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国別のプラスチック廃棄物排出総量ランキング(国全体と国民一人当たりと)

プラスチック廃棄物は、リサイクル、焼却、埋め立て処理、環境に散逸のいずれかの運命をたどる。リサイクルによって完全に人間社会の中でマテリアルを循環させているもの以外は、大気中のCO2濃度上昇に寄与するか、環境中に分解できない厄介な物質として蓄積されるかする。プラスチック廃棄物の排出量は、将来的にはゼロにしなければならない。
 さて、現状で我々はどれほどの量のプラスチックごみを排出しているのか。Our World In Dataというウェブサイトに、[各国から排出されたプラごみ総量]、[国別の一人当たり排出したプラごみ量]がまとめられていたので、そのデータを見てみよう。
 元データは、
Jambeck, J. R., Geyer, R., Wilcox, C., Siegler, T. R., Perryman, M., Andrady, A., ... & Law, K. L. (2015). Plastic waste inputs from land into the ocean. Science, 347(6223), 768-771.
で、各国からプラごみが海洋へどれくらい流れ出しているのかを推定した論文である。この論文では各国の統計データから、海岸から50㎞の範囲内に住んでいる人口割合でスケールして海洋ゴミになるプラごみ量を推定していたが、Our World In Dataでは各国全体からのプラごみ排出量の数値を算出してMAPにしている。それが図1。

図1. 各国で排出されるプラスチックごみの量2010年(Plastic Waste Generation 2020)
Jambeck論文では、[各国の一人当たりのプラごみ排出量]に、[海岸から50㎞の範囲内の人口]を掛けて算出したプラごみ量をエクセルで公開している。OurWorldInDataでは、[各国の全人口]を掛けることで、各国からのプラごみ排出量の総量を算出しなおしている。/Jambeck et al. quantified municipal and plastic waste streams from coastal populations in 2010. Their estimates were therefore multiplied by coastal population numbers to derive national plastic waste at risk of entering oceans and waterways. Here we calculate the total plastic waste generation by instead multiplying by total population figures.

数値テーブルを全部示したものが表1である。日本は世界第5位のプラごみ排出国であることがわかる。(Jambeckが用いたデータは2010年の統計データであり、世界全体のプラごみ総量は273メガトンであるが、その後も廃棄物量は右肩上がりなので、現在の総プラごみ量はもっと多いことに注意が必要だ。)

表1. 各国から排出されるプラごみの総量(2010年)

一人当たりのプラごみ排出量で見てみると、図2のようになる。

図2. 一人当たりのプラごみ排出量2010年

一人当たりでみると、主要国では、どういうわけかドイツがダントツ1位になる。

表2. 一人当たり排出するプラごみの量(2010年)

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