教習日記#18 『もやもや卒業式』 2018/05/27

本日、卒業式に出席。

これで本当に教習所に来るのは最後だ。感慨もひとしお、のはずが、そういう気分にはならなかった。理由が二つある。

一つは、卒業生アンケートだ。卒業式に出発する直前、事前にもらっていた卒業生向けアンケートを記入していた。教官や受付について評価してくれというもので、せっかくなので思ったことを書いておくことにした。

結局、1時間以上ウンウンと悩みながら、教官の指導への批判をしたためた。それは複数人数の教習中に「連帯責任」を強調することへの批判であった。個人でそれぞれが申し込んでいるのになぜ連帯した責任が発生するのか、その正当性が不明であること、連帯責任を喚起することで緊張感を持たせるという教育的意図は理解できるが、いい大人がそんなプレッシャーをかけないと真面目に教習を受けないとでも思っているのか、そうだとしたらあまりに我々を子供扱いしてはいないか、バカにするな、という旨を記した。

総じて教習所に不満はなかった。しかし最後っ屁をかまそうと批判を述べていたら、段々とムカムカしてきてしまった。そうして卒業式を迎えた。

そして卒業式。式の終わり、市が展開する「エコドライブ」に関する署名に協力してほしいと紙を渡される。地球環境に「優しい」運転を心がけます、という宣言をしろというのだ。もちろん宣言は任意だが、まあ書いてくださいな、みたいな雰囲気。教習所や行政の利害で作られた空気にのってよくわからない「エコドライブ」とやらを実行すると「宣言」することに抵抗があった。僕は名前を書いたものの、その用紙をカバンにしまった。宣言はしないつもりだった。しかし教官に「あ、あの紙は?」と聞かれ、結局出してしまった。僕は宣言してしまった。エコドライブしますと。エコドライブってなんやー!!

毅然と「出しません」と言えばよかったのだ。その権利は僕にあった。あらゆる他者からの要求、期待に応えないということ。それができなかったことにモヤモヤしてしまった。

そんなこんなで、気持ちの晴れない最後の「登校」だった。

帰り道、教習場内を走る教習中の車を外から眺める。少し前までの自分をみているようだった。

--今歩いているこの道が、いつか懐かしくなるだろう。今歩いているこの道が、いつか懐かしくなるはずだ--


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