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フルリモートだから大切にしたい、オフラインコミュニケーション。

2024年4月1日、新年度がはじまりました。新社会人となるみなさんおめでとうございます。転職・異動などで新しい環境で働き始めるみなさん、心新たに何かを始めるというみなさん、応援しています!

今日はフルリモート勤務のヌーラボで勤めながら感じた、オフラインコミュニケーションの大切さ、意味についてのお話しです。長くなってしまいましたので、お時間があるときに読んでくださいね。


フルリモート勤務のメリット

今では当たり前になったフルリモート勤務のメリット、なんだと思いますか?いくつかあると思いますが、出社勤務では制限をすることしか選択肢が無かった、「働き方の可能性」が大きく広がることだと、わたしは考えています。

RunwayMLで生成したリモート勤務のイラスト

地理的な制限がなくなる
働く人も雇う企業も「場所」の制限がなくなり、全国どこでも拠点に依存しない働き方が実現できます。また、通勤時間をそのまま就業時間に充てることも可能になるので、時間を有効に使えることもありがたいポイント。

生産活動をする時間が増える
落ち着いた自宅などの環境で就業は、自分のペースで仕事ができるため、集中力や生産性が高まり、作業効率アップ。オンラインコラボレーションを支えるツールを活用することで、離れていても同僚との業務上のコミュニケーション問題無くできる環境が整います。

柔軟性と配慮のある働き方の実現
台風や大雪などの自然災害の時、家族の介護、風邪を引いているわけではないけど、ちょっと身体が辛い時。以前なら、仕事を休んでいただ方も多いと思いますが、フルリモート勤務であれば、いつも通り業務を進めることが可能です。無理に出社をせずとも、誰もが安定して業務に臨むことができる、多様な人材活用の文脈でも喜ばしいことですね。

実は我が家、来週に長男の小学校入学を控えており、間もなく小1の壁に激突する、ドキドキの春を迎えています。正直、想像もつかない状況ですので、フルリモート勤務の環境を活用しながら、親として子供のライフスタイルの変化を無理なく支えたり、帰宅時に家で出迎えることができるのは安心材料でもあります。

フルリモート勤務のちょっと残念なところ

と、まぁ、フルリモート勤務のメリットはどんどんでてくるのですが、ちょっと残念なところもありますよね。ヌーラボでフルリモート勤務3年目の私の所感をいくつか共有します。

RunwayMLで生成したリモート勤務のイラスト

手探りで非効率的な人脈形成
フルリモートの会社に中途採用された身として、特に社内の人脈形成には苦しみました、と言うか、今も悩み続けています。誰がどんな仕事をしていて、どんな人柄かわからない。相手の働いている状況が分からず、迷惑をかけるかもしれないので声を掛けづらい。時差のあるチャットツールのテキストコミュニケーションでは、なかなか意図が伝わらない。「ご挨拶させてください」「ちょっといいですか?」の立ち話のためにオンライン会議を乱立せねばならない経験、みなさんもお持ちではないですか?

高すぎる部門間連携の難易度
同じチームの中でも相互理解無ければ業務がなかなか進まないのに、普段接点が無く、月に一度ぐらいしかオンライン会議でお見かけしない他部署の方との業務連携がうまくいくはずありません。勇気を出して声をかけたのに、「担当違います」パターンも多く、横連携のための有機的なつながりが持ちづらい印象があります。

社風やカルチャーの体験不足
人と人との関係性構築以上に難しいのが、勤務先の社風やカルチャーを体験する場の少なさではないでしょうか。テキストやオンラインで共有されるミッション、バリューや、関連した研修コンテンツは、一方的なインプットが多く、フルリモート勤務では、ユニークな自社ならではの雰囲気や価値を実感する機会は稀です。社歴の長い方達との会話で疎外感を感じたり、間違った理解をしているかもしれないと不安になったりもしました。愛着やロイヤリティを持つ以前に、会社に所属している意識を持ちにくい環境となってしまいます。

オフラインコミュニケーションの重要性

もちろんヌーラボでも、勤務地制限を撤廃し全国各地にヌーラバーが増えていく過程で、オンラインのコミュニケーションを活性化する仕組みや制度を設けたり、自社のコラボレーションツールを最大限に活用して、フルリモート勤務でのヌーラボらしい働き方を模索してきました。

でも、なんだかちょと従業員エンゲージメントが下がっているかもしれない。オンラインのみのコミュニケーションの難しさや、認識齟齬によるトラブルを聞くことが増えてきた。また、「コロナ前は●●だったよね」という哀愁の声も多く聞いていました。そんな昨年8月、社内エンゲージメント強化を一つの目的として、ヌーラボコミュニケーション部が誕生しました。

その時の背景はこちらのブログをご覧ください。
コミュニケーション部という名前に込めた思い

まずは小さく、気軽な集まりから

部署設立後、さっそく取り組んだのは、従業員エンゲージメントを測る社内調査、そして従業員の相互理解を促進するオフラインコミュニケーション、社内イベントの企画検討でした。でもコロナ禍以降、ほぼ出社をしていないヌーラバー。まずはハードルを下げて、全国に3拠点あるオフィスで、「食事をしながらただただ交流する機会」を設けました。

コロナ禍ぶりに出社をしたというヌーラバーも多く、「ひさしぶり!」「はじめまして」「やっと会えましたね」でたくさんの会話や交流が生まれ、その後の定期開催でも従業員の半数以上が参加をする人気イベントになりつつあります。

10月に福岡オフィスで開催したOffice Gathering

準備体操を経て、いざ全社総会

オフィス毎のイベントで手ごたえを感じ、次に動いたのが全社総会、General Meetingの開催。コロナ以前は毎年開催されていたものです。今年はヌーラボ創業20周年という節目でもあり、開催の機運が高まっていました。

ただ、通勤圏内のオフィス毎に集まるOffice Gatheringと違い、費用的なコストや企画準備、当日参加に伴う業務リソース圧迫へのインパクトも大きい。費用対効果が分からない集合イベントよりは、まずは業務を止めず、オンラインでの開催を目指すべきではないか等、開催に懐疑的な声も上がりました。

どんな効果が得られるかは未知数、でもポジティブな影響があることは間違いない、たぶん。説得力のある理由の言語化や数値的な算出はできない。私自身もコロナ禍入社組なので、本当に全ヌーラバーが一か所に集まり、交流することにメリットがあるのか悩みました。

そんな時、後押しになったのが、前回、前々回General Meeting開催の中心メンバーのブログやプレスリリースでした。集まるのが当たり前、リアル交流の価値を全員が共有していたころの様子読み、「やるしかない」と腹をくくりました。(先人たちに感謝)

多様なメンバーが集まるようになったヌーラボは、カルチャーやマインドの違いがあって当然。そんな違いを受け入れ、力にしていくためには、みんなに共通する何かを作っていくことが必要と考えています。それが共通の “ものすごく強烈で、ポジティブな思い出” なのです。

今年もGeneral Meetingが始まりました #NulabGeneralMeeting  (2019年開催)

(開催後アンケートより)
自身が所属するチームメンバー以外との会話量について、平均39.6%増加したと感じていることが分かりました。さらに、コミュニケーションの質の変化についての質問では、70%以上のメンバーが「仕事の依頼や相談がしやすくなった」と感じていることも分かりました。

ヌーラボが実施する「General Meeting」、社内コミュニケーションに好影響–会話量が約40%増加、70%以上が「仕事の依頼や相談がしやすくなった」

リアルで湧き出てくるもの

開催すると決めてからは、志願して集まってくれたメンバー含む26人で実行委員会を結成。イベント準備の大半はオンラインでしたが、開催2か月前には最終調整を兼ねて福岡で事前合宿を開催。集まったその場から、オフラインコミュニケーションの良さを実感しました。

  • オンラインよりも圧倒的に話しかけやすい

  • 他のメンバーの動きが分かりやすいので、連携がとりやすくなった

  • 会話の中でどんどんアイデアややりたいことが生まれてきた

  • 合間の会話でさらに相互理解が深まった

  • チームとしての一体感や意識統一をすることができた

わたしだけではなく、この合宿に参加した実行委員会他のメンバーもコミュニケーションとりやすさや業務連携のしやすさの変化を実感してくれたようです。

事前合宿、下見中の集合写真

オフラインイベントで実感した「ハレ」と「ケ」

社内のムードは2週間ほど前から徐々に盛り上がり始めました。その勢いのまま大いに盛り上がったGeneral Meeting、3日間の開催の様子はぜひこちらの公式ブログの内容をご覧ください。
ヌーラボは創業20周年!5年ぶりとなるGeneral Meeting 20th Anniversary Editionを開催しました

主催部署として、終わった後のである私は妙な緊張感と共にイベント当日を迎えました。

3日間終わって、ハタっと気づいたのは、フルリモート勤務とオフラインコミュニケーションそしてこうした年次イベントの関係は、いわゆるお祭りを取り巻く「ハレ(非日常やお祭り・儀式」と「ケ(日常)」の関係なのではないかと思うようになりました。

このGeneral Meetingのような「ハレ」の日は、同じ価値観や目標、成果を分かち合える仲間と思う存分楽しみ、感動を分かち合う場。そして「ケ」であるフルリモート勤務の日常に戻った後は、それぞれが同じ思いを抱きながらチームとして働くくことができる、そんな関係です。

「ハレ」の日も、「ケ」の日もどちらも大切、どちらだけだと意味がない。フルリモート勤務、出社勤務、それぞれの特徴や良さを生かして、多様な人材が活躍できる組織づくり、業務の効率化、組織エンゲージメントを高める。そんな取り組みやコミュニケーションの在り方を、今後も模索していきたいと考えています。

そして、次の「ハレ」の日を楽しみに、この一年も頑張っていこうと思います。


おまけ

ヌーラボでは、一緒に働く仲間を募集しています!国内在住であればどこからでも勤務可能です。ぜひ一度募集中の求人を覗いてみてくださいね。



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