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図解:良い文章・読まれる文章・優れた文章は何がちがうのか #文章の視覚化

※2021年5月10日・図解を修正しました

文章に良い文章はあるのでしょうか。「良い文章」と「読まれる文章」はちがうし「優れた文章」とも違うと思います。そして「読まれたい」のと「読みたい」は違います。紙に書く文章とnoteに書く文章も違うと思います。図解して文章の視覚化をしました。書くことを目でも楽しんでもらえたら嬉しいです。

池松潤(いけまつ じゅん)
恋愛小説家/ サイボウズ式第2編集部 / アウトプットLAB 情報発信学 SNSコーチング ※登壇・イベントなどは ⇒ コチラ

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「良い文章」

良い文章は「読む人の数」だけあります。良い文章とは「書き手」と「読み手」の関係で変わります。一方的に「良い文章」などありません。そもそも自分が良い文章だと感じても他の人には違うのです。

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もし「良い文章」を書きたいなら「美しい文章」や「自分には書けない文章」を読むことをおススメします。もし、良い文章を求める理由が「自分が納得したい・満足したい」というのが根っこにあるなら「読まれる文章」を書きたいのではないかと思うからです。


「読まれる文章」

それはシェアされる文章だと思います。テレビ時代の「読まれる文章」とは「売れる文章」であり、新聞やテレビ番組で「紹介される文章」でした。SNS時代になっても基本構造は変わらなくて「人にお勧めされる文章」だと思います。「読んでよかった」というのが評価であり拡散のポイントです。

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沢山の人に喜んでもらえると「読まれる」量が増える。読まれると気分がイイのは当然ですがそもそも何のために「読まれる」のか見失ってしまうと、読まれる量が増えたあとに書けなくなってしまいます。僕はそういうnoterを沢山知っています。手段と目的を間違えると「読まれる」ために文章を書くことになるからです。

ちなみに「読まれる文章」は目的が無くても悪いことばかりではありません。多くの人に読まれた状態にならないと「どんな風に書けばそうなるのか」わからないからです。これは「失敗から学ぶことはできる」しかし「勝たないとわからない」のと似ています。「勝たないとなぜ勝てないのかわからない」というのは真理です。本質は一緒ですからバズった事のない私にもわかります。だから「読まれた文章」を書いた体験が大事なのだと思います。


「優れた文章」

それは記憶に残る文章です。そもそも文章とは、まとまった考えや想いを表現することだと思うのですが、その背景や問いかける「何か」が優れていると人に伝わります。伝わるだけでなくカタルシス(魂の浄化)を引き起こします。だから「読み手」にとってそれは「自分の物語」に昇華するのでしょう。カタルシスが生まれると何年も記憶に残る。読んだときの時代の空気や人生と混じり合うことで「読み手の物語」として記憶に残るからでしょう。「小説は分かち合うもの」と語ったのは、ノーベル文学賞受賞したカズオ・イシグロさんでした。彼はNHKスペシャル・文学白熱教室で「小説を書くのは、原体験の記憶や心象風景を読者と分かち合いたいから」と語っています。書いた文章が読んだひとの記憶に残り行動を変える。そんな文章が「優れた文章」だと思うのです。

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過去形~未来形でわかれる文章の種類


■学校で書く文章

感想文、作文、卒業論文、レポートなど様々な文章があるけど、フォーカスされているのは『学校の先生に向けて提出』な文章だと思います。だから社会に出て書く文章とは違うし、人に読んでもらう文章とも違う。興味深いのは『私の夢』とか未来に関する文章は小学生時代には書くのですが社会人になると全く書く機会が無くなる事です。

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■業務で書く文章

報告書、レポート、計画書、企画書、提案書、人事査定書類、職務レポートなど様々な文章がありますが、ほとんどは限定された相手に対して目的を持って書く文章だと思います。基本的には過去の事実を書く文章であり未来予測の場合は論拠やデータを中心とした積み上げ型の文章を書くことが多い。情緒的やエモい文章は求められる事はまず無いしnoteに書く文章とは全く違います。#comemo タグが付いているニュースピックス的コメント風な文章にはこの傾向が強いです。そりゃそうですよね業務モードの文章だから。

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■お金を貰って書く文章

ライターコラム、有料無料雑誌のページなど出版社やウェブマガジンがお金を払って依頼する文章は金銭が発生する文章なので個人が個人責任で書く文章とは違います。基本的には読んで楽しんでもらって『購入』や『行動変容』まで導く事でメディア価値が出るので商業文章になると思います。ターゲットや用途によっては情緒的に書く事があっても商業文章であればライティング費用が発生するわけで書く相手と介在する人が生じる文章です。これはウェブマガジンの勃興と紙メディアの凋落により広まった経済圏だと感じますが読まれるプラットフォームや読むモードによっても違うので書く文章も違う風になります。

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■好きで書く文章

もともとブログやミクシィで文章を書く人は多数発生していましたが英語圏のmediumや国内だとnoteなどの新しいプラットフォームによって長文を書く人が生まれました。プロアマに関わらず参入障壁は低いので誰でもが自由にアウトプット出来るようになったのは素晴らしい文化だと思います。今後も文章スキな国民性も反映して増殖していくでしょう。しかし好きで書く文章はレベルや量も多種多様で「文章カラオケ」とも言える様相を呈しています。やがては「プロになった層」と「なんちゃってプロ層」に分かれるでしょう。例えるなら「文章執筆の青春時代」繁栄と勃興期なのかもしれません.

「成果を出しているヒトが文章を書いてる」場合と、「成果を出そうと文章を書いている」場合の違いに「壁」は依然としてあるのですが「文章は海苔やお茶みたいな面もあります」それは味わうまで「舌にあうか」「値段にみあうか」がわからないことです。だから文章には「文学賞」のように「他者の評価」が必要なのかもしれません。

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■誰かに役に立ちたい文章(貢献文章)

SNSネイティブ、ソーシャルネイティブな世代の登場によって顕在化してきた「新しい文章形態」が「貢献文章」だと思います。単なるお得なメリットのある文章だけでなくて出版社などが介在しないが故に「自由で」「縛りがなく」「愛情が溢れる」「有益な」「共感できる」文章が誕生してます。

ここでは、出版社やWEBマガジンが介在しない事が大事なのではなく、「書き手」と「読み手」の際が消失してしまっている点が特徴的な「文章」です。「文章のプロ」の意味が「紙の時代」とは異なるのはこまかい技術論では無くて読者と作者の「際」が存在しないことです。「著者」と「読者」ではなくて「書き手」と「読み手」であり、書き手は読み手でもあります。読み手は書き手でもあるわけです。

情報アウトプット関連は今後も一番の成長領域だと言う事はnoteを使っているヒトには伝えるまでもありませんが、この領域は国内ではnoteの独壇場で最も成長性が高くクリエイティブクラス界隈を中心に拡大して一般ビジネスマンや企業・自治体・団体まで広がっています。ただしなんとなく書いたらスターになった億万長者になったひとはまだまだ少ないので、それほど世の中甘くは無いと言う事かもしれませんがその辺がYoutuberとは違う点が特徴だと思います。単に読み物なのか、それとも書き手の発表の場なのかプラットフォームの思想の違いが出る部分だと思います。

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■書かずにいれられない文章(偏愛文章)

偏愛や熱狂のなかで「本質的」「熱量高い」「詳細な視点」をもって書かれている文章で「同人誌」や「深夜ラジオのお手紙」や古くは「はみだし・ぴあ」などの限られた領域でのアウトプット方法しか存在しませんでした。推しnoteは今後も書く人は増えるのでしょう。それは「繋がりやすい」し「繋がって何かを共有する」なメリットが作りやすいからかもしれません。

この領域現場に一見近そうでいて一番遠いのは「紙の出版社」です。「書かずにいれられない文章・執筆人」を広く知らしめるには「拡散力」が足りず「編集力」の付加価値が発揮するには「書籍化」せねばならず、社内で「売れるか?」を会議で説得するにはフォロワー数くらいしか指標が無いからだと思われます。出版社の強みである「既存・有名作家」との信頼関係や取引関係を活かした事例が出てくることを期待しています。

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アウトプットは多種多様だけど文章を書くのと『写真を撮る』のは違います。文章は簡単にアウトプット出来るようにはなりましたが、大きくは過去を書いた文章と未来を書いた文章に分かれると思います。


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