イケダユキコ

絵画制作をしています。 詩を書きなさい。そうすれば人生が豊かになる。 という関口良雄…

イケダユキコ

絵画制作をしています。 詩を書きなさい。そうすれば人生が豊かになる。 という関口良雄さんの言葉に背中を押されました。

最近の記事

ドレスの人

3月。ここはどこだ。 制作、遊び、労働、実に混沌としている。 退勤してゴミ置き場のあるビルの裏口に出た。僅かな明かりの中にふわりと浮かぶ、白地に緑の植物が鮮やかなドレス。眩しいくらいにメイクアップしたその人は、タバコをふかしながら微笑んでいた。軽く会釈しただけで去ろうとする私に「お疲れ様です」と。不意にもらった声は、低く艶やかだった。私も「お疲れ様です」と、それより少しだけ高く消えそうにでも届くように返し、薄寒い雨の街にビニール傘を開いた。 色とりどりにネオンが灯る街に放

    • Early Christmas Concert

      バグパイプ、フィドルとピアノの牧歌的な調べ 見知らぬ土地の牧場や食卓を瞼に灯し 冬のスパイスを嗅ぐように身を委ねる 悲しい音色の正直さよ 船の底で輪になってダンスをしよう クリスマスが始まる🎄 。⋆˸*⋆ ✻˸*⋆❅*॰*⋆✻*⋆✻*˸❅*॰ॱ* ✻ ⋆*˸*⋆。 カーズ・アーリークリスマス・コンサート 横浜市イギリス館

      • 11月

        青い窓がオレンジ色をエスコートする 11月の日暮れがやってきた タルトタタンは作られなかった

        • 心象風景

          私は東京を拠点に版画や絵画を制作し、年に数回展覧会を開催させて頂いている。 18まで過ごした故郷の景色は、当然ながら私の表現に大きく影響していると思う。随分遠い昔になったが、目を閉じて蘇る記憶を探り、断片を集めて言葉でスケッチしてみたい。 幼少の頃、米穀店を営む実家の繁忙期には、農業を営む母の実家に預けられ多くの時間を過ごした。当時の活気溢れる町の喧騒から離れ、時間の流れが緩やかになるのが不思議で面白かった。底抜けに明るい祖母のくしゃくしゃの笑顔が迎えてくれた。 昼