見出し画像

IFA時代


懸案となっていました法人の保険税務の取扱いについて通達が発遣されました。セールスパーソンの方々が各々感じるところはいろいろで、新しい販売手法を見出している方もたくさんいらっしゃることでしょう。
さて、医療保険・がん保険の例外的取扱いについて、10月8日までは現行のまま保険料は都度損金となり、短期払いの第三分野商品は節税効果があるので、これは駆け込みで販売チャンスだと思っている方も多いことでしょう。
2018年に改定された第三分野用の標準生命表では男性の最終寿命が116歳と設定されています。116歳までの保険料を2年や3年の短期で払込みを完了することにより、目先の法人税の節税になるとのことで、このプランでの効果を考えるならば法人から個人に契約者変更し、その際の解約返戻金がゼロの場合、個人への所得税課税もなく、給付金を個人で受け取るので、非課税になり税務上で有利となるという理論組み立てになります。ただ、注意したいのは、契約者変更時に前払いの積立分は所得税の課税となる可能性が残っています。そうなると節税とはならなかったということになります。
また、法人税の節税といいましても、最高でも実効税率は33%です。利益800万円以下の中小法人であれば20数%の繰り延べつまり、2割引から3割引でその医療保険を買うということになるわけですが、投資対効果でみて効果的であるかどうかを検証してみる必要もあると思います。法人税の節税をしたいという方ですから、医療保険がなくても資金繰りに困るという可能性は少ないと思うわけです。普段であれば安いからといって必要のないものを買うのはもったいないことです。私は女性ものの洋服は9割引でも買いません。松尾伴内さんなら定価でも買うかもしれませんが、私には必要がないからです。
短期払いにすると終身払いにする場合と比べて当初のキャッシュアウトが大きくなります。医療保険が必要であれば終身払いにしてキャッシュアウトを抑えてその分、投資、運用に回した方が有利ではないかと思うわけです。
医療保険の短期払商品を販売すると決めてそれに見合う顧客を探し求めるより、目の前にいる人の問題を見つけ出しその解決方法を考え保険商品を組み立てていくというアプローチのほうが効果的であり価値のあることではないでしょうか。「木を見て森を見ず」とならないように相手方の真の問題を発見することが大切です。
例えば、医療保険の都度損金で目先の法人税を少なくしたいというお客様は、その法人税を支払うことがそれほど大きな打撃になるのでしょうか。そもそも法人税の節税ニーズがあるということは、法人税を少なくしたい→法人の利益が多い→自社株の価格が上がっている→将来の相続税が増えているということで、相続税対策をしなければならないお客様であるということになるわけです。先日、信託銀行に勤めている知人が相続税の生命保険金の非課税枠の商品が爆発的に売れていたと言っておりました。保険会社のセールスパーソンは法人税の繰り延べに翻弄され、相続税非課税枠を見落としていたということなのでしょうか。セールス成功の種は、身近で簡単なところにあると思うわけです。相続税対策のポイントは難しいことをやらないで、簡単にできることを積み重ねていくことです。そのひとつが生命保険非課税枠を使うことです。次の4つのパターンの非課税枠はいくらでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?