①「プリパラの構成〜パックの営みの悲しさ」全5回 パック 『アイドルタイムプリパラ』
全5回の予定で『アイドルタイムプリパラ』のパックの営為について、考えていることを書いてみます。
プリパラの構成
「みんなトモダチ、みんなアイドル」。これがプリパラ1期から語られる命題で、各シーズンでは、この命題に相対したり、矛盾したりするキャラクターが登場し、所謂「ラスボス」として主人公真中らぁらの前に立ちはだかります。
言ってみれば「みんなトモダチ、みんなアイドル」というテーゼに対するアンチテーゼが毎シーズン提示され、その上で真中らぁらと仲間がアウフヘーベンしてジンテーゼとする(といってよいのかは検討の余地ありですが)のがプリパラの構成です。
1期:ファルル
2期:紫京院ひびき
3期:ジュリィ
その中でも4期アイドルタイムプリパラに登場する「パック」のアンチテーゼぶりは、群を抜いていて、プリパラのラストを締め括るのにこれ以上ないと何度観ても思います。
パックの営みの悲しさ
パックが生まれたのはガァララと同じ古代プリパラ。昼を司るファララに対して、夜のプリパラを統べるガァララは閉園後のプリパラでひとりぼっち。プリパラで楽しく過ごしたかったガァララのため、パックは女の子たちの夢をジュエルとして集め、その力でガァララを目覚めさせる。そのせいで、女の子たちの夢は失われ(時計塔の地下に閉じ込められ)、ガァララが起きている代わりにファララは眠ることになってしまう。
パックは焼畑の如く世界各地の女の子の夢を食べまくり、行き先をユメ不毛の地にしながら、ガァララとともに各地のプリパラをふたりぼっちで遊び歩く。これこそがパックにとってしあわせのひとときだった。パックが夢を食べることは、ガァララが起きているためには必要不可欠で、パックはそこに自らの存在意義とガァララに貢献できる喜びを感じていたのだろう。
しかし、「ガァララもみんなとアイドルしたい!」と憧れたプリパラは、パックが今の今奪っているユメがあるからこそ輝いている場所であるし、その結果独占欲を抱いてしまうパック。その営為がなにからなにまで悲しすぎる。
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