見出し画像

今朝の閃き→ダンプ

今日は、曇りで日差しがキツくないので、林からのそよ風の方が勝っているようで、ロフトにいても扇風機を回していれば、快適に音楽が聴ける。

そんな爽やかな朝に閃いたのが、「ダンプ」という言葉の意味を考えてみようという事。

真空管アンプは、そのアンプの内部抵抗の具合によって、ダンピングファクターが決まるという。なので、無帰還状態のダンピングファクターの低さを改善すべく負帰還をかける。すると、幾ばくか、数値は改善して低音の制動が効きやすくなるという理論。
でも、その数値が必ずしも、聴感と一致しないとも言われる。つまり、高ければ高いほどいい音がするというわけでもなく、ダンピングファクターが1前後だから全くドンシャリで、ダメな音であると決めつける事もできないという事らしい。

そんな事を考えながら、目の前にあるFE126NVのバックロードホーンを何気なく見つめていたところ、ふと、ある事が脳裏に浮かんだ。スピーカーにとっての「ダンプ」という言葉。
ちなみに、英語で書くとdampでダンプカーのdumpとは関係がなく、制動という事。
スピーカーの制動とはどういうことなのだろう?そして、真空管アンプのダンピングファクターとどのように関連してくるのだろうか?という事。

勿論、真空管アンプ側でダンピングファクターを上げる努力をするというのは、スピーカーの制動を良くするためであることはわかっているのだが、相手(スピーカー)を見ないで、とにかく真空管の内部抵抗を下げてアンプ自身でダンピングファクターをできるだけあげようみたいな風潮があるように思う。

しかし、実際は、目の前にあるスピーカーとの相性としてのダンピングファクターではないだろうか?

実は、直近で使った6FQ7のダンピングファクターは、無帰還で1に届かない。でも、目の前のFE126NVバックロードホーンで聴いている限り全くドンシャリという事はなく、とても心地よい低音を鳴らしてくれる。

つまり、1に満たないダンピングファクターのアンプから送られてくる音楽信号でも、このスピーカーは十分処理する事ができる能力があるということ事なのではないだろうか?

スピーカーでダンプ(制動)というと、コーンの周りのエッジの具合と、後ろ側にある磁石による音楽信号のコントロールによって作り出されるのだろう。FostexのFEシリーズは、真空管アンプのような非力な信号でも、十分に制動を聴かせてくれる能力を持っているのではないだろうか?

そして、バックロードホーンという構造から、後ろのホーンから出てくる低音は、上手く処理をしてあげれば、まるでそれ自身が、時にはコントラバス、チェロ、そしてドラムの響きと同じような楽器として音を鳴らしてくれているように聴こえる。

つまり、うまくダンプ(制動)させるためには、アンプ自身の内部抵抗と、音を出すスピーカーのダンパーやホーンの構造を組み合わせて、丁度良い具合のバランスで鳴らせてあげることができれば良いのではないか?

ダンピングファクターが低い真空管アンプの場合は、負帰還を多用してそのあたいを上げる手法を取ることがあるようだ。

がしかし、私の場合は、無帰還で1以下のダンピングファクターのアンプに負帰還を入れても、入れなくても、目の前にあるスピーカーから出てくる音の低音の締まりは、あまり変わらない気がする。

従って、私が作るアンプは、ほぼ、無帰還で、三極管、または、三結のシングルアンプという事になり、いつも気持ちの良い二次高調波歪みが一杯の音に埋もれながら生活をしているという次第である。