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実は儲けている! サビれた個人商店の裏側。

世の中には、客が来ていないのに、いつまでも潰れない個人商店がある。営業しているのかどうかさえ、中に入らなければわからないほど、暗い商店がある。

どうやって稼いでいるのか? 近隣の住民でさえ知らない。

年金暮らしの高齢者が暇つぶしで開けているのか、と悪態をついてしまうほど、潰れない理由が浮かばない。

実は、こうした店に共通する“稼ぎ方”がある。

たまに電話に出て、たまに出掛けて行く。一時的に忙しくなる時もあるが、それが過ぎれば、ほとんどは店番で1日が終わる。非常に羨ましい商売である。

その“稼ぎ方”とは……

「学校納品」である。

学校から注文が入ったり、定期的な納品に対応していれば、まとまった利益が確保できる。生徒数の多い学校との取り引きができれば、たった1本の電話で、多額の収益が生まれるのである。

最初に契約を取りつけるまでは苦労したかもしれないが、その後は何年も安定経営が約束される。

不思議なことに、学校と商店との取り引きは随意契約で、競争入札がほとんどない。公立校なら、すべての近隣商店にチャンスが与えられるべきなのだが、不公平な取り引きが長年続けられている。

しかも、学校はあまり価格交渉をせず、言い値で納品させている。商店にとっては、実に有り難い客である。

そんな“稼ぎ方”を手に入れている業種としては、服屋(学生服)、スポーツ用品店(体操服)、金物屋(掃除道具)、書店(教科書)、写真店(出張記念撮影・卒業アルバム)、文具店(文房具一式)、パン屋(給食)などがある。

誤解のないように書いておくが、「学校納品=儲けている」わけではない。地域や学校の規模、学校の方針などによって、「学校納品」していても、さほど儲からない場合もある。

だが、規模の大きな学校と取り引きすることで、一般客など来てもらわなくても、充分に儲かっている店があることは事実である。

サビれたように見える個人商店は、店頭ではなく、裏で儲かっているので、店や陳列商品に気を遣わなくてもよくなり、サビれた雰囲気を醸し出してしまうのである。

儲からなくてサビれたのではなく、儲かっているから、店に手をかけなくなったのである。

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