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【予告】第四回「AI」について

日時 11/13(火) 18:15~19:45 

場所 メディアセンターラーニングコモンズ

〇前提となる議論

 AIとはartificial intelligenceの頭文字をとったもので、人工知能のことを表す。最近では、毎日のようにAIと言う言葉がテレビや新聞、インターネットで飛び交うほどである。しかし、実際のところAIというのはまだ実現されてはいないようだ。現在、AIと呼ばれているのは正確に言えばAI技術のことである。AI技術とはAIを実現するために開発されている様々な技術である。画像処理、音声認識、自然言語処理技術など様々なところでそれは用いられている 。スマートスピーカー、SIRIなどはその典型例である。
 それでは、未だ実現していないAIとは何なのだろうか。AIの定義は研究者によって様々である。東京大学の松尾豊准教授によるとAIとは、「人工的に作られた人間のような知能、それを作る技術であるという。」未だ人間の知能が自然科学的に判明されていないがゆえに、その仕組みを模倣した厳密な人口知能というものの実現はなされていないのである 。
 しかし、AIについて考えるとき、AI技術とAIとを分離することはあまり重要ではないと思う。なぜならば、AI技術の進歩は私たちの社会は影響を及ぼし、社会が変革することは明らかとなっているからである。それゆえに、私たちがいま考えることはAI技術の進歩によってもたらされると思われるものをどう捉え、どういう道筋でこれからの時代を生きていくのかということであると思える。
 そこで、本サロンでは「AI技術」を「AI」と呼ぶことにする。そのAI技術の発展も「AIの発展」と呼ぶことにする。厳密性ではないが、先ほども述べた通りここで話したいのは、AI技術の発展にともない私たちはどういった思想、そして生き方の変革をするのかということであるので簡略化することにしたのだ。
 さて、具体的にAIの発展がどのように私たちに影響を及ぼすのだろうか。未来学者のレイ・カーツワイルは2029年までにコンピューターは人間と同等の知識をもち、2045年には人類の脳の総計よりも賢くなるとしている 。また、一枚のチップに集積されるトランジスタは1965年から、毎年倍増している。これは年々コンピューターの処理能力が上がっているということだ。そういった発展に伴って、私たちに最も影響を与えると考えられるのが雇用への影響である。2013年にされたオックスフォード大学の研究によると現存するアメリカの702の仕事についている労働者のうち約47%が今後10~20年の間にテクノロジーによって代替されるとしている 。さらに、2015年に行われた、野村総合研究所とオックスフォード大学の共同研究において、現在の日本の601の職業についている労働者のうち49%がテクノロジーによって代替される可能性が高いとされた 。2013年になされた研究を詳しくみると、サービス業や、営業職、事務職や管理人などの補助職などが代替されやすいようである。逆に、創造性や社会的知性を生かした、芸術家や、教育者、経営者といった職種は代替しにくいということも示しているとも言える。(詳しくは下図)
 これまでの代替可能性の議論だけではなく、新たに雇用が生まれるという議論もある。プライスウォーターハウスクーパースの研究によると2017年から2037年にかけてイギリスでは700万人の雇用がテクノロジーによって代替され、新たに720万の雇用が作りだされるということである 。
 このようにAIの発展は私たちのこれから築いていく人生設計に影響を及ぼさないことはないと言える。既存の社会をもとに、キャリアの設計図を描いていては前提としているものがいとも簡単に崩れることが予想される。
 そこで私たちはこのAIの発展にともなってそれをどう捉え、どう生きていけばよいのかということを考える必要があると考える。本学のキャリアの講義においてこのような変化を踏まえたキャリアのあり方を学生に考えさせているのかといえば、それは否と言える。
 本サロンでは上のことを議論するにあたって、その焦点を明確化するために一つの前提条件を置こう。それは、先ほども紹介した研究を引用する。「人工知能が人間の知能と同程度の機能を持ち、今ある職業のほとんどが代替される社会が訪れる」という仮定である。これをAI時代と呼ぼう。参加者の方にはそのAI時代において、これからの自らの生き方、そしてあり方というものを考えてほしい。

.『THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO
COMPUTERISATION?』
(2013)より引用。テクノロジーの発展に伴う代替可能性。アメリカの702の職業を対象に調査。右側になるほど、今後10~20年での代替可能性が高い。

尚、よりくわしく代替可能性の高い職業を見たい方はこちらを参考にされたい。

〇参加者に投げかける問・テーマ

①AI時代において私たちはどういった生き方をしていくことが求められると考えるか。
②AI時代の幸福のあり方とは何か?

〇サロンのルールや、やり方については以下参照を願います。

「日程、進め方」

「参加にあたって求める3つのシンプルなルール」

【〇前提となる議論内、参考資料】