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私とパソコンの物語

Macが死んだ。

マクドナルドではなく、化粧品ブランドでもなく、AppleのiMac27インチが死んだ。

正確に言うとまだ死んでいないのだが、もう死亡寸前の虫の息だった。ほぼ死んだ。

メーカー保証は切れているのでとりあえず適当に検索して出てきた近所のパソコン修理のお店に預けてきた。
知らない店はぼったくりが怖かったが料金体系ははっきりしていたのでたぶん大丈夫だと思う。というかもうこの際修理してくれるなら多少ぼったくられても構わない。助けてくれ。

今リアルタイムでこの文章を書き殴っているので(パソコンないからスマホで)もしもお店の人に見られたら「アイツだ」とか思われそうである。

アイツです。
開店と同時に電話してパソコン持ち込んだアイツです。
FileVaultの設定をオフにしている途中でパソコンが死んだと騒いでいたアイツです。FileVault、二度と使いません。
どうか私のMacを直してくださいお願いします。



いつもならこういうトラブル話も時間をあけて書いて身バレに考慮したりするのだが、勢いのまま書けと心の声が叫んでいるので勢いのまま書いている。

そういえば大学〜新社会人時代によく使っていたmixiの日記もこんな感じで書いていた。懐かしい。
今ほどSNSも発達しておらず、ネットとはいってもほとんど身内とやりとりする程度だったので、それほど気を遣うこともなく思ったままに書いていた。

あの頃からMacを使っていたが、思えばMacとの歴史は死(故障)と別れの歴史だった。

最初のMacBookは液晶が割れた。(当時付き合っていた彼氏が閉じた状態で肘をついたら割れた)

数万かけて修理してもらった数ヶ月後、起動しなくなって結局買い替えになった。最初から買い替えればよかった。

その次に買ったiMacはたぶん10年近く使ったが、それも起動しなくなって死んだ。

そして今回のiMacである。

お空のMacたち、どうかあの子を助けてください…
お空のっていうか今もクローゼットに屍が眠っていますけども。



もはやMacと関係ない話だが、私の最初のパソコンはWindows98だった。ミレニアムと騒がれていたちょうど2000年、忘れもしない実家に初めてのパソコンがやってきた。
それまでダイヤル式の電話を使っていたアナログ家庭に(ダイヤル式を使っている家を実家以外見たことがないので当時でも珍しかったと思う)、FAX付きの電話とパソコンがやってきたのだ。文明開花である。

インターネットは世界と繋がってはいたものの、今とはまるで雰囲気が違っていた。

SNSもなく公式サイトもほとんどなく、通販できるのは本ぐらい、あるのは有象無象の個人サイトたちだった。

私は個人サイトに夢中になってお気に入りを見つけては日参した。

さらなるお気に入りサイトを探すためにリンクからリンクを渡り歩いた。

キリ番を踏むためにトップページに貼りついた。

隠しページの入口を探した。

お絵かき掲示板でせっせとマウスの操作力を磨き、仲良くなった人とはFAXでイラストのやりとりをした。

何かを好きな人が、同じものを好きな人と繋がるための、小さな広い世界がそこにあった。



テキストサイトやフラッシュサイトの全盛期もこの頃ではないかと思う。「先行者」を見て死ぬほど笑ったのは私だけではないはずだ。

あの頃のインターネットの独特の空気を思い出すと楽しかったなぁと思う。

そして私のWindowsがコンピュータウイルスに感染したのもこの頃だった。

ネットでもやりとりしていた高校のリアル友達から怪しいメールが届き、不審に思いつつもメールを開いた結果私のパソコンも感染した。
そして私がネット上で関わったあらゆる宛先にウイルスメールがばら撒かれたのだった。

全く触っていないのに勝手にメールの送信履歴が増えていくのを見ながら戦慄したことを覚えている。

どこでどう関わったのか全くわからない宛先にまでウイルスメールは送信されていて、「マッチョ兄貴の⭐︎ムキムキ部屋」みたいな見たことも聞いたこともない個人サイトの管理人から「あなたのパソコンウイルスに感染してるから気をつけて」とわざわざ教えてくれるメールが届いたりした。マッチョ兄貴は親切な兄貴だった。

家でパソコンを使うのは私だけだったので自分で対処するしかなく、私は自力で調べまくってなんとかウイルス駆除に成功した。(その後ウイルス対策ソフトも導入した)

先にウイルスに感染していた友人はパソコンを初期化して対処したらしいのだが、その時にすべてのデータを失ったらしく、送られてきた悲しみのメールが今も忘れられない。


病に倒れた彼(パソコン)を救うため、私は黒魔術に手を出しました。
彼は戻ってきましたが、そこに以前の彼はいませんでした。彼は命と引き換えにすべての記憶を失ってしまったのです。
生きていてくれるだけでいい、そう思うものの、すべてを忘れて別人のようになった彼を見る度に楽しかったあの頃の思い出が蘇るのです…




私がMacを持ち込んだ修理屋のお兄さんは黒魔術を使えるだろうか。

死んだMacは復活するだろうか。

いっそ買い替えた方が…?とも考えたが、値段を調べて再び死んだ。(私の心が)

最悪記憶を失っても構わないから(できれば失わないでほしいけど)お願い戻ってきてという気持ちを込めて今このnoteを書いている。

あとパソコンがないと9割仕事ができないので復活祈願に戻ってくるまで毎日note更新したろかなとも思っている。って書いてたら速攻帰って来ちゃいました⭐︎というオチを期待しつつ。

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