見出し画像

コンデンサは「導体」か「絶縁体」か

言うまでもなく、コンデンサは「導体」でも「絶縁体」でもありません。
「誘電体」です。
では「コンデンサは誘電体である」と言われて、理解できたと思えるでしょうか。
「導体」「絶縁体」は難なく理解できるのに「誘電体」はそうもいきません。

誘電体をバカ正直に調べて理解しようとすると、誘電分極や誘電率がどうこうと、
分かるような、分からないような説明が出てくるのです。
結局、理解には至らず、知識を得て終わりになります。
知識なんて役に立ちません、理解しないと使えないのです。
なので、コンデンサを理解する時に、誘電体の説明など無駄なわけです。

理解には限界があります。
その場合は、ブラックボックスで考えるのです。
理解すべきはそのブラックボックスの「入力」と「出力」の関係なのです。

私たちが明確に理解できるのは、「導体」と「絶縁体」です。
全てこの概念で考えないと理解できないのです。

では、本題です。
コンデンサは「導体」「絶縁体」両方の性質を持ちますが、それは条件によって変化するのです。 感覚的に表現するならば、電圧が変化したときだけ反応します。
即ち変化した時だけ「導体」になります。変化がなければ「絶縁体」です

電圧の絶対値は関係ありません。それが0Vであろうと100Vであろうと、その状態に変化がなければコンデンサは絶縁体になります。
その状態から電圧が動いた時だけ導体になります。つまり電流を通します。

例えば5Vから10Vに変化した時、その瞬間は電流が流れますが、その後10Vがそのまま維持されれば、もう電流は流れなくなります。
変化した後もずっと流れ続けるのではなく、変化した瞬間しか流れないのです。

変化があった時にその分だけ電流を流す性質は、ノイズ除去に使えます。
5Vで安定している時は絶縁体として作用し、ノイズ即ち電圧の変化があった時だけ導体となり、その変化分の電流をGNDに流しノイズを除去するのです。

余談ですがコンデンサは人間の感情にも似ています。
良い事が起きれば、その瞬間は嬉しいですが間もなくそれに慣れてしまい、
嬉しさはなくなります。嬉しさの要因はそのまま維持されているのに、嬉しい気持ちは消えて普通に戻るのです。嬉しさを感じるのはその要因が発生した時だけ、
即ち変化した時だけです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?