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新卒VCがベテランVCに直撃インタビュー。「人生をかけてオール・インで挑む」VCの仕事の醍醐味とは?

※2023年12月21日追記
キャリコネニュースにて本記事内容をご紹介いただきました。

ベンチャーキャピタルの投資担当者である、VC(ベンチャーキャピタリスト)の仕事の中身や、VCというキャリアの中で身に付くスキルについて、実際に2023年4月に新卒として入社した茂木が、日本を代表するVCの一人であるマネージングパートナーの細野に直撃インタビュー。
「人生を賭けてオール・インで挑んでいる」と話す細野の、VCとしての考え方に迫ります。(前後編の前編。後編はこちら

細野は、スタートアップ黎明期からベンチャーキャピタルに従事。過去60社以上の投資に関与し、Forbes Japanが選ぶ日本で最も影響力のあるベンチャー投資家 BEST10、2018年第3位、2020年第5位に選出された、イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズを代表するキャピタリストの一人です。


大学で培ってきた専門性は、VCの仕事で必ず活きる

細野:今日はよろしくお願いします。個人的に知りたくてまず先に質問をしたいんだけど、そもそも茂木さんは、なんで新卒でVCを志望したの?

茂木:学生時代に遡って話すと、私は、東京工業大学卒業後大学院に入り、生命理工学の専攻の中で医薬品の研究をしていました。周りが賞を穫る中、私は賞を穫ることができなかったんです。そこで、研究職は向いていないのかな…と挫折を感じたんですよね。

科学の世界は、今も変わらずすごく好きです。だから研究職に付くのではなく、科学の産業の成長を応援しようと思うようになったんです。その中でVCという職業を知り、志望するようになりました。ITの領域では、今のところ世界的企業が産まれていない日本ですが、科学やものづくりの領域なら世界で勝てるはずだと信じています。

細野:面白いきっかけですね。研究で培ってきた専門性は、VCの仕事でも今後とても役立つと思いますよ。スタートアップやベンチャーキャピタルの市場が大きくなるにつれ、VCにもいろんな人が増えてきました。博士号の人や、外銀・戦略コンサル出身者など、産業の広がりに伴って多様な経験を持つ優秀な人が増えました。また、スタートアップの裾野が拡がり、スタートアップもどんどん専門特化しており、VCも専門性があるからこそ、スタートアップのポテンシャルが見抜けるということも増えています。

ベンチャー黎明期は、VCの数も少なく、経営者もVCもほぼ顔見知りのような状態。人付き合いという側面が強かった。ベンチャーの村社会と呼ばれていたこともあります。随分市場が変わってきて、活躍するVCのタイプの多様性が年々高まってきていると感じます。

「合理性」と「人情」。VCにはどちらが必要?

茂木:VCを志望した時期が遅く、じっくり業界研究ができなかったので、学んできた専門性も活かせるというのはとても励みになります。私は、ヘルスケアやバイオテクノロジーの領域を専門としていくつもりです。培った経験を活かして、自分だからこそ見つけられる、魅力的なスタートアップに早く出会いたいと思います。
早速質問ですが、業界にはいろんなタイプのVCの方がいると聞いています。
いわゆる「縁」や「人情」を大事にする方もいますし、「合理性」を追求する方もいます。一体どちらが大事なんでしょうか?

細野:どっちが正解ってものはないと思う。規模の大きいベンチャーキャピタルの場合は、豊富なメンバーで担当制にするなど、比較的分業が進んでいるため、「機能性」や「合理性」メインで勝負している方もいます。必ずしもウェットな人間関係に踏み込まなくても、結果を出すVCも増えて来たのは、ベンチャーキャピタルという産業が広がっていっている証拠です。業界にとっても良いことですよね。茂木さんも、自分に合ったスタイルを見つけられれば良いと思います。

個人的には、出資先企業に深く入り込んで互いの信頼を積み重ねることが好きですね。私は自分自身を「体育会VC」だと思っているんです(笑)。暑苦しく、エネルギッシュで諦めないタイプですね。とはいえ成果を出すことが目的で支援をしているわけですから、合理性を忘れないようにもしています。

茂木:「体育会VC」は、良いフレーズですね(笑)。私も、「人情」と「合理性」のバランスを大事にしようと思います。

目指すは起業家の一番の相談相手

当社は業務内で自由に人と会っていいという方針ですし、私なりにたくさんのスタートアップ業界の人に会ってきました。将来性を感じる事業や、応援したいと思う人にも出会えましたが、まだ深い人間関係を築くにはいたっていません。細野さんはどんな支援をしているんですか?

細野:企業の成長局面でいうと、採用はもちろん、アライアンスの座組を作る、営業支援を行うなど、ほぼ全てに関わってきましたね。企業が自走できるまで、かなり粘り強く深入りする方です。CFOやCOOなど幹部人材の採用面接に同席することもあります。起業家は、外からはかっこよく見えると思いますが、孤独を感じることも多々あります。そういった時にまず最初に顔が浮かんでもらえるVCになりたいですね。起業家の一番の相談相手として、支えになれたらと思っています。

茂木:面接まで!まだ今は想像ができませんが、私も出資先企業の成長に繋がることを積極的にやっていきたいし、信頼関係を築いていきたいです。面接に立ち会う際は、出資先企業の一員のような気持ちで臨むんですか?

細野:いえ、そこはあくまでも外部の視点で参加しています。どこまで入り込んでも私たちの立場は、いわゆる株主といった立場です。そして、VCという仕事で何より大切なのは結果を出すこと。素晴らしい人間関係を築けても、出資先が成長しなければ仕事が成り立ちません。

加えて幹部人材の採用は、出資先企業の明暗を分ける重要な行為です。当然ストックオプションなど、お金にまつわる話もすることになります。

「一緒に大きくしていきましょう」だけではなく、「大きくしてください」とか、時には「一緒に利益を得ましょう」といった視点で話をします。

茂木:起業家にとってストレートに言いにくいことも、運命共同体として言ってくれるのは心強いですね。

出資先企業の成長に貢献、信頼関係を築く

細野:そうですね。上手なスタートアップは、VCをうまく使っていると思いますよ(笑)。絶対に採用したい人へのクロージングの場に呼ばれるなんてこともあります。出資先企業が成長するためなら、自分をうまく使ってくれくらいのスタンスでいてもいいかも知れませんね。

一見冷たく聞こえるかもしれませんが、出資先の成長に貢献できればできるほど関係性も良くなりますし、信頼も築けるようになります。

茂木:実際に細野さんの周りには、スタートアップの方が集まって来ているなと思います。信頼関係があるからこそですよね。出資先の成長に貢献し、結果が出せた上に、人間関係も築ける。そうなったらVC冥利に尽きますね。

(前後編の前編。後編はこちら

(取材・文:井澤梓/カタル


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