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私にとっていい音とは

ズバリ、レコードを回して、真空管のプリアンプ→メインアンプ経由、それを、バックロードホーンで聴いているときの音。

真空管アンプを聴くのには、やっぱりバックロードホーンが合っているように思う。人によってバックロードホーンの評価はまちまちのようだが、私は大ファンである。私のお気に入りは、FE126NVをFOSTEXの設計図をもとにブナの木(無垢材)を使って作ったバックロードホーンである。
FOSTEXが推奨しているFEシリーズの設計図を使えば、それほど厳密でなくても概ね倣って作れば、ちゃんと気持ちの良い低音が出る。
FEシリーズは、中、高域がきれいに出るので、いかに低音をバックにあるホーンから出してあげるかというのが大事な気がする。
そして、プラスアルファで絶対おすすめなのが、可能であれば合板ではなく無垢材で作るバックロードホーンである。低音の質が大いに向上する。

余談だが、以前、FE126ENを使い某店舗に進められた小型のバックロードホーンのキットを作ったことがあるが、これは低音を出すのに大変苦労した。キット自身はMDFだったが、板を厚くソリッドにするため無垢のバッフルや、側面に合板を貼ったりしたが一向に低音が出てこないし締まらない。それはそのはずで、この小型サイズでは音道の長さが短すぎるしホーンの開口も中途半端。仕方がないので、抵抗とコンデンサーを使って中高域を抑えて、低域を無理やり出すようにして漸くバランスが取れる音になった。やっぱり自作スピーカーは、FOSTEXの推奨サイズに限る。

真空管アンプは、300B であろうが、ミニワッターであろうが、シングルであろうがPPであろうが、私のダメ耳では、それほど大きな違いは判らない。
なので毎日とっかえひっかえ、10種類以上あるいろいろな自作アンプに取り換えて音楽を聴いているが、いつも気持ちよく聴いている。
もちろん、それぞれパワーが違うから真空管プリを使って、同等の音量になるようにして比較した場合の事であるが。
どの真空管アンプでも、お気に入りのバックロードホーンが気持ちの良い低音を出してくれるので心地よい。
あ、ただ、私の好みに合わせてどれも3極管か、3極管接続でできるだけ無帰還にしている。2次高調波?倍音?というのだろうか?とても気持ちをリラックスさせてくれる。

レコードプレーヤーも、資金力のない私が所有する普通のプレーヤーだからかもしれないが、MM、MCどちらで聴いても、音の繊細さ、力強さみたいな違いはあるが、気持ち良い音で聴かせてくれることに違いはない。
子供のころ聴いていたレコードプレーヤーは、針が安かったのだろうと思うが、レコードの内側最後のほうになってくると音が割れて聴きずらいようなことがあった記憶があるが今はそのような事はない。
クラシックであれば、MMでもMCでも、同じレコードを聴けば聴くほど、目の前の音場に広がる個々の楽器の音色の新しい発見があり、飽きることを知らない。

音場といえば、目をつぶって聴いていれば、そこにバックロードホーンがあることを忘れさせてくれて、オーケストラやジャズのトリオが眼前で演奏しているように聴こえる。フランソワーズアルディのスターを聴いていると私の真正面のすぐそこで歌ってくれているように聴こえる。交響曲の途中に、コントラバスの低くて、控えめだけど、しっかりとしたリズムが右手奥のほうから聴こえてくるとぞくぞくする。リスニングルームであるロフトに吸音材や反射材など特別な対応はしていない。そんなに良い耳を持っているわけではないけど、低音がもたついたり、反射音が飛び回ったり、片方に音が偏ったり、聴きずらいという事はない。ログハウスの三角形の屋根のロフト、そして床には絨毯が敷いてあるので、定在波はあまり発生しないのだろうか?

定年の少し前にのめりこみ出したオーディオの世界で、真空管アンプにはまりプリ、メイン、RIAAフォノイコなど十数台を作成したり、レコードの針をMM,MCいろいろ集めたり、カートリッジのリードワイヤー、電源ケーブル、スピーカーケーブル、電源タップの拘ってみたり、高価なオイルコンデンサーや、抵抗に変えてみたり、いろいろ楽しんだ。いや、これからも、そうやって楽しむことは続けるだろう。
が、今のところ、私の場合、一番良い音を出すために一番大事なことは、バックロードホーンをどのように料理して気持ち良い低音を出すかという事のようだ。