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日本人は容器包装プラスチック消費量では世界第2位~ひとりあたり年間32kg

2010年の統計で、日本は一人当たりのプラスチック廃棄物排出量でみると、0.171[kg/人/日]という数字があった。これは年間にすると62.4[kg/人]である。

2014年の統計だが、容器包装プラスチックの廃棄物量でみてみると、日本では一人当たり32.4kgであり、この値は世界第2位の多さだというレポート、"single-use plastic"がUNEPより出されている。
 同じUNEPのレポートを引用しておきながら、すこしずつ違う値で図がつくられているものを以下にいくつか示す。Geyer, Jambeck, Law 2017論文には該当する記述が見当たらず、どの値が正しく論文をリファーしたものなのかがよくわからないが、
1位 USA 45 [kg/人/年]
2位 日本 32.4
3位 EU 29.9
4位 中国 28.6
5位 インド 4.9
だとしておく。

図1. "Single-Use Plastic" UNEP report 2018,
グラフを読むとUSA(45), Chia(29), EU(30), Japan(32.4), India(5)といったところ


図2. Plastic Atlas アジア版 2022, p50より
アメリカの値がUNEPのグラフの値と違う。また、タイ、インドネシアが加わっている。


図3. 青森県エネルギー環境教育情報WEB「日本はプラスチックごみ大国?!」より
日本、EU、中国がUNEPの図よりもそれぞれすこしずつ大きい


図4. 海洋プラスチックごみについて考えよう WWFより
UNEPの図を忠実にコピーしているように見える


図5. 日本における1人あたりの容器包装プラスチック廃棄量を見積もるために、村上芽がプラスチック循環利用協会による包装・容器関連の廃プラスチック量と人口より、2014年(32.3kg)、2020年(31.4kg)を算出しグラフにしたもの。(プラスチック循環利用協会の資料より)

図5で使われている数字を、もとの資料から確認しておく。「2021年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」プラスチック循環利用協会(2022年12月発行)の、P2-3には、プラスチックのマテリアルフロー図として、プラスチックの生産量と廃棄量、そして処理処分方法の内訳の詳細が記載されている。

図6. プラスチックのマテリアルフロー図(「2021年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」プラスチック循環利用協会、2022年12月発行、P2-3)

この図の真ん中に、国内で廃棄されるプラスチック総排出量824万トンという数字が出ている。この824万トンの分野別内訳として、次の円グラフがあり、

図7. 廃プラ総排出量の分野別内訳(「2021年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」プラスチック循環利用協会、2022年12月発行、P4)

包装・容器等/コンテナ類が廃棄物全体のおよそ半分を占めており、その量は401万トンであると記載されている。
 この量を2021年の日本の人口である1億2550万2千人(総務省統計局)で割ると、401万トン/12550万人=0.03195トン/人=32キログラム/人 という2021年における年間一人当たりの容器包装プラスチックごみの排出量の数字を求めることができた。

タイトル写真 ”7 Surprising Facts about Plastic in Japan”, by Robin Lewisより

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