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日本のヘアカラーの歴史

日本で最初の酸化染料による染毛剤が発売されたのは、明治38(1905年)と思われます。パラフェニレンジアミンのアルカリ溶液を頭髪に塗り、空気酸化により、2時間程かけて髪を染めていました。それまでは、タンニン酸と鉄分を用いたいわゆる「おはぐろ」を利用し、10時間程度かけて染めていましたので、飛躍的に時間が短縮されました。明治時代に発売された染毛剤は、全て髪を黒色に染めるもので、当時の商品には、「白毛赤毛を黒く自然の髪に染め上げる」といった説明が付いていました。当時、地毛の明るさは、癖毛と同様、女性の悩みでした。
 その後、大正元年(1912年)に、パラフェニレンジアミンを過酸化水素で酸化する、現在の酸化染毛剤の原型ができました。大正7年(1918年)には、パラフェニレンジアミン粉末一包、のり粉一包、及び過酸化水素水一壜の3剤タイプの30分で染め上がる白髪染めが発売されると記録されます。

明治時代初期から中期の染毛剤

明治時代になっても様々な「白髪染め」の開発が行われていたようで、金属やアルカリを利用したものも記録にあります。

明治時代後期染毛剤「酸化染毛剤」が登場

明治39~40年頃には、主剤にパラフェニレンジアミン(パラミン)を用いた「液体1剤式」で、空気酸化で染める形式でした。染液を洗髪後の湿った髪に、地肌に付かないように塗り12時間過ぎてから洗い落とすというものでした。

「液体2剤式」の染毛剤

日本で過酸化水素が使用されたのは、明治時代ドイツからの輸入品により大正4年に使用していたとの記録があり明治45年の「毒劇物取扱法」の改正により、白髪染めはそれまで小間物商や化粧品店で販売できました以後の販売は薬種商や薬剤師でなければ販売できなくなってしまいました

酸化剤を使った染毛剤の登場により、様々なコンセプトの製品が登場するようになり例えば「染毛時間が5分でよい商品」や「固形しらが染め(着色料のように使用)」などから、現在の製品が開発されたと思われます。

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