【変わる読者】note7つのポイントについて

昨今「編集」「ライター」系のコラムは溢れています。中には「情報商材の宣伝かよ!」と思われる「煽り的」な宣伝文句や、「結局サロンへの勧誘かよ!」と思う「情緒的に励まし系」なモノも目につきます。それらを読む事で「自己宣伝」の傾向はわかるけど、結果的には「残念感」しか残らないので、連休はネットから離れてトレッキングやサイクリングなど野山を走り回っていました。しかし、この機に【変わる読者】について7つのポイントにまとめておこうと思い、まだ経過メモみたいな感じですが、粗くても綴っておきます。ほぼ備忘録です。


①読者の一部が、書き手になっている。
②新読者が、SNS上で束なる事で情報発信力を増している。
③旧来読者の購読力は減衰している。
④読み手の「読書感覚」が変容している。
⑤出版ビジネスのパラダイムシフトは「映画からテレビ」と同じ。
⑥旧来の小説家は「映画しか出ない大俳優」
⑦新読者の興隆にあわせて、新執筆者が誕生している。


①従来の読者の一部が、書き手になっている。

「印刷」以外の情報発信が可能になったので「誰でも書き手」になれます。そのほとんどの文章を読むと、テレビの視聴率を追うような「技巧」が施されています。「より一人でも多く読んでもらう為に」、「離脱されないためにどうするればいいか」を追求している努力にはアタマが下がります。そして、従来の紙の時代の文章は「重く」、スマホで読むのには適さないようにも感じます。もちろん紙の時代から見れば、ネットの文章は「粗く」感じる事もあります。その良し悪しは別にして、誰でも「書き手」になれる時代とは「読者が書き手」になっていると言い換えればわかり易いのかと思うのです。「読者目線」の「書き手」が「新読者」となっているのだと考えます。そして「読者目線」の「書き手」の大量発生が、結果として「読み手の変容」の起点となっているのではないでしょうか。



②前述の新読者が、SNS上で束なる事で拡散力を増している。

「新読者」は情報発信を厭わないので、「読者目線」の「書き手」同志でなかば「褒め合う」協調路線をとるようになるのはネット空間では当然の事です。お互いの価値観を共有することはWin-Winですし、テレビの視聴率を追うように「フォロワー数」を増やす事に注力するので、さらに磨きがかかるようになります。以前は、従来メディアで「●●軍団」など大物芸人が配下の芸人を束ねる事で、既存メディアへ有利なポジションを作ろうとした経緯に似ているなぁと感じていました。しかし大きく違うのは「既存メディア」はネットでは不要な点です。いかにマネタイズできるか?それは収益化が「既存メディア」に依存しなくても可能になったからです。例えば、noteによるコンテンツ「課金」や、クラウドファンディングによる「オンラインサロン入会」という「収益出口」のおかげでしょう。月に100万円以上稼ぐ方もチラホラ出てきています。収益の方法が多様化して身近な「バイパス」が出来た事が、ますます「書き手」同志で協調路線を濃密にしているように見えます。これはネット空間を覗き続けていないと解らないので、アナログ空間だけでビジネスをしている出版業界の方には「は?何のこと言ってるんだ?」状態と言えるかもしれません。



③旧来の読者の購読力は減衰している。

今さら書くまでも無く「書籍」の売上は急降下しています。しかし従来の「読み物」である「書籍」が売れないだけで、日本人の「読み物」ボリュームは減っているどころか増えているのではないか?と思うのです。自分を振り返ると、紙の読書より「ネット閲覧」時間が増えたなぁと感じています。移動や隙間時間での閲覧時間が、就寝前や起床時まで浸食しているからだと思います。SNSやnoteなどのネット上の「読み物」は増加する一方です。ずいぶん長い事日本の「平均給与所得」は増えていません。だから旧来の読者の購読力が減衰している事と同時に、「読み手の時間の使い方」が変容しているのだと思います。



④読み手の「読書感覚」が変容している。

「読み手の時間の使い方」と同時に、変容しているのが「文章の読み方」だと思うのです。「10行以上の文章は息が詰まる」や「難しい文章が続くのは苦」という「読書感覚」がネットを中心に増えてきているのではないでしょうか。最近の売れ筋と言われるビジネス書にはSNSの再編集を印刷しただけで、すき間だらけのモノもあります。これを読みやすいと感じるか、スカスカと感じるかは「食感」に似ていると思います。恐れず例えて言うなら「マヨネーズに慣れた舌」のようなものではないでしょうか。もっと言い換えれば、「10行以上の文章は息が詰まる」というのは「ビールは苦くて飲めない」という感覚に似ていると思うのです。これは「味覚」や「食感」の変化のように「読書感覚」が変容しているのではないでしょうか。でも気をつけておきたいのは、紙から電子書籍への変化とは違うのです。読み手の多数派が、Web読者のようなライトな方向へ「読書感覚」が変容しているのではないか?と推測しています。



⑤出版ビジネスのパラダイムシフトは「映画からテレビ」の道のりに似ている

映画が華やかな時代の映画製作者から、テレビの娯楽番組に対して「なんて粗い陳腐な内容だ」と見下した時代がありました。映画時代では、公開生放送の「8時だよ全員集合」も不可能でしたし、「欽ちゃん」も登場しませんでした。そして映画製作者にとって、入場料収入よりテレビ広告収入が伸びるとは想像も出来なかったと思うのです。これを技術による「情報発信の変化」「収益モデルの変化」と捉えると、同様な変化が出版業界に起きていると言えないでしょうか。

出版物も「紙の印刷物」では不可能だった事が次々と起きています。「ネット・コンテンツ」で追記は当然ですが、追記する度に※「コンテンツ販売価格の増額」など従来では考えられない収益技法が生まれています。これらを「情報商材の販売手法と同じ」と決めつけて見下したように判断するのは拙速だと考えます。新しいモノは得てして「エロ」や「詐欺まがい」から生まれて来るものです。ネットによって出版物もしかり、紆余曲折を経て「情報発信の変化」「収益モデルの変化」を進めて行くのだと思います。


※追記による「コンテンツ販売価格の増額」とは:note等でコンテンツを課金販売する際に、「追記する度に販売金額を増額します」と明記する。そのことで読者がコンテンツ購入を早期にした方が「お得感が増す」状況を作り、コンテンツ購入者をスピーディーに加速させる手法。更にフィードバックされて「●●●●人読者達成!」など「煽り系自己PR」をする。それに踊らされた読者によってどんどん収益を増やしていく手法。これを詐欺的手法と揶揄するのではなく、新しいマーケティング手法と見れば「活用方法」も考えられるかもしれません。そうでないかもしれない。自分には、まだわかりません。



⑥旧来の小説家は「映画しか出ない大俳優」に似ている。

これまでに映画化やドラマ化を果たしてきた小説家は、例えるなら「映画しか出ない大俳優・大女優」に似ています。それは作品を出せば売れるからです。読者がついていて、小説家としてのビジネス生態系が既に出来上がっているとも言えるでしょう。

これを読み解き換えると、ネットで評判の「書き手」が出版を行う事があっても、旧来の出版だけで生きて行く「書き手」は中々産まれてこないでしょう。それは、テレビで売れて「映画だけで生きる」俳優が生まれなかったのと似ているのではないでしょうか。出版業界も、映画からテレビへ変遷になぞらえて考えるとビジネス構造や生態系の変化が解かり易くなるのかなと思います。そしてビジネスチャンスが何処にあるのかも見えてくる気がします。


⑦新読者の勃興にあわせて、新執筆者が誕生している。

娯楽の王様が映画からテレビに移行した時代変化を、出版ビジネスになぞらえて見ました。新しい時代は「バキ!」と音を立てて変わるのではありません。ジワジワと変化するものです。

①で書いた、「読者目線」の「書き手」の大量発生は、結果として「読み手の変容」につながっています。これは同時発生的で一方通行的に生じているわけではありません。グルグルと循環していて、この変化に弾みがついています。noteはその渦中にいるキープレイヤーの1つだと思います。他にも新しいプラットフォームは誕生するでしょう。今までのネット・ビジネスを振り返れば「勝者全取り」‐Winner takes all‐なのだと思います。いずれにしても、新読者の勃興にあわせて、新執筆者は更に増して、新しい「出版ビジネス」生態系を形作っていくのだと思います。


書き手にとって肝心なのは「読者」ですが、「読み手」の変化をヒタヒタと感じつつも、どのように変容しているのかアタマの整理をつける事がなかなか出来ませんでした。そして「読者の変容」について書かれた情報はあまり目にした事がありません。前述の通り「ポジショントーク」が氾濫しているので、それに惑わされがちだったのかもしれません。いずれにしても「出版ビジネス」生態系は変化しています。特に日本は独特の変化を遂げるかもしれません。

ライティングとは違い、小説を書くとは、技巧こそあれ「スライス・オブ・ライフ」、書き手の生き様そのものが浮かぶものだと思っています。生き方は今さら変えようがありませんが、新しい視点や視座は、興味から生まれます。だから、読者というヒトの変化への興味は増すばかりです。アタマの整理が出来たら、また続きを綴りたいと思います。今日はサクッとこの辺まで。ではまた。


追記:これは旧メディア側から見たら「ネット空間で起こっている事象がどうみえるか?」視点で書いてあります。ネット・ネイティブ世代にとっては、酸素を吸うほど常識なので、「これは主張でも解説でもありません」くれぐれも、勘違いの無きようお願いします。


追記2(2018/05/06 22:15):5か月後の10月にこの備忘録を読んだらどう感じるだろう。noteライターの中の誰かが、テレビ情報番組へ「注目のコラムニスト!」として出演者で出ているかもしれない。

著名大物小説家が、めちゃ面白いnoteでコラムを書いてバズって糸井さんを超えるフォロワー数になっているかもしれない。その熱狂のような状況に触発されて「年に紙の書籍を1冊しか買わない読者」がnote課金で月1500円くらいスマホで読んでいたら。。。。

それを日経新聞は、どんな記事にするのだろう?こういう妄想のような仮説を酒を呑みながらニヤニヤして、ある種の「筋目」を読むのも、ひとつの楽しみだったりする。


こちらが「追伸」です。もしお時間があればどうぞ。



★Twitterで感じている事や、notteに書く手前の関心をつぶやいています。



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コメント3件

出版界の変化が読者の側も変えていくんですね。
シオさん。いやぁ逆で、環境変化に対応しないと生き残れない出版社が多数なのではないかと。高齢者向きに書いたので、そう読めちゃうかもしれませんね。
いまいずみ さん お返事遅くなりました。フォロワー数や、アクセス数は所詮錯覚資産とも言えます。noteを読んだ後に、行動変容して、実のある結果に繋がれば書いた当人も救われるのかと思ってます。まぁ書くのは自由ですし、多種多様だとは思います。詳しく書いていただきありがとうございます。感謝です😊
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