年度はたいてい、オンレクの平均点がとても高くて、平均で6割(!)を超えているような年もあります。そのような意味でも漠然と過去を解くのではなくて、まずは平均点を確保することが大事です。


また、大問1つで40問なので、よく考えないと答えられないような問題もあれば、すぐに解けるような問題もあります。時間がかかるような問題、答えがはっきりしない問題などに時間を使わないことが大事ですね。


ちなみに、中央値補正をしている試験は、満点を取ると極端に点数が上がってしまう場合があるため、満点を取らせないための「捨て問」を用意することがあるそうです。ICUの問題もよく見ると明らかに答えが割れるような問題が出されている事があります。そのような問題は手を出さないことが大事ですが、どの問題が難しいかを把握するためには、対策講座を受けた方がよいと思います。


難度の差が激しいICUの過去問、偏差値の把握を


とにかくICUの問題は年度によって難易度が高くて平均点が低かったり、逆にほとんどの人が高得点を取るような科目が含まれる年度もあります。ICUの問題は単に解答を見るだけではダメで、できればオンレクのように偏差値がきちんと算出される講座を受けた方が絶対よいです。

また、ICUの得点は結局のところ全教科が中央値補正されますので、最終的には偏差値でいくらとれるかが勝負になります。

単に7割取れてやったーと思ったらオンレク内の偏差値でギリギリ50という年もあり、中央値補正こわい!!!と思いながら解いていました。

逆にオンレクのように過去問から偏差値が算出される数値を知らなければ合格は危うかったと思っています。どこを上げれば中央値補正で有利になるかも見えてきます。

夏休みについて


夏休み期間は勉強時間が長く取れますが、私が受験した年はコロナのため登校できる日が制限されていて学校の図書室や自習スペースが自由に使えませんでした。塾等には通っていなかったので、家で勉強する事になりました。ちなみに父も母もリモートワークをしていたので、家族全員がいつも家にいるような状況になっていました。


普段は家で学校の授業の予習や復習はできていたのですが、受験勉強は学校の図書室や、行き帰りの電車でやることが多かったので、夏休みで家だけにずっといる煮詰まる感じがしました。


父もテレワークに限界を感じていたようで、週に何回かはファミレスにパソコンの作業をしにいっていたので、時々私もファミレスに連れて行ってもらえました。父は2時間半くらいファミレスで作業するのでちょうどICUの問題が2問とけました。コロナのせいでかえって飲食店に行く回数が増えたのは矛盾していると思いましたが効率はよかったです。


私がつかんだ勉強のコツとしては、過去問を解くのは家より外でやった方が心理的な負担が少なくて効率的にできました。逆に、過去問を解いた後に解説を読んで復習したり情報を整理したりするのは家でやった方が効率がよかったです。

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