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異人file3.山本 吉昭(Yamamoto-school-i )

山本 吉昭 (やまもと よしあき)

岩手県滝沢市出身

盛岡南高等学校,秋田経済法科大卒業後、関東のクラブチームや現在の3on3ブームの先駆けとなる3on3リーグ"LEGEND"のプレイヤーとして活躍。類まれな運動神経の持ち主で一瞬のうちに相手を置き去りするドライブは何度もファンを沸かせた。その後2011年に立ち上がった岩手発のプロバスケットボールチーム(当時:bjリーグ)岩手ビッグブルズよりドラフト指名を受け初代キャプテン就任後、3年間在籍。プロ引退後は自身でバスケットボールスクール(Yamamoto-school-i)を 立ち上げ子供たちへの指導の道を歩んでいる。

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【どんな人物か】

本文に入る前に、現役時代に彼がどんなプレイヤーだったかがわかる映像を見てもらいたい。

↓動画

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これがYAMAさん。何度見ても鳥肌がたつ映像。

地元岩手で活躍しているプレイヤーが東京のストリートバスケファンを沸かせてきた瞬間だった。

この動画が発信されたのは2015年。すでにプロを引退して滝沢クラブに在籍し来たる岩手国体に向け体を仕上げていた頃だろう。

正直に言おう、岩手のバスケットプレイヤーは全員胸が熱くなった。そして鼻高々だった。

動画中に出てくるSSMの一言「こんなに速いのかって…」

YAMAさんとコートで対戦したことがある人間ならば共感できるはず。

ディフェンスの反応速度を完全に超えてくる。

いつくる?いつくる?とディフェンダーの蹴り出す足に力をいれる準備をしていると

小さなフェイント一つを反動に使い一気に襲いかかってくる。

足を動かす間も無く、気付いたら横にいて反応した頃には置き去り。

そんぐらい速い。

スピードじゃ敵わないのでディフェンスは止める手立てをあれこれ考える。

方向を絞ったり、抜きづらい間の取り方など工夫をこらす。

相手チームにすればたった一人に振り回される。

本人はおそらく現役時代に嫌と言うほど"YAMA対策"を受けただろう。

その度にスキルを磨き、知識を増やし自身の経験となったと想像できる。

【---写真---】

もう一つ、彼が併せ持っているのがバスケへの情熱だ。

練習中・ゲーム中に彼から発せられる声には魂が乗り移っている。

共に闘う人間の心を奮い立たせ、チームを勝利に導く。

先日YAMAさんのスクール生を対象としたスキルアップトレーニングを拝見させてもらった。

盛岡市某所にある倉庫に案内され、中に入ると騒然した。

中には本当に日本かと疑う内観。

半面コートとゴールが6機、モルテン社と共同開発したシューティングマシンが3台

トレーニング機材、そして大量に飾られたNBAグッズ。

本当に実現したいことを実現する男。笑

【---写真---】

そんな環境でYAMAさんとスクールの生徒はスキルアップトレーニングを積んでいた。

超オスとして放つギラギラした目、大きく発せられる声。

相変わらずのYAMAさんだった。

子供たちに教える眼差しは真剣そのもの。これは当然と言えば当然なのだが

子供たちの目が違う。

「もっと上手くなる、限られた時間でどれだけ吸収できるか」を子供たちの目が物語っていた。

僕が見学した当日、小学校低〜中学年と思われる練習に不慣れな生徒も参加していた。

初の練習メニューに戸惑いながら参加していて自分は関心しながら見ていたのだが

YAMAさんの目に映る物は違っていた。

「ここに来た以上、真剣に学べ。練習の意図を考えて、初めての練習でもすぐに覚えろ。バスケの試合で初の対戦相手の特徴が分からないからヤラれたと言っているのと一緒。そんなプレイヤーが試合に出てチームは勝てるのか?」

YAMAさんは強い口調でその生徒に投げかけた。

一見、子供には厳しすぎると感じるが、真剣だからこその言葉だ。

目指しているステージが違う。

この環境が嫌ならその子はこの場所を離れるだろう。

子供が自ら教わることを選択し、上手くなる道を選ぶ。

この環境で育つプレイヤーは強くなるだろう。


取材日:2021年2月11日

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