見出し画像

口紅との付き合い

コロナ禍ではマスク生活の日々で、気付くと口紅を塗らない生活になっていた。
そんな女性は多かったと思う。
最近ようやくマスクを外す機会も増え、久し振りに口紅を買った。
久々に口紅を塗る時、なんだかメイクを始めたばかりの初々しい自分に戻ったようでワクワクする。

私が高校生の頃は今と違って、メイクをする子は周りにいなかったと思う。
でも、ちょっと背伸びをしたいお年頃というのもあって、ビューラーで睫毛をカールさせ、色付きリップを塗ると少し大人になった気分になったものである。

口紅という物を初めて買ったのは、確か二十歳になってからだったような。
まぁ、最初はどんな色が似合うとか考えずに、テキトーに買って塗っていたような気がする。

色々試して解ったのは、私の唇は本体どおりに発色してくれず、鮮やかにケバケバしくなってしまうということだった。
ナチュラルなピンクを塗ればショッキングピンクになり、ブラウンを塗ると真っ赤になるという状態で、何度も失敗した。
また、私は顔立ちがキツめらしく、ハッキリした色の唇になるとメイク全体が濃いと勘違いされたものだった。(20代前半は、お粉と口紅ぐらいのメイクだったのに)

当時は赤い口紅が流行っており、試しに私も着けてみたところ、生肉にかぶり付いた後のような顔になったため、やめた。
周りの子達は、赤い口紅を塗っても清楚さがある可愛い仕上がりになっていたのに(涙)
そんなわけで、口紅はベージュや薄いピンクばかりを塗るようになっていた。

月日は流れ、メイクのポイントが唇から目元に移ると、リップグロスというものが店頭にたくさん並ぶようになった。
これは私にとって嬉しい「唇革命」だった。

リップグロスは口紅に比べると薄付きで、あまり唇を強調しない。
なので、苦手だった真っ赤や濃い色も楽しめるようになって、リップメイクの幅も広がった。
そうして、長い間、口紅というものを持たずに過ごしていたが、コロナ禍に入ってマスク生活になってからは、リップメイク自体から遠ざかっていた。

マスクを外す機会も多くなってから、久し振りに口紅を塗ってみたいという衝動に駆られ、久々口紅を塗るようになった。
「昔は難しかったけれど、今なら似合うかも知れない」と思い、思い切って赤や濃いめの口紅も買ってみた。
恐る恐る塗ってみると、嬉しいことに、若い頃はつけると派手でキツい印象になりがちだったそれらの色の口紅に違和感が無くなっていた。
昔に比べると、悲しいかな、ハリやツヤが失われた肌ではあるが、赤や鮮やかな色の口紅が肌を明るく見せてくれ、顔全体も元気にしてくれるということが解ったのだ。
恐るべし、口紅パワー。

歳を重ねるのは不安になることも多いが、若い頃は似合わなかったものが似合うようになったりと、楽しいこともあると実感している。
これからも口紅と仲良く付き合いながら、毎日を楽しんでいきたいと思っている。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?