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#手紙小説

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フトした事からはじまる もう出会うことのない貴方へ 手紙のような小説 珠玉の一編をお届けします #手紙小説・メンバーで運営中
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14年前、真夜中の香港で助けてくれた、あなたへ

お元気にしていますか? ……と書いても、あなたは僕のことを、もう覚えていないかもしれません。 旅人が出会いを忘れられなくても、その人にとっては、旅人のことなんてすぐに忘れてしまうはずですから。 でも、僕にとって、あなたは今でも忘れることのできない存在で、あの日ちゃんと言えなかったお礼の言葉を、この手紙という形で、どうしてもお伝えしたいのです。 あれは14年前、香港の夜でした。 その冬の夜、僕は香港の中心部にある、重慶大厦のゲストハウスに泊まっていました。 あの頃の