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和声とメロディーの関連性〜2024年度課題曲を用いて〜

 桜の木々も緑に色づき、生命の息吹きを感じる季節になりました。
 今回も課題曲1のトリオを用いて、題名の通り和声とメロディーの関連性を解説していきたい。


1.ハーモニー調べの鉄則

 コンクール時期によくみられるコード調べ的なもの。
 私としても、それ自体は作品を探求するうえで必要な行為だと感じる。
 しかし、そういった和声判定にもコツや知識が不可欠である。
 とくに、近年はインターネットで簡単にコードを表示してくれるサイトが乱立しているが、そういったものも知識がなければ間違った使い方をしかねない。
 私もどこまでわかりやすく伝えられるかわからないが、軽く。

 メロディーとハーモニーは密接に関連している。
 そんなメロディーも和音に含まれない音も入れられている。
 この音を非和声音と呼ばれている。
 基本的に和声を調べたいのであれば、強拍にあたる和声を分析すればよい。(基本は拍ごとに和声は変化するため)
 しかし先ほども述べたように非和声音が強拍に来ることも多い。
 
 一つ目は、前の和声の一部が次のコードまで残る音である(掛留音)。
 この音は、その後次のコードに含まれる音に解決する。
 
 二つ目は、一つ目と異なりいきなり非和声音が現れ、その後上行または、下行して解決する音がある(倚音)
 

 もちろんここではざっくりとしたことしか述べていないし、実際経験を積まない限り非和声音をつかむのは難しい。
 だからこそ、少しばかりであるがこの解説を参考にしてほしい。

非和声音の一例


2.実例 課題曲1のトリオから

 今回もまた、1番のトリオを取り上げる。
 ここからは、専門的(?)だったり、理屈っぽいところになるが、そういうもんだ、と割り切って聞いてほしい。

 まずトリオのメロディーと和声の一部分を見てもらいたい。

 あくまでも私の分析のため、不確かな点も多いですが、お許しください。

 では、ここから先ほど述べたように非和声音を探してみよう。
 例えば、3小節目。
 強拍にあたるBの音は、2小節目の最後の音かつ前の和声の一部である。
 このことから、このBの音は掛留音にあたるといえる。
 同様に、7小節目のEsの音も掛留音である。
 
 このように見ていけば、和声分析も簡単になると思う。

 もう少し踏み込んだ話をしてみよう。
 和声には「導音」と呼ばれる音がある。
 これは、スケールの第七音目(As dur ではGの音)である。
 この音は、主音(As)に向かって解決しようとします。
 例えば、2小節目のメロディーのGは導音である。
 では、どこで解決してるだろう。
 それは3小節目の2拍目のAsである。
 このことから、メロディーの持って行き方が想像しやすいだろう。
 先ほど述べた通り、導音は主音に行こうとする性質がある。
 ならば、音楽も全体的に3小節目2拍目に向かって少しクレッシェンドかけるなり、そこまでノンブレスで途切れないように意識するなど考えることができるはずだ。
 
 
 さらに、和声の7度の音は、下行して解決しようとする性質がある。
 例えば、6小節目のEsの音は、Fm7の7度の音である。
 そして解決するのは、7小節目の1拍目裏である。
 また、そこに向かって音がだんだん高くなるメロディーである。
 そのため、7小節目の解決するところまで緊張感のある、持っていき方、フレーズの取り方ができるのではないだろうか。

ここまでの内容から

 後半は専門的な話も多く、理解できないことが多かったかもしれないが、なんとなくわかってくれればよい。

 このように、和声からメロディーの吹き方にこだわれば、より良い演奏ができるだろう。

3.小話(全然本編に関係ないです!)

 ここ最近、自分が人に世話を焼きすぎるのかもしれないと思い始めて、これを書くこと自体迷惑だろうと感じることがある。
 きっと、今一人で作曲をしたりするなかで、部活へなんか助けになればいいと色々書こうとしているけど、そういう体にしてただ自分の自己満足なのかなと思う機会があります。
 だから、しばらく書かないかもしれない。
 まぁ不定期で始めたノリなので、それなりでいいんですが、少し自分を見つめようと思うここ数日です。
 では、また。

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