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想いと覚悟

新日本プロレスの春の本場所「NEW JAPAN CUP 2024」は辻陽太が後藤洋央紀を破り優勝を果たした。

優勝決定戦当日は後藤の優勝を願っていたファンが多かったと思う。このところYOSHI-HASHIとの毘沙門でタッグ中心となっていた後藤が優勝決定戦に進出するのは8年ぶり、春男と言われ3度優勝していたが、優勝からも12年も遠ざかっている。優勝すればIWGP世界ヘビー級王座へも挑戦できることから、キャリア的にも後藤にとってラストチャンスだと思って優勝決定戦に臨んだと思う。

だが現実は違った、後藤は亡き父への想い、AEWへ去っていった柴田勝頼、力も借りて辻を攻めていった、最後に狙ったレインメーカーも柴田と同じAEWへ去っていったオカダ・カズチカの力を借りたつもりだった。だが、それが隙を作る結果となり、オカダの力を借りたレインメーカーがカウンターでのジーンブラスターで迎撃されると、まさかの一撃を食らった後藤に辻はジーンブラスターで3カウントを奪い優勝を果たした。後藤が負けて悔しくて眠れなかったファンも結構いたというが、自分らは現実を見せつけられた。辻の一発の前に後藤の想い、ファンの想いも全て吹き飛ばされてしまった。

試合後、IWGP世界ヘビー級王座に挑戦することになった辻は「新時代の扉が開いたぞ、雨が止んで、帝国の王が去り、でも大丈夫だ、オレがここにいるから、オレが新時代の象徴だ、その先にどんな景色があるのか、一緒に歩いていこうぜ!」と叫んだ後で、LIJの同門である内藤哲也に宣戦布告し、「このセリリアンブルーのリングは世界最高のリングだ、この新日本プロレスのリングを更なる高みへ持っていく!覚悟はいいか!新時代の幕開けだ!」とアピールした。

新日本プロレスからオカダだけでなくウィル・オスプレイも去っていったが、辻はそんな新日本プロレスに新時代を呼び込むことで新しい光景を見せようとしている、そのためには先輩である内藤に踏み台になってもらう、4・6両国でのIWGP世界ヘビー級選手権は、単なるLIJの同門対決だけでなく、世代交代という重いテーマも課せられることになった。それを考えると後藤が敗れたのは、後藤の想いより、辻が新時代への扉を開く覚悟の方が上回ったということなのかもしれない。

辻がIWGP世界ヘビー級を奪取すれば、先輩である海野翔太、成田蓮、同期の上村優也、ゲイブ・キッドだって黙ってない、LIJどころか新日本プロレスの光景もガラリと変わることが間違いない。4・6両国は辻が新時代の扉を開くのか、それとも内藤は自分の時代を守ろうとするのか…



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