素直になれませんー吾輩はまめたである26
パパと図書館に行った。
僕は「ずかん、ずかん」と口に出しながら歩いた。
僕より2つ位上の男の子が、心配そうにこちらを見ている。
「ママ、あの子、ずかんって言ってるけど、ずかんの棚通り過ぎちゃったよ」
「そしたら、教えてあげたら?」
「うーん」
パパと棚を眺めているけど、ずかん無いじゃん!
きょうりゅう図鑑とか、さかな図鑑とか、見たいのに!
男の子が近づいてきて「ずかんはあっちだよ」と言って、
取りに行ってくれた。
別に教えてくれなくても、すぐに自分で見つけられたんだけどね・・と思ってなんだか「ありがとう」って言いたくない気分。
ぶすっとしてたら、パパに怒られた。
席に座って、さかな図鑑を読んでたら、男の子が、どうぶつ図鑑とか、花図鑑とか、3冊持ってきて、僕にくれた。
男の子のママが「すみませんね。いらないよね。」と言ってきた。
そうそう、おせっかいなんだよな。なんだい、なんだい。
しばらくして男の子は2つ席を空けて座り、本を5冊も持ってきて、声に出して読み始めた。
僕「1冊ずつ持ってきて欲しいんだけどね」
パパ「まめたと仲良くなりたいんだよ、きっと」
僕らが先に帰るとき、パパは男の子に「色々ありがとう、ほら、まめたも言いなさい」って言ったけど、僕は「ありがとう」も「ばいばい」も言いたくなかった。だから「ふんっ」て感じで大股に歩いてやった。
友達なんて、いらないよっ!
みんなもそうだよね?
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