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#014:コト京都、好きなトコ2/鞍馬山

今回は10月下旬に伺った鞍馬から貴船のルートをご案内。
詳しい解説や蘊蓄はガイドブックに任せるとして、鞍馬山から貴船への一方通行ルート道々の写真と、「えー、これ買っておけばよかった!」「これ、みんな見落としてるみたい」をメモしておきたいと思います。


叡山電鉄 出町柳駅〜鞍馬駅

京都の滞在は丸々7日。いつもは全日程に予定をいれるのに、今回は空白日をわざと入れてみた。その空白日の前日に、唐突にお山に行きたくなる。そこで「比叡山でも登ろうかな?」と思いつつ、翌朝、いつものおにぎり屋さんに立ち寄った後、叡山電鉄 出町柳駅へ。目の前に止まっていたのは鞍馬行き。何故か飛び乗ってしまい、初鞍馬山!「私のこと呼んだよね?」という感じ(いや、次の列車が待てなかっただけ、かも)。
乗車すること30分強。車窓を眺めているうちに、天狗まみれ・・いえ、天狗様がたくさんおわす、鞍馬駅に到着。他にも火祭りの松明や『月岡芳年と義経』展など、なぜか浮かれて小さな駅舎で15分ぐらい過ごしてしまう。

とにかく、あっちを向いてもこっちを向いても天狗様。
複写作品そのものの画質を問うのではなく、
いつかの美術館で本物に出会った時の予習として見ると勉強になる。
天狗様、裏。
天狗様、表。どどーん。
ちんまり佇んでいるので、鉄オタではないのですが見に行きたくなりました。
解説。ちな、現在の叡山電鉄では4種類の電車が走っています。
展望列車「きらら」、観光列車「ひえい」、デザイン列車「こもれび」、「ノスタルジック731(お休み中)」。興味のある列車は、事前に時刻表をみて捕まえてみてください。

参道入口。ケーブルカーには乗るべきか問題。

駅から迷えないぐらいすぐのところに、参道に続く仁王門が。

私は健脚ですが、ちょっと関節を痛めていることもありケーブルカーに乗ることを決めていました・・が、券売所についた時間にちょうど出発してしまうというタイミング。待つかどうか悩んでいると、絶妙な看板。

「清少納言が歩いたんだから、私だって歩けるはず」

歩くことに決めました。
私はスマホで写真を撮ることが好きなので、結果ゆっくり歩くことになるためか、問題なく歩き切ることができました(結局、貴船まで)。
途中にある由岐神社の大杉さんや、天狗のお守りが面白いので、個人的にはお天気がよくて健康に不安がない時は、歩くことをお勧めしたく。

道中、いろんなスポットを通り抜けて、由岐(ゆき)神社へ。

由岐神社までに、色々スポットがありましたので写真とキャプションを。

この道標が一町(110m)ごとに1基、本殿まで全部で8基あります。
私は麓の8の直後、7と6を見落としてしまいました。
でも、こういうのがあると歩き甲斐がありますよねっ!
童形六体地蔵尊。6人それぞれ個性的。
由岐神社手前にあり「二重鳥居」と呼ばれる鳥居が2つある場所だそうなのですが、
私が行った時には工事中?
私には左上にあるお社の鳥居に見えました。
(後で調べたら、左上のお社は魔王の滝でした)
見えてきました、由岐神社!
山門のデザインが特徴的。
大杉社。
強力な願掛けできる杉、とのこと。
本殿。
五七桐紋と十六菊紋が目を引きました。
「おおっ?!」という感じ。

由岐神社の社務所で買っておきたかったものが2つ。
杉の皮が入った霊験あらたかな見た目の『大杉さん願い叶う御守と、キーホルダーになる天狗みくじ!
この時点では貴船に行くつもりがなかったので「帰り道に」と考えて買わずにいたら、そのまま買えずじまいになってしまいました。鞍馬寺では売ってませんので、必要な方はこちらで。。

なかなか立派なサイズのキーホルダーに入っているおみくじ。
本殿を抜けたところにある道標。
そうです、由岐神社は火祭りで有名ですね。

いざ、鞍馬寺へ。

ここからまた、見どころが続きます。
源義経・牛若丸(遮那王)が修行した場所だけあり、縁のものばかり。

牛若丸が修行の度にお参りしたという地蔵堂。
義経供養塔。
義経・牛若丸・遮那王の名前の使い分けルールはあるのかな?
「いのち」のモニュメント。ここだけ近代。
とはいえ、鞍馬寺の意図が込められている、そうです。
双福苑。玉杉大黒天と玉杉恵比寿尊が仲良さげに祀られる。
赤い橋が目を引きますよー。
貞明皇后御休憩所跡。私も買ってきたおにぎりをここでいただきました。
朝ごはんを抜いて登ったので、ちょうどこの辺りでおなかが空きましたよー。
どどーんと現れる石段ですが、ここを登ればもう一息。
上がったところの弁天様にとてもよい水琴窟があります。
迫力の手水。
どどーん、本殿金堂と金剛床!
金剛床真ん中の△は踏むとNGという人とOKという人が。
私はばっちり踏んでしまいましたがっ、今も元気ですっ!!
本殿で授与される神杉守。ほのかに杉の香りがします。
大杉さん願い叶う御守は、ここでは扱ってませんのでご注意。
あれは由岐神社で授与されるものなので、当たり前といえば当たり前ですが。

奥の院参道。貴船への道すがら。

道すがら、遮那王 a.k.a. 牛若丸こと 義経の縁のあれこれや、『魔王』という文字が散見されて、おどろおどろしそうに思うのだけど、お天気良くて清々しいハイキングに。
それにしても鞍馬弘教では、護法魔王尊がサナト・クマーラで、クマーラが鞍馬に転化というのは、いろんな意味ですごいなと思うなど。ヒンドゥー教とも接続するらしいし(Wikiより)、世界は繋がっているのか、繋げているのか。

本殿から貴船神社へ抜ける道の途中にある、坂の上の鐘楼。
金閣寺は有料ですが、ここは無料で突けます!
鐘の真下に音響のための穴があります。
・・もちろん、鳴らした後、ここに立って鐘の中の残響を確認。
一人だからできたことだよねw
与謝野晶子と鉄幹の碑。
鞍馬弘教の開祖、信楽香雲は晶子の直弟子だった時代があったそうな。
『何となく君にまたるるここちして
いでし花野の夕月夜かな 晶子』
くーっ。なんて見事なキュンキュンの歌っ!!
義経の八艘飛びを編み出した場所・・とか?
この奥に、大杉権現社があります。
大杉権現社・・杉が倒れている。
お社は2018年に倒壊してしまったそう。
・・お社の周辺の木々も台風により倒木したため撤去。
こんな風に書くぐらいだから、よっぽどの本数だったんだろうなぁ。
確かにこの辺りは、妙に日差しが入って明るかったです。
義経公息継ぎの水。
でも、ここで修行してた時って牛若丸(遮那王)だったのでは?、とか言わない。
遮那王堂と義経公背比べ石。
でも、ここで修行してた時って牛若丸(遮那王)だった(ry。
さすが『鞍馬山自然科学博物苑』と銘打っているだけあり、
お山全体が博物資料の展示場といった体裁。
あちこちに石の説明文や動物愛護の札があります。
この辺り、色々なきのこ多め。
僧正ガ谷不動堂。鞍馬天狗が牛若丸が出会った場所!
綺麗に作られていて、パチリ。
奥の院 魔王殿!
「ゴーーーーーールっ!」というお気持ち。
後は貴船側へ抜けるだけ。
この辺りは普通に山道になるので、
こっち方面までいらっしゃるなら、是非ハイキングな準備をお勧めしたい。
貴船到着!
上の写真に見える『でんべ』のお蕎麦。
貴船の湧水を使って、お蕎麦とお出汁を作っているそう。
田舎蕎麦天ぷら付き1600円。(ざる蕎麦やかけ蕎麦は天ぷらなしで1000円也)
窓際の眺めも素敵です。
映画『リバー、流れないでよ』を思い出す、など。

この後、貴船神社にお参りしました。
和泉式部の復縁成就エピソードが残っていたり、こちらもなかなか楽しかったのですが、それはまた、別の機会に。お時間あれば、聴いてくださいませ〜。

おまけ:稲住神社と陰陽師の土御門家と鞍馬。

京都で安倍晴明というと一条の晴明神社が有名ですが、実は下京区梅小路石橋町にある稲住神社も安倍晴明を祭神にしています。
この神社のある梅小路八条の界隈は、平安時代以降に陰陽道で朝廷に仕えていた安倍晴明の子孫、土御門家のお屋敷のあった一帯とのこと(実は近隣の円光寺に天文学のための星見台が残っています。平安時代でも八条辺りまでくれば、星が綺麗に見えたでしょうね)。で、その安倍晴明の師匠の賀茂忠行の氏神が上賀茂神社と下鴨神社まではつながるのですが、その先もう一歩、鞍馬山とつながるピースが見つからず。残念。

ただ今回、たまたま私は、鞍馬山に伺う前日にお参りしていたので、「比叡山やなくて、こっちおいで」と呼ばれたような気になったということでした。
どっとはらーい。

稲住神社。
いわれ。
魔王殿と同じ紋。

さらにおまけ:与謝野晶子と鞍馬。

備忘録として。
今回、私が伺った時は残念ながら休館だったのですが、霊宝殿(鞍馬山博物館)には与謝野晶子訳源氏物語の原本があるとか。濃紺のインクが薄れてきているという話も小耳に挟んだので、是非次回は開館している時に行きたい!


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