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現場監督として働かれている方へのインタビュー

第一回の建設取材をさせていただきました。
今回は現場監督として働かれている方へのインタビューでした!ありがとうございました!丁寧に話してくださって、かなりリアルな内容が聞けたのでは・・と思っております!ではご覧ください!
もし、「これ頑張ってるな」「良いね」と思ってもらえたら、ぜひnoteにスキやシェアをしてもらえたら嬉しいです!

【対象者様の情報】

・会社の種類:建築資材メーカー兼工事会社
・その会社で働いて何年目か:7年弱
・建築業界に入って何年目か:7年弱
・給料:基本給25万+残業代
・職種:現場監督
・働く場所(オフィスか現場か):基本的には現場、現場がないときはオフィスで営業

【インタビュー本編】


(インタビュアー:梅野(以下、U)、今回のインタビュー対象者:yousukeさま(以下、Y)とします)

U:本日はお時間を取って頂き、ありがとうございます!この企画は自分が考えてインターン先の社長に直談判してスタートしたものなんです・・なので正直、このように企画に協力してくださって本当にありがたいです!

Y:いえいえ・・!


取材風景1(左からyousuke様、梅野)

仕事内容は現場での確認だけではない

U:いや、ありがとうございます!では早速インタビューを行っていきます。職種は現場監督ということですが、具体的にどのようなお仕事をされているかについて教えていただけますか?

Y:僕は建築資材メーカー兼工事会社というちょっと特殊な会社に所属しています。工事の対象は皆さんが日頃住んでいる住宅とは少し違いまして、自分は学校、下水処理場、浄水場施設などの原画の耐震補強工事を担当しています。その中で僕の仕事は工事部門の現場監督になります。現場がある時は実際に働いてくれる職人さんの手配、工程の管理、お金の管理を行っています。

職人さんの手配についてですが、まずは流れからを説明します。工事は鉄筋、型枠、コンクリートという順で行われます。元請会社からの期限に間に合うために、これらの流れをどんなスケジュール感ですればいいかを決め、実際に働いてくれる職人さんを雇っている会社の方に依頼を行います。各工程の期限をそれぞれ決めてからの業者さんへの依頼なので、その依頼する方に連れてきてもらう人数はお任せしてあります。その期限に間に合うようにとお願いしているので実際に現場で作業して、期限内に間に合いそうになければその部分の人手を増やすなどの調整を行ってもらいます。また、元請会社からの希望の期限が難しかったらそこもきちんと話し合いをして、お互いができる限り納得できる期限にする部分も職人さんの手配までにある大事な仕事です。

次に工程管理についてを解説しますね。先ほど決めた工程のスケジュール通りに現場が進んでいるかの確認を行います。現場によりますが、絶対に日程をずらすことのできない日というのもありますので、そこに間に合うかというのを確認します。職人さんの手配でも同じ話をしたのですが、期限内に間に合いそうになければ人手の調整を行ってもらいます。期限を守るために自分から進捗確認のアプローチを行うことが大事です。

最後はお金の管理についてです。お金の管理では職人さんたちにお支払いする給料や材料費があります。また、出張になる時は出張費がいくらぐらいかかるか経費の計算もしています。つまりまとめて言うと、どれぐらい会社に利益を残したらいいかという計算までを行います。現場監督で一番上の人といえばどこも大体そんな感じだと思います。

U:早速いろいろな話をしていただき、ありがとうございます!では、現場がないときはどのようなお仕事をされているのですか。

Y:はい、現場がないときは営業をしています。営業とは言っても、一般の方へピンポンとか訪問販売する訳ではありません。うちの会社は耐震補強工事を売りとしている会社なので、まずは、インターネットで建設情報を調べます。この建設情報を調べるというのは、会社で登録することができるサイトにアクセスすると、どれくらいの規模の建築物の工事がいつどこで行われている予定かといった情報を見つけることができるんです。その情報から、「うちの耐震補強工事をこの建物を造るときに導入できないかな・・」と想像し、もしかしたら先方にもメリットがあるかも・・と思ったら、その工事の元請会社へメールなどで営業してみるんです。具体的には、「自分たちに何ができるか、どこに貢献できるか」といった内容を送りますね。また、耐震工事関連だと関わることができるので、ひとまずうちで想定した仮の見積りを出してみます。そして先方から反応があったら、交渉を行って工事ができるかどうかを話していくイメージでしょうか。今まで付き合いがある元請け会社の場合は、先方の担当者が分かるのでその方に直接連絡することもありますし、今まで付き合いがない元請会社の場合は、いきなり(失礼かもしれませんが)連絡とかもすることがあります。営業して元請会社から「一緒に工事しましょう!」と言っていただけたら工事が新たに決まるので、決まっている現場と現場の間の空いている日を減らすことができます。未来のスケジュールを組んでいくイメージですね。

U:ありがとうございます!すごくわかりやすいです!

リアルな勤務時間や待遇、残業

U:お仕事内容についてはよくわかったので、次に少し深い部分かもしれませんが、勤務時間や待遇を聞かせてもらっても良いでしょうか?

Y:そうですね。本当は言いづらいのですが。現場では基本的には8:00~17:00に勤務しています。現場での仕事の後に会社に戻ってやらなきゃいけないことがあるときは会社に戻ります。やらなきゃいけない仕事というのは、次の日の段取りの確認であったり、次の工程に必要な材料を発注できているかの確認だったりします。もし、発注し忘れがあったら、そのときに新たに発注しますね。現場から会社までの移動時間のこともあって退社時間は20時ぐらいになることもありますし、かなり忙しいときだと21時を過ぎることもあります。僕の会社は現場に行く前に会社に一度出社して自分の車から社用車に乗り換えて現場に向かっていますね。現場での勤務が始まる8時というのは朝礼の開始時間なので、今日することの打ち合わせは7:30頃から行います。7:30には現場に着くようにしなければならないので、いったん会社まで行く時間を逆算して・・とすると大体家を7時頃に出ることが多いです。

U:ありがとうございます。いろいろと準備が必要な仕事なんですね。でもやりがいもありそうです。では次に差し支えなければお給料について教えていただきたいです。

Y:はい、全然問題ないです。基本給は25万円です。ここに残業手当がつきます。

U:残業時間は月45時間以内を下回っていますか?

Y:月にもよりますね。かなり残業時間の差が激しいです。超えていてもなるべく45時間以内に収めるようにと上司からは言われます。ぶっちゃけると、かなり忙しいときは80時間ぐらい残業していると思います。ちなみに今は年度初めということもあり、まだ0時間です。残業時間は現場によってまちまちですね。厳しい期間の工事だと残業時間は増えますし、余裕がある期間の工事だと残業時間も少ないです。

U:そうなんですね・・結構リアル。来年から施行される労働基準法についてはどう思いますか?

Y:正直結構厳しいですね。現場での作業が終わってから会社に戻る時間も残業時間に含めようと思えば含めるじゃないですか。ここはグレーゾーンですね。移動時間という弊害のせいで帰宅時間も遅くなってしまいますし・・・このグレーゾーンの取り扱いが難しいので、ここも残業時間とするなら、来年から施行される残業時間の取り締まりを守るのは無理ですね。

U:働いていないけど奪われている時間として考えると働いているように感じてしまいますよね。でもその辺りを厳しくすると人件費が上がるので、建築物の金額も高くなってしまうんですかね。難しい・・。


取材風景2(左からyousuke様、梅野)

U:IT化を進めようという動きは働き始めたころと比べてどうですか?最近よくニュースとかでも「DX」とか「IT」とか聞くのですが、実際のところどんな感じなんでしょうか?

Y:それはポジティブですね!少しずつ取り入れられていると思います!書類はiPadで管理するようになり、入社した頃よりも簡単になりました。また、現場の写真は撮った後に自分で整理しなければならなかったのですが、事前に設定をすれば写真を自動で振り分けてくれる機能のおかげで、労働時間の短縮になったと思います。一方で、図面などの紙で見た方が便利なものは、iPadにデータが入っていても、紙で印刷してそれを使っていますね。一概にIT化と言ってもそれぞれメリットもデメリットもあるので、適材適所で利用できるのがいいと思います。

U:それはそうですね!たしかに適材適所でITが使われるのが一番良い気がします!

実際に形に残る仕事の良さ

U:次にお仕事のやりがいについて教えてください。

Y:そうですね。現場によりますが、自分の携わったものが唯一のものとしての形で残ることが何よりのやりがいですね!形として残るので、完成したときにちゃんと仕事をしたんだというのを改めて感じられるのがいいですし、完成した後時間が経っても、形が実際に残っているので、何かのときにその建物の前を通ったときなどに「以前頑張って造ったなぁ」といった記憶に残るので更に達成感が増します。また、現場のみんなと一丸となって、なにか一つのものをつくることにもすごく達成感がありますね。建設は色々とITや機械が導入されていっていますが、結局はそれを使う人も含めて、ひとりひとりの人間の力によってできています。ときには同じ現場で厳しい言葉も伝えないといけません。ですが、「良い建築物を造る!」という目的の下で現場で一緒に頑張っている仲間ですので、そういった会話を経ても、その分仲良くなれるので、現場自体も結果として良い雰囲気になります。現場の雰囲気も良いと士気も上がるので完了に向けて頑張れます。
仕事を始めたころは職人さんの方が知識が豊富で、その知識がない分大変だったこともありました。ですが、仕事の数をこなして覚えてきたら一緒に働く方も認めてくださるので、認めてもらうまでもしっかり頑張ることが大事です。

U:良いですね!まさに人の力が発揮される仕事というのが伝わりました。

自分からの積極的なアプローチが大事

U:では次にこれまで働いてきた中で印象的なエピソードについて教えてください。

Y:はい、そうですね。大変だったことはたくさんありますね(笑)。その中の1つを紹介しますね。
僕が入って間もない時に入った工事の話です。その工事は高校の校舎の工事で大きな現場なのですが、学生のいない夏休みの期間に完成させなければならないという条件だったのです。なので、最初の時点でも工事内容の工程管理が既に厳しかったのですが、元請会社が現場に入ってOKと言ってくれる時期が最初の打ち合わせのときの想定よりも遅れてしまい、工事開始が遅れました。
でもうちが工事を終了させないといけない時期は変わらないので、実際に工事に入る前の期間から職人さんや自分もイライラしてしまっていて、あまり良くない雰囲気でした。現場に入る許可が下りて、いざ!となったのですが、掃除ができていなくて皆で掃除をするところから始まりました。これもあって皆ずっとイライラしていて雰囲気は更に最悪でした(笑)ただでさえ期間が厳しいのに工事以外の部分で時間がとられてしまったということもあり、かなり夜遅くまで作業をしなければなりませんでした。でも皆の頑張りのおかげで、最終的にはなんとか間に合わせることができました。
この工事で自分の反省すべき点は、話し合いが足りていなかったところです。元請会社からの受け渡しが遅かったという時点で、この期間には絶対に無理という話し合いをしなければならなかったと今になれば思います。また、短くなってしまった工事期間に対しての工事内容の難しさについて事前に職人さんたちともしっかり話し合っておけばよかったと思いますし、自分からの「このようにしたら工事がスムーズに進むんじゃないか」といった提案もできたらよかったなと反省しました。
ちなみに、この次にあった仕事は2年ほどかかる大きな現場でした。前回の反省を活かして職人さんたちへ自分から積極的にアプローチを行ったりなど、自分の働きを改善することで工程をきっちり進めることができました。結果として残業を少なく上手く進めることができました。工程をしっかり組んでおくことで、品質管理も上手くできたので、全てがすごく良かったと思っています。

U:イライラは伝染してしまいますよね・・でも、どの工事も期間内にちゃんと終えることができて良かったですね。また、しっかりと最初に経験した仕事から反省点を活かされていてすばらしいですね!

自分への付加価値がつけれる業界

U:なぜその仕事についたかを教えてください。もし何か明確な理由がなければ、きっかけでも構いませんので。

Y:前に務めていた企業がブラックだったので、福利厚生の良い会社という条件で探していました。そこで、人材派遣会社で働いている知り合いに福利厚生の良い会社として今の会社を紹介してもらったんです。まずは派遣社員として働いてみることにしました。これがきっかけです。建設業界で働いてみてわかったことは、資格があれば建設業界はやっていけるということです。取得した資格が給与アップと直結しているという、自分への付加価値がつけれる部分を魅力的に感じました。職種は限定されても、どこの会社にいっても通用する資格がある点も良い部分だと思います。これらを実感したことで建設業界で本格的に働いていこうと思い、必要な資格をとって正社員となりました。残業時間はたしかに多いかもしれませんが、それは他の会社でも同じことだと思いますし、自分には付加価値がつけられるこの業界があっていますね。

U:付加価値をつけれる業界!!たしかにおっしゃる通りです!!

就活で失敗しないには自分の軸をもつことが大事

U:就活生に何か一言お願いします!

Y:自分がそうだったかと言うと自信はないのですが自分の反省も含めて・・どのような会社、職場環境で働きたいかという軸をもつことが大事だと思います。僕はその軸がなく、就職できたらいいやという気持ちだったので最初の会社は上手くいかなかったのだと思います。それを踏まえて今の会社に入社するときは自分なりの軸を決めてから面接を受けました。職場環境が良ければ、例え給与が周りと比べて少し低かったとしても満足度は低くはないと思いますね。また、下調べも重要だと思います。僕は下調べが足りなかったため最初の会社では大変な思いをしました。具体的には残業代が出なかったり、土日休みなのに毎週土曜日に会議があったり・・・とかですね。現在は最初の会社も労働基準法のおかげで改善されているはずと思いたいです。企業情報をしっかり調べて給料などの書いてないことがあれば面接官に聞くのもありだと思います。後悔しないためにも頑張ってくださいね。


取材風景3(左からyousuke様、梅野)

U:いろいろとYさんの経験を教えていただき、本当にありがとうございました!

これを読んで建設業界のリアルややりがいを少しでも感じてもらえたら幸いです!


また取材記事も頑張ってアップしていきますので、繰り返しになりますが、ぜひnoteにスキやシェアをしてもらえたら嬉しいです!最後までお読みいただきありがとうございました!!

〈インタビュー・編集:梅野紗良〉


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