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【イタリア】イースターのドルチェ「コロンバ」


今年もイースターがやってきた。イタリアでは『パスクア』と言い、日本では「復活祭」と呼ぶ。誰が復活したかと言うと、「イエス・キリスト」のこと。十字架に架けられて命尽きたはずが、三日後に生き返ったという物語が基になっている。それだけ選ばれた人だということが伝わる。

毎年イタリアでは、春分以降の満月になった直後の日曜日に当たるため、日にちが定まっていない。今年は4/17日。

ちなみに17日に日付が変わった直後の空。


各地方でこの日に食べるものがある。イタリア中部地方では、子羊料理がメインとなる。パン粉をつけて揚げたり、オーブンで焼いたり、煮込んだり、グリルや炭火も美味しい。

一方で、ドルチェは全国的に食べられている。その名も、

『コロンバ』

切った断面。パンのように柔らかい。


コロンバは、平和をもたらす鳩:コロンバをモチーフにした、大きなパンと表現するのが分かりやすい。購入するのが一般的で、スーパーでは手頃なものやグルテンフリーなどのこだわったものがある。ケーキ屋なら、高級な素材の新鮮なコロンバを手に入れることができる。

よく行くケーキ屋は、インスタにオリジナルのコロンバを投稿している。

 ドライフルーツやアーモンド、ピスタチオ、チョコレートを混ぜたり、上にのせたりして個性を出している。


コロンバの始まりは諸説ある。中でも興味深いのは、クリスマス時期に食されるケーキというかパン「パネットーネ」の機械で、この時期のおやつは作れないかと試行錯誤した結果、これが誕生日したという説。確かに、パネットーネと似ている。形とトッピングが違うだけだろう。そして、クリスマス同様、一日だけ祝うのではなく、パスクアシーズンは何度も食べる。朝食に、食後のデザートに、3時のおやつにも登場するほど、いつ食べても構わない。だからいくつあっても足らないことはない。

宗教と商売

パスクアになると、たくさんの動物がモチーフになり混乱する。子羊を食べ、鳩:コロンバのドルチェ、うさぎや卵の形をしたチョコレートなど。それぞれに言われや意味があるようだが、一番の目的は何だろうかと疑問を抱く。


宗教行事として、厳格に祈りを捧げる人もいれば、家族や友だちと賑やかに過ごす人たちもいる。

スーパーで山積みになる商品に、どうも商売目的のものが多いのではないかと疑いの目で見ている。卵のチョコレートはその代表的なもの。"復活" から誕生を表現している。キリストの復活なのに。ウサギも繁殖能力が高いことでキャラクターに選ばれたと言える。


これだけ商品が溢れると、廃棄問題に直面すること間違いなし。節分の恵方巻きと重なって仕方がない。

だが、イタリアの良いところは、時期が過ぎたからといって、棚から完全に消えることはない。過ごした安くなって販売を続ける。だから、気になっている少し高いものや、おやつのストックに購入する人もいるだろう。

明日は、パスクアの卵型チョコレートはどんなもので、何が入っているのか詳しく見ていこう。

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