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森に暮らすように旅する-山梨県北斗市

森の中で過ごしたい、という思いをもとに、直感を信じて旅先を決めた。それが八ヶ岳の南麓に位置する山梨県北斗市で、本当に良い場所だった。

甲斐小泉駅を降りると目の前にはゆったりとした富士山と、頭にまだ雪をかぶった南アルプスが広がる。その雄大な自然と、少しひんやりとした空気だけで、もう満たされる。そしてAirbnbで見つけた、ログハウスのお宅に歩いて向かう。着いて5分で、すっかりこの場所が気に入ってしまったので、ログハウスまでの途中にある「売地」がやたらと気になって仕方がない笑。

毎朝散歩をした道。新緑が美しい。

私が泊まったログハウスの裏のベランダには小さな川が流れていて、聞こえてくる音は鳥の鳴き声と川の音、そして風の音だけだった。自分で作ったコーヒーを持っていき、ただただ風に揺れる木を見つめていると、頭がからっぽになっていく気がして、なんとも贅沢な時間だった。標高は1000メートルを超えているので、朝晩は冷えるけれど、5月の新緑の中を朝散歩するのもとても気持ちが良く、3日目の朝には野生の鹿が走っていくのを間近で見た。木々の間を颯爽と駆け抜けていく様子は、星野道夫さんの写真のようだと思った。都会に住んでいると、自分と同じ世界に野生動物が暮らしていることへの感覚がほとんどないので、ドキッとした。

星野道夫「夕暮れの極北の河を渡るカリブー」

自然のリズムの中で暮らすと人は元気になるのか、3月から苦しんだ扁桃腺の痛みも気づいたらなくなっていた。朝散歩をしていると、近所の人が元気よく挨拶をしてくれる。ほとんどが移住者だと言う。良い所ですねー!と言うと、良い所ですよと皆口を揃えて言う。散歩をする犬はリードを離されてのびのびと散歩をしている(最初はびっくりしたが)。澄んだ空気と、雄大な山々、美しい木々。そして気持ちの良い人々。これ以上の場所があるのかなと思うくらい、北斗市を気に入ってしまった。必ずまた訪れたい。

ログハウスの洗面所の窓。外の緑が見えて風も気持ちよい。

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