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M夢

子どもの頃から眠りが浅い。ここ数年は睡眠外来を受診していて、すこしうまく眠れるようになったのだが。日によっては朝までに、4、5回は起きてしまう。頭の疲れがとれない気がして、その点でいつもガッカリする。

しかし、そのぶん夢をたくさん見ることができる。ぼくは夢を見ることが大好きだ。現実では絶対に、おこらないことが、夢のなかでは沢山おこる。

特に、何者かに監禁されてころされそうになる(ころされる)夢、であるとか、包丁を持った男に追われて、切りつけられてもがく夢。街に、ぼくと女性の怨霊しかおらず廃墟をさ迷う夢、など。スリリングな夢が大好きだ。

これについては運がいいとしかいえないのだが、ぼくの夢は8割ほどは悪夢である。睡眠が浅いことと関係があるのかも知れない。わからないけど。

とにかく、怖い夢を見て「夢か?!」寝汗をかいて飛び起きる瞬間が好きで、現実が天国に感じられる。この体験を、運がいいと4、5回体験できるというわけだ。頭の疲れと引き換えに。笑

それにしても最悪なのは極希に、宝くじが当たる夢。大勢の裸の女性に取り囲まれる夢、など。たのしい(のか?な)夢を見てしまうことがあり、起きた瞬間のガッカリといったら、書くまでもないだろう。

また、妙に現実めいた夢も苦手だ。なんらかの資格試験に受かった、とか。夢のなかでは一軒家に住んでいる、とか。同じく、車を所有している、とか。自分のコンプレックスを刺激するような、すこしだけいい夢は、起床時のダメージは甚大だ。

さあ、今晩も。なるべく俺を、激しく困らせてくれ。絞めころしてくれ。ズタズタに切り裂いてくれ。水に沈めてくれ。呪いころしてくれ……。完全にドMである。しかしこれらの夢が、しょぼい現実を幸せに感じるための、スパイスになっている。M夢。

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