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2023年7月21日

この記事のヘッダー画像は、10年以上前のシンジと僕。

いつかの札幌ライブの打ち上げで撮られたものだと思う。

当時シンジはThe Homesicksのドラマーで、僕はmondaysickのギタリストだった。

何度も競演したし、The Homesicksのレコーディングを手伝ったこともあった。

彼らがOasisの前座として真駒内アイスアリーナのステージに立った時も、僕は映像スタッフとして現場にいた。

あの頃は、まさか一緒にバンドを組むことになるとは想像もしてなかったな。

めぐむさんが朔に加入して、最後のピースはドラマーだけになった。

関東圏在住でドラムを叩ける知人は何人か頭に浮かんだけど、遊びではなく可能な限り精一杯の力をそそいでバンドをやっていくとなると、僕の誘いにイエスと言ってくれそうな人はいないように思えて、結局誰にも声をかけることはしなかった。

自分には手札がなくて、某プロダクションを経営する友人に、心当たりがあれば誰か紹介してほしいとお願いしたこともあった。

あとたったひとりで、もう一度バンドをやるという願いが叶うというのに、その“たったひとり”を探し当てることが難しかった。

途方に暮れて、めぐむさんと約束したデモ制作も、なかなか進められずにいて、ほとんど神頼みに近い感覚で誰かいないかと、降って湧くような幸運を、ただ待つだけの時間が過ぎていった。

そんな3月3日の朝、見覚えのある名前と共に「あなたをフォローしました」というInstagramの通知が携帯電話の画面に表示されて、とても懐かしい気持ちになったのを覚えてる。

シンジがドラマーであることは、もちろんずっと昔から周知の事実だけど、10年以上会ってなかった分、今の彼の状況がわからなかったし、僕のインスタをフォローしてくれたのも、たまたまアカウントを見つけたからだろうと思った。

シンジにドラムを叩いてもらいたいという考えは、すぐに浮かんだけど、メッセージを送ったとしても「いや、すんません無理っす」と返ってくるような気がして、淡い期待は抱かないよう自分に言い聞かせた。

ちなみに、単に設定の仕方なのか、他の人がどうなのかわからないが、僕のインスタは通知がマチマチで、たとえば、いいねをされたとしてもポップアップが出たり出なかったり、DMに関しては通知そのものがこない。

シンジが叩いてくれたらなという思いが本音のどこかに燻ったまま、また1時間後くらいにインスタを覗くと、DMのマークにバッジがついていて、なぜだかその時、それが期待通りの言葉であると確信したような不思議な気持ちで、あとは答え合わせをするだけのためにメッセージを開いた感覚だった。

シンジも、めぐむさんと同じく、僕がバンドメンバーを募集してると知って連絡をくれたんだ。

その翌々日には会って話をして、即加入してもらった。

4人が揃ってからは、リアルなバンドのイメージが創作意欲へと繋がって、新曲制作が捗るようになり、4月1日に『オクトーバー』という曲のデモをメンバーに渡した。

あれから3ヶ月半が過ぎたけど、スタジオリハを重ねる度に僕たちは一歩ずつ、着実に成長していってる。

シンジは、かねのひとつ歳下で、高校時代は苫小牧のシーンの先輩後輩だったらしい。

この4人が集まったのは運命だと思う。

バンドは生き物だから、もう二度と失うことのないように、大切に育てていきたい。

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