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昔から好きだった植物で建物を引き立てたい~造園会社で働かれている方へのインタビュー~

第六回の建設取材をさせていただきました。
今回は造園会社で働かれているInoue Tomoki様(Xのアカウント:@IaMtomok)にお話を伺いました!元々は組織設計事務所で働かれていて、そこから造園の方に転職されたというバックグラウンドを持っている方です。ランドスケープに興味のある建築学生さんはかなり参考になると思います!ではご覧ください!

今回の記事、本当は日比谷ミッドタウンやパラボラッチョ等の珍しい木の写真を使いたかったのですが、写真がなく・・・心の中で植物があることで、お洒落な風景になっている場所のイメージをもってご覧いただけると幸いです。

もし、「これ頑張ってるな」「良いね」と思ってもらえたら、ぜひnoteにスキやシェアをしてもらえたら嬉しいです!


【対象者様の情報】

・その会社で働いて何年目か:1年目
・建築業界に入って何年目か:6年目
・給料:400万ぐらい
・職種:造園の設計・営業
・働く場所(オフィスか現場か):オフィス時々現場

【インタビュー内容】 

(インタビュアー:梅野(以下、U)、今回のインタビュー対象者:Tomoki Inoue様(以下、I)とします)

U:本日は貴重なお時間をいただき、こうして取材を受けてくださりありがとうございます!では早速質問させていただきます。まず、現在の会社で働かれて何年目かというのを教えてください。

I:今の会社は1年まだ経っていない状態です。

U:そうなのですね。

U:では、建設業界に入ってから何年目かを教えてください。

I:今年が27になる年なので6年目です。元々は建築を学んでいて、組織設計事務所に3年ほど務めていました。その後、植栽の所謂巨匠みたいな方のもとで1年間プロジェクトマネジメントをして、現在は造園会社で設計と営業の業務をしているという感じです。

U:ありがとうございます。組織設計事務所にお勤めだったということは、建築学生から組織設計事務所に就職してということで合っておりますか?

I:そうです。組織設計事務所の中では意匠担当でした。 例えば、学校や、庁舎等の意匠設計をしていました。

U:ありがとうございます。そのお話に関しても詳しくお聞きしたいのですが、一旦、現在のお仕事のお話に戻りますね。

I:はい(笑)。


取材風景1(左からTomoki Inoue様、梅野)

造園の設計と施工を行っている造園会社

U:では、どのような会社で働かれているかというのを教えてください。

I:はい、ランドスケープに関わるような造園の設計と施工をやっている造園会社で働いています。造園会社の中でも、設計だけする会社と、造園の設計と施工をする会社があるのですが、私の働いている会社は設計と施工の両方をする会社です。ジャンル的には大規模な住宅やマンションの開発、駅前の再開発などの幅広く設計と施工をやっています。私自身は設計と営業といった植栽の提案等の仕事をさせていただいております。

U:駅前の開発も造園に関わったようなことで合っておりますか?

I: そうですね。基本的にはランドスケープ関連です。例えば、新しく建てる駅前のマンションの植栽をどうするのかとか、商業施設の周りをどうするのかとかですね。そこに、パークレットという人が溜まれる空間を作るのはどういう風に作るか等をお客様と相談しながら設計して、施工までしていくという感じですね。

U:はい、 ありがとうございます。私のイメージ的に家の庭や、商業施設にある中庭等は造園会社さんがされているというのは思いつくのですが、駅前はあまりイメージがなかったです。確かに新しくできた綺麗な所だと、木とかがあって座れる場所とかがありますよね。お話を聞いて言われてみれば!という感じで納得しました。

I:そうですね(笑)。ほかに例をあげると、室内のカフェを観葉植物で装飾したりもします。観葉植物だけでなく、壁面緑化で作ったり、フェイクグリーンで作ったりもしていて、そういうのも手広くやっていますね。

U:そうなのですね。屋外の規模が大きいものばかりイメージしていたのですが、確かに新しい商業施設やカフェ等の室内でもありますね!


I:そうです。 今は、環境への配慮が企業のイメージアップにつながる部分があるので、カフェの中に緑が置いてあったり、商業施設の中の共用部に緑を飾っていたりとかを見かけることがあると思います。そういうのもトータルでしています。

U:そうなのですね。ありがとうございます。先ほど、設計と営業のお仕事をされているというお話がありましたが、設計と営業のお仕事について詳しく教えてください。

I:はい。設計と営業が別になっている造園会社もあるのですが、私が勤めている会社は設計と営業が一緒になっています。 仕事の流れとしては、お客様から依頼がある場合、例えば、あるハウスメーカーさんから依頼が来ましたっていうところに、まずご要望を聞きに行って、どういう広さで、どういう機能が必要か等をお聞きして要件を整理します。そして、その要件を技術的に検討しながら、落とし込んでいって、絵を書いたりしてみて、こういうコンセプトでどうでしょうかというシートまでを作成して、それをプレゼンするという感じです。これが設計と営業の仕事です。ちなみにお客様は継続の方が多いです。

U:ありがとうございます。 直接お客様と顔が見える状態で営業的なお仕事をして、こういう感じはどうですかという設計の部分まで、ご自身でその場で描いてみてという感じだと、社内に1回持ち帰って検討するというのはあまりしないのですか?

I:社内に持ち帰って検討もできます。営業と設計が別だと直接やりとりはできませんが、営業と設計が一緒になっているとその場で絵を描いてみて、こういうのはどうですかというのを直接やり取りができるので、そこが強みかなと感じています。

U:確かにそうですよね。 直接やりとりできた方がイメージの擦り合わせがしやすそうです。

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自分が設計したものがそのまま実現できる仕事

U:では現在のお仕事の勤務時間を教えてください。

 I:はい、9時出社で大体19時~20時ぐらいに退勤しています。まだ入って間もないというのがあるのと、残業時間が45時間以内という規制が社内的にも厳しくなってきたので、それに収まるぐらいでという感じですね。

 U:ありがとうございます。 あと予測値で構いませんのでお給料についても教えてください。

I:そうですね。400~550万ぐらいです。

U:ありがとうございます。先ほどの残業時間のお話に戻りますね。造園会社の設計と営業に関わっている方にお話を聞くのが初めてなのですが、造園会社でも残業時間っていうのはやや多いのですね。

 I:そうですね。でも、今は法律の施行のこともあって結構少ないみたいです。1年前は忙しい時は80~100時間ぐらいしている時期もあったみたいなのは聞きますね。

U:そうだったんですね。残業時間が多くなってしまうのはこだわりが要因の1つでもあるのでしょうか?

I:そうですね。とはいえ、人によると思いますね。例えば、お客様との繋がりで仕事をいっぱいやりたい人だったりとか、検討とか設計は外注すればある程度減らせる部分もあったりするのですが、自分で全部やりきりたい気持ちがあるので(笑)。その全部やりたいという部分で、時間が伸びちゃうとか、最後までこだわりたいという思いで時間が伸びちゃう人と、 あとは単純にいっぱい働いて、いっぱい稼ぎたい人もいるので。そういう感じで分かれますね。

U:分かれている中では、こだわりがある方が多いですか?

 I:そうですね。自分が設計したものがそのまま実現できる仕事なので、造ったものがお客様に喜んでいただける為にどうするかというのはすぐには出ないので、時間をかけて検討していって・・としていたら気づいたら時間を使っていたということはありますね(笑)。

U:そうですよね。最高のものにするための時間はかかりますよね。

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造れた瞬間が1番やりがいを感じられる

U:では、お仕事のやりがいを教えてください。

I:実際に自分がお客様とコミュニケーションを取って、それを絵にして、 施行と連携して形になるっていうのは、凄くやりがいを感じる瞬間ですね。あと、緑を入れることで建物の良さがより際立ったり、豊かな場所ができたりすることが理想なので、それを造れた瞬間が1番やりがいを感じられます。

U:ありがとうございます。緑を入れて、建物の良さが際立つというお話をしてくださいましたが、木が外にあってスタイリッシュな会社とかビルとかを見たらカッコイイと感じたことを思い出しました。デザインのことを知らない私でもその良さを感じたことがあるので、緑が建物の良さを引き出すという効果は私以外の方も知らないうちに感じていることだと思います。

I:そうですね。これは組織設計事務所から転職した理由にもなるんですけど、建物自体はお金をかけているからカッコイイけど、外構はそこまでお金をかけないというアンバランスな状態で、建物の良さが引き立っていないということが結構あるんですね。それは、建築関係の人が植栽等の緑の知識がないっていうのと、 そういう術を知らない、施主様がそこまでしっかり理解できていないので、現場でお金を削られてしまうという部分はあります。植栽は工事の1番最後にする部分なので、現場で元の費用を削られたり、もう費用が予定より残っていなかったり、工期的に厳しいから突貫でやってしまったり等の調整される部分が大きいんですね。でも、環境に配慮していこうという社会的なニーズがあるので、植栽の分のお金は絶対決めるというのが大事になっていますね。たとえば、植栽への費用が1000万円ならその分は絶対使えるようにしておくというものです。これが施主様からの要望として今増えています。

U:そうなんですね!

I:はい、植栽にあまり力を入れないと、一気に建物のグレード感が落ちてしまうのでそのようなご要望をいただきます。

U:納得です。植栽へのニーズが前と比べて増えているのですか?

I:そうですね。増えています。植栽で建物の価値やレベルを上げることができるというのも理由の1つですね。他の理由として、今よく言われているのは、環境配慮の中にある生物多様性という言葉がありまして、これらの言葉が緑を増やそうと思ってくださる理由の1つだと思います。お客様までこの考えが浸透しているかって言われると微妙なんですけど、 この建物は生物多様性に配慮していますよというエイビング認証というものがあるので、お客さんから求められることが多いですね。

U:そうなんですね。詳しく説明してくださり、ありがとうございます。

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植栽にこだわることに興味があった

U:先程、組織設計事務所で働いていた際に、 建物だけが良くても全体的にはアンバランスで・・というお話があったと思うのですが、アンバランスというのは、植栽が建物との雰囲気と合っていなくてアンバランスという認識も含まれますよね?

I:そうですね。例えば植物でツツジってあるじゃないですか。赤色や白色の花が咲く植物です。それはそれで、建物を際立てて良い部分もあるんですけど、緑で木陰を作ったりとか、建物のラインを和らげるとか、そういうもっと植栽にこだわることに興味があったので、植栽も勉強しようとなりした。

U:ありがとうございます。それは、先ほどのお話にあった就職してから、ランドスケープの方に興味を持ち始めたということですよね?

I:はい、就職してから造園の方も興味を持ち始めました。就職して3年間程組織設計事務所で働き、そこでは緑を生かすことができないっていうのと、その知識はここでは学べないと思ったので、1回外でしっかり勉強しようと思い、転職しました。あと、当時の働いていた環境は結構忙しかったため、ここでずっと働いていくのは厳しいかなと思ったのも理由の1つです。

U:そうなのですね。詳しくありがとうございます。


造園の方に関わることで建築と造園の両方を良くしていきたい

U:造園や植栽について学ばれて期間的にはまだ短いと思うのですが、これからのキャリアプランはありますか。

I:将来の仕事のビジョンですよね。造園会社にいるメリットは、施工部分も一緒に見ることができるので、どうやってできていくのかとか、 そういう知識を得られるのが良いことだと思っています。
そういう部分の知識をもっと得て、設計のスキルを磨いた後は、計画の初期段階や計画を立ち上げる段階で、造園の設計をするというのに関わりたいと思います。それは造園会社じゃなくても、もう1回設計事務所に戻るのも視野には入れている感じです。造園等のランドスケープの設計として、アドバイスしながら緑豊かなものを作っていきたいなというのは思っています。

U:ありがとうございます。建物かランドスケープの方かで言ったら、ランドスケープの方に関わっていきたいなという感じなのですね。

I:そうですね。建築の設計もやっていたので、建築が気にするポイントとか、 建築の課題になる部分というのが分かるので、そういう視点を持つことで、造園とかランドスケープの提案をしていくという両方を良くしていきたいという思いがありますね。

U:そうなのですね。両方の視点があるからこそ、最終的にできたもののクオリティは更に上がりそうです。造園会社にいる方で設計をされている他の方々も建築の知識があるのですか。

I:いや、基本は建築と造園というのは学科が違うので、造園学科出身の人が多いですね。建築を学んでランドスケープにくる人はいるんですけど、大体はどちらかに偏っていると思いますね。

U:そうですよね。造園と建築は分けられているイメージがあります。 

I:造園の分野でいうと、今言われている生物多様性等の点は深掘り始めると凄く大変なテーマなので、それは専門家なので。隣合っているものだけど、違う分野ではあるんですよね。

U:施工をされる方はやっぱり職人さんなのですか。

I:そうですね。造園の施工会社って言っても、造園の施工の監督をする人たちがいる会社なんですよ。 その監督の方が実際に木を入れる職人さんを集めてっていうのを管理する会社です。

U:そうなんですね。詳しくありがとうございます。

 

施主様が喜んでくださる瞬間にやってきて良かったと感じる

U:今の会社でなくても構いませんので、印象的なエピソードがありましたらお願いします。

I:印象的ですか・・そうですね。 最初の組織設計事務所だったら、図面をもう何百枚っていうのをまとめるんですよ。 そういう図面を提出の前の日まで、カタカタ・・ってやって、調整して、図面を作って、pdfにして、印刷して、束にして、10部ぐらい出すみたいな。それが、持っていく2時間前とかにできる。という感じで、その大変だった流れもある意味印象的な感じです(笑)。 あと、建物ができて、施主様がめちゃくちゃ喜んでくださった瞬間というのは、やってきて良かったなと感じたことはありますね。
2社目の時もそうですね。依頼されていた造園ができた瞬間に、 喜んでくださる瞬間というのは、大変だったけどやってきて良かったというのを感じますね。 もちろん今の仕事でもそうです。

U:ありがとうございます。一社目のエピソードはハードですね(笑)。今の会社では、ある程度まで残業時間を減らそうとしているとおっしゃっていましたが、最初の設計事務所は残業時間がもっと多かったですか? 

I:そうですね、基本土曜日も出社していて、基本会社の周りに住んでいて、 終電がないような感じで日が跨ぐぐらいに帰るみたいなのをしていて、もはや会社に住んでいる感じになっていました(笑)。今は変わっていることもあると思います。

U:そうだったんですね(笑)。建築学生から組織設計事務所で働いたことがある方にインタビューを何名かの方に受けていただいたことがあって、終電がなかった等のお話をお聞きすることがあるのですが、建築学生の時から結構きつかったから、あまり気にしていなかったというのをお聞きするのですが、Inoueさんはどうでした?

I:そうですね、僕もそんな感じでした(笑)。若いので、少しぐらいは無理した方がいいかなという感じでした。体力もあるので体的に無理はなかったし、仕事も楽しかったので、苦にはならないタイプでした。ただ、結婚を考えた時に、日曜しか休みがない上に、平日も帰ったら疲れているからすぐ寝るので、このままだと難しいなと思ってやめたというのが大きいですね。

U:そうだったのですね。体力的に無理がなくて、楽しく働けていたのだったら良かったです。楽しいなら頑張れるという部分もありますよね。

1番心に残っているのは「植物を生かす」という言葉


 U:では、植栽を学ぼうとプロジェクトマネジメントをされていた頃のお話をお聞きしたいです。先ほど少しだけお話をお聞きして、修行のような形で学ばれていたのかなという勝手なイメージをしているのですが・・(笑)。

 I:全然修行で問題ないです(笑)。巨匠の様な方の元で仕事をしていて、その方は世界中から植物を集めてくる方で、 超巨大なオリーブや、超巨大なクリスマスツリーを日本に持ってきたりとかしていて、すごく面白いことをやっている方です(笑)。することだけでなく、人間的にも面白そうな方だったのでそこで学ぶことにしました。

U:ありがとうございます。お話を聞いてハッとしたのですが、植物の種類は大事なポイントですよね。

I:そうですね。その会社は、 世界中から集めた植物をとても広大な敷地に置いていて、手に入れにくい様な植物を使ったり、日本ではあまり流通していないようなものも使ったりします。 あんまり詳しくはお話できないのですが、そんな感じの結構面白い会社にいました。

U:そうなんですね!そんな場所にいたら植物に詳しくなりそうですが、どうですか?

 I:そうですね。でも偏っていますね。先ほどお話した様に特殊な植物ばっかりなので(笑)。例えば、パラボラッチョという別名酔っ払いの木というものがあったり、物凄く大きいオリーブがあったりします。その様に普段ではちょっと手に入れにくいような植物とかを手に入れて、それをこだわって造園するという感じですね。詳しくは言えない部分があるのですが、すごい商売をしていました。

U:そうだったのですね。そんな環境で働かれていたなら、「造園ってとても楽しい!」となりますよね。

 I:そうですね。その人の言葉で1番心に残っているのが「植物を生かす」という言葉です。これはよく言われていた言葉なんですけど、例えば山奥に大きい木があって、それが魅力的な木だけどその場所で一生を終える木もありますよね。ただ、それを建物の前等の見える場所に置いた時に、 沢山の人が寄ってきて、すごい木だねと思ったり、その写真を撮ったり、心の中に残る木、風景を作っていくってのが「植物を生かすこと」と仰っていました。生け花と一緒で、生命としては殺しちゃうけど、それを生かすような形になるために気を遣うっていうのが理念で、 それが今でも心に残っていて、この言葉の様に自分も生かしていきたいなと思っています。

U:深くて重みがある言葉ですね。すごく良い言葉です。

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 I:プロフェッショナルなので、すごく細かいですし、折角図面通りに植えたのに、全部やり直したり、あの農場から持ってこいとか言われたりして大変なこともありました(笑)。

U:そうなんですね(笑)。ということは、今の会社の方がそういう無茶な部分というのは減りましたよね?

I:そうですね(笑)。当たり前ですけど、設計したものや、作ったものに責任が生まれますし。例えばすぐ枯れるようなものを入れてしまうと、入れ替えないといけないですし、 大きくなりすぎる木を入れたら、管理できないとなってしまうので、そういう現実的な部分を今すごく考えていますね。前の会社は、入れてまえ!みたいな感じで、入れた後に状態が悪くなることもありましたし、 できた瞬間がかっこいいみたいなところもあったりして・・。そのバランスみたいなのは今すごく考える部分です。

U:そうですね。そのバランスはとても大事そうです。


 自分が作ったものが世の中に残る職業

U:では、建築学科に進んだ理由を教えてください。

I:そうですね。とても単純なのですが、数学が好きだったので理系を選択しました。その後ぐらいに実家の隣の家の方が建築家さんと聞いて、その時に自分が作ったものが世の中に残る職業というのがかっこいいなと思いました。それがきっかけで、大学を選ぶ時に建築系を選んで、進学して建築士になって・・という流れです。

U:ありがとうございます。 ちなみに、その組織設計事務所で働こうと思われた理由はありますか。

I:そうですね。一応、インターンなどでアトリエの先生みたいな所にも色々行ったりしました。その中で働く環境というのを中心にして考えました。結果、僕が就職したところの組織設計事務所は良い人が多くて、 その人たちと一緒に働きたいなと思ったのでそこに就職しました。あと、自分が大きい建物を造りたいというのがあったので、大きいアトリエだと大きい建物も作れるのですが、アトリエだと規模が限られてくるんですよね。 組織設計は大きい建物にも関われますし、意匠設計と構造設計と設備設計があるので、同じチームの人と顔を合わせて調整したりとかできるので、それらの理由で決めました。

 U:ありがとうございます。建築学生さんに参考になることだと思います!


取材風景2(左からTomoki Inoue様、梅野)

元々植物が好きだった

U:個人的にずっと気になっていたんですけど、後ろにある植物はご自身のこだわりでされているものなのですか。

 I:そうです。植物が好きなので、ここだけじゃなくてベランダにもいっぱいありますよ(笑)。 奥さんにこれ以上増やさないでとか、これ以上大きくしないでと怒られます(笑)。

 U:そうなんですね(笑)。ベランダにもあるということは全部でかなりの数ありそうですね(笑)。元々植物が好きだったのですか?

 I:そうですね。田舎で育ったからなのかは分からないんですけど、田舎で植物に囲まれて育ってきていた中で、就職で大阪に住んでいた時に緑がない環境だったので、それで自分で育てようと思って、みるみるうちに増えていったみたいな感じですね(笑)。

 U:それは造園に活かせれそうな部分がありそうだと思ったのですが、実際どうですか?

 I:そうですね。 自分で室内の植物を育てていて、性質や水やりの頻度、種類などの知識はあるので、カフェで観葉植物の提案をしてほしいとなった時に、仕事に生きる部分はありますね。

 U:そうなんですね。ありがとうございます。元々植物が好きな要素が造園に進むきっかけになったというもありますか?

 I:そうですね。植物が好きだったから造園の方に興味をもったというのはありますね。植物が好きっていう気持ちもあったから、余計もう少しこだわりたいなというのを無意識的に思ったのだと思います。

 U:ありがとうございます。

まずはチャレンジしてみて、無理だなと思ったらやめればいい

U:では次で最後の質問です。元々建築を学生の頃から学んでいて、就職してみてから造園の方に移ってどちらの知識もあるInoueさんだからこそ、建築学生に伝えたいことを教えてください。

I:そうですね。何点かあるんですけど、僕は建築を学んで、建築の会社に就職し、そして経験のない造園の世界に進んだというのを今回お話しました。造園については学校で学んでいないので、 自分で勉強しないといけないことが多くて、大変でしたが、そういう近い業種の中で転職するのはありかなと思います。前の知識も活かして、新たに造園の知識を入れることで、 より活きてくる部分があるかなっていうのと、シンプルにチャレンジするということがいいかなと思います。高い目標でも、まずはチャレンジしてみて、無理だなと思ったらやめればいいんですよ。でも、自分の体を優先して頑張ってみてほしいと思います。

I:ありがとうございます。これは個人的な意見なのですが、 今の社会では、1つの専門的な知識だけよりも、Inoueさんみたいに建築と造園という隣接している両方の知識を持っている方が重宝されそうだなと思います。

I:そうですね。僕もそれは意識している部分もあって、そのところを目指してくのがいいかなと思っています。完成したら建物と造園は一緒に存在するものなのに、専門家が別々になってしまっている部分があるので、それを1つにできたらもっと良いものができるんじゃないかなというのが原動力の1つですね。

U:ありがとうございます。仰る通り、合わさったらより良さそうですよね。お話お聞きしながら、植栽や造園という要素が私たちにもたらしている良さについて、日常生活を振り返りながら考えることができて、とても楽しかったです!これでインタビューを終わらせていただきます!改めてありがとうございました!


また取材記事を頑張ってアップしていきますので、繰り返しになりますが、ぜひnoteにスキやシェアをしてもらえたら嬉しいです!最後までお読みいただきありがとうございました!!

〈インタビュー・編集:梅野紗良〉

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