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OM-1もうすぐ1年

昨年3月にOM-1を買って、もうすぐ1年。
ファームのアップデートが数回あって、今は1.3。改善が進み、購入時より「チューニングの向上」を感じます。オカメインコの鳥認識・瞳認識・AF追従性、いずれも購入時より改善されている。ピントを外すことも減りました。

1年弱使い続けて「ようやく使い方が分かってきた」ところです。逆に言うと私は「設定するだけ」で1年掛かった。初期設定でもそれなりに撮れますが、それなら「カスタム設定済の使い慣れたカメラ」の方が使いやすい。
今時のデジタルカメラって、そういうものです。「選択肢が多い」がために「選択の組み合わせが膨大」。

フィルム時代はシンプルでした。
「フィルムを選ぶ」「レンズを選ぶ」「5つしかない測距点を選択(F100の場合。T2に至っては1つ)」それくらいでした。絞り優先AE、シャッター速度優先AE、マニュアル露光、プログラムAE、はありましたけれど、感度は「カメラで設定するものではない」。カメラのISO設定ダイヤルは「感度を設定する」のではなく「中に詰めたフィルムの感度を設定して、露出計に反映させる」ためにあった。
「ラボを選ぶ」というのはありました。プロラボ、現像頻度が高い上にメンテナンスがしっかりしているので、仕上がったポジに「明らかにゴミが少ない」。

翻って今のデジタルカメラですが、かつて不可能だったことが可能になっている。
けれどカメラが「可能」であるからといって、それが自分にとって「有効」かどうかは別の問題。

例えばOM-1に「プロキャプチャモード」があり、半押しから画像を記録し続け、シャッターリリース時だけでなく、その前の「設定枚数全部」をメディアに保存する(他社製品にも同様の機能装備例はある)。
これに期待して、「切り遅れ」になりやすい「オカメインコの動き」を逃さないのではないか?と思ったのですが、結果的には「勘弁して欲しい」。
あっという間に50枚とか画像が出来る訳です、しかもほとんど同じです。そして「意外に肝心なところは撮れていない」。
設定枚数を増やせば、あるいは、記録間隔を詰めれば、撮れるのかもしれません。撮れるのでしょう。でもそれ「誰が選ぶんですか」。50枚でも「ほんとキツい」です。

被写体選択「鉄道」で試した静音高速連写も同じで、熱海駅ホームで黄色い線の内側から充分下がっても、ファインダー内を通過する貨物列車の速いこと。「全然、いいとこ逃してます」。そしてこちらも、あっという間にやはり膨大な枚数が撮れてしまう。それ「誰が選ぶんですか」。

センサーが改良されて高感度ノイズが減った、とメーカーが主張している件については、多少は「そうかも」。RAWを開いてみた限り、OM-D E-M1 Mk3と比べて「少し減ったかな?」くらいに思えました。35mmフルサイズや中判デジタルのRAWを開いたことはないので何とも言えませんが、APS-CのRAW(富士X-A7、X-T30)を開いた経験はあります(というか現に手元にそのRAWある)。それと比較してみると、OM-1、「4/3にしては頑張っているかな」。

ただ、そこからカメラ内部でJpegを生成する際のノイズ処理が上手になっているので、そういう意味では「トータルで」E-M1 Mk3より「一段分」高感度が使えるような気はします。Jpegでは。

カメラ内AI RAW現像も試してみました。ノイズ処理とか、確かによく出来ています。でも私はDxO Pure RAWを使う。最初はOM-1の方が優れていました。DxOダメじゃん、と思ったのも数ヶ月だけ。その後DxO Pure RAWもアップデートがあって、OM-1を追い越した(と私は思う。個人の感想です)。
何にせよ、アップデートはカメラだけではないのですよ。機械学習を応用してノイズ処理を行うということ「そのもの」について拒否感を持つ人もいるかもしれない。「画像をでっち上げているだけではないか」。いやいや写真てそういうものです、世の中の光は23段くらいあるのですから。10段くらいのネガフィルムに圧縮して3段くらいのモノクロ印画紙に「マルチグレード焼込み覆焼き」は良いのですかそうですか。

カメラのピクチャーモード、最初は「Natural」しか使っていなかったのですが、「Portrait」が意外に良い(個人の感想)です。色のりがね(好みの問題でもあります)。OM-1の「Natural」はさすがに大人しすぎということを最近急に思い出しました。なぜまたこんなSensiaな画を見ているのかと。あるいはNatura1600。VelviaやPROVIA100Fが好みでした。とはいえOM-1のVividはバランスが好きになれない。ポートレートは別。フィルムで言えばPRO400Hが好み。

神田珈琲園で展示した写真は全部DxO Pure RAWを通してからCamera RAWでコントラストと彩度を上げました。

OM-1のカメラプリセットをベースにRAW現像するのと、AdobeのカラープリセットをベースにRAW現像するのと、どちらがよいか?という選択肢も、最近ようやく結論が出てきました。
個人的にですが、やはり「色」はAdobeに一日の長があるように思う。
それでどうするのかというと、VelviaでもPRO400Hでもない画を作ってしまう訳ですが、昔は昔、今は今。フィルム時代を振り返り続ける理由はありません。要は「好みの画」が得られればよいのです。富士の「フィルムシミュレーション」を非難する意図はありません。あれはあれで「分かりやすい」という利点があります。フィルムを使っていた人はブランド名を聞いただけで画の傾向が想像できるし、デジタルから入った人にも「説明しやすい」と思う。

OM-1でなければ出来ないことって何?
望遠レンズが小さい。被写界が少し深い。それらは4/3ならみなそう。
あえてOM-1を選ぶ理由は、「この大きさで」基本性能が高い、あとは防水ほか「過酷環境に強い」。
もう一つ見逃せないのが「安い」。Z9が60万超、R3が70万超。確かにNikon D1は65万円でした、そのクラスは「そのくらいするもの」なのでしょうが、現実問題、辛い。「フラッグシップでない」からでしょうか、α7Vは少し下がるけれど、それでも45万前後。
OM-1、購入時価格、ビックカメラで27万弱(ただしポイント10%還元、ビックカメラSuicaViewカードなので11.5%還元)。今、カメラのキタムラで243,288円。下がってないな。評価されているのでしょうか?

他社のカメラをほとんど使っていないので自信ないですが、去年使った富士のX-T30はぴいよ(オカメインコ)。への追従が厳しかった。R3、Z9、α7V、OM-1より凄いのだろうか?試す機会もないですし、あったとしても「カメラが大きすぎるとぴいよが怖がる」。α7Vは小さいですけど、レンズは大きく、長くなる。「α7Cならボディももっと安い」すみません私、利き目左でファインダーないと辛いんです、そしてレンズの大きさは変わらない。

他社との比較では「今さら」なのかもしれませんが、OM-1でE-M1 Mk3より使いやすいポイントは「被写体認識」と「カスタム設定4種登録可能」でしょうか。
C1……屋外スナップ、被写体認識なし、顔・瞳認識なし、絞り優先AEでF8、ESP測光、単写
C2……ぴいよモード、鳥認識、シャッター速度優先AEで1/250、中央部重点測光、連写
C3……ポートレート。顔認識、瞳認識、絞り優先AEでF4、中央部重点測光、単写
C4……鉄道認識、シャッター速度優先AE、ESP測光、連写
Today's YugawaraはほとんどC1、Today's PiiyoはほとんどC2。
C3は滅多に公開しません。
C4はほとんど使わないけれど「設定枠が空いていたので」。
いずれもプロキャプチャモードは使用せず。
商品撮影はM。都度ホワイトバランス設定して感度・絞り・SS全て固定で取るのでカスタム設定は使わない。

デジタルになって楽になったことの一つに「ポラを切る」必要がなくなったというのは大きいですが、反面、カット数が増えやすく、ケミカル現像こそないものの、ちゃんと仕上げようと思ったら後処理は大変。「現像液」でなく「グラボ」が必要な今時のRAW処理。2020年にRTX2070SUPERを買ってしまって「ゲームもしないのにオーバースペックだったか」と思ったのですが、ノイズ処理の高速化に貢献。2000万画素級なので、これで充分です。

今時には今時の、フィルムとは違う難しさがあるということを思った一年弱です。

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